15 / 333
故郷へ向かう旅
12 八つ当たり
しおりを挟む
※残酷な描写と思われる部分があります。ご注意下さい。
◆登場人物紹介(既出のみ)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。前世では冒険者Sランクの人間の剣士だった。冒険者デビューしたばかり。完全獣化で黒狼の姿になれる。
==============================
獣人の国へ行く為に、東の国境に向かって狼の足でがむしゃらに駆ける。正直、虫の居所が悪かった。
どうにもならない事もわかってはいる。でも前世の自分の不甲斐なさが、無性に悔しかった。
あいつは死んでからも誰かを傷つけ、死んでからも誰かを悲しませている。自分の死を悼んでくれる人が居る事よりも、自分の死が人を傷つけている事が悔しかった。前世の自分が憎かった。
ドワーフの国を出てからは、町にも入る気にならず、ひたすら昼も夜も構わずに駆け続けた。色んな思いがないまぜになっていて、何かにそれをぶつけたかった。安全な街道脇の森でなく、わざと山に近い危険な森を進んだのはその所為だ。こちらの道の方が近い、なんて言うのは、ただの言い訳に過ぎない。
だからその通り道に居たミノタウロスは運が悪かった。私の八つ当たりの標的にされてしまうのだから。
ある意味、そこに居たはずの冒険者たちも運が悪かった。もう少し私が着くタイミングが早かったら、もう少し持ちこたえられていれば、死なずに済んでいたかもしれないのだから。
もうただの肉塊となった、人であったモノを握り潰しながら、牛頭人身の魔獣は獣人の姿に戻った私に威嚇の咆哮を放った。
「面倒くさい」
チョーカーに仕込んだ魔法石による制限を全部外し、愛用のロングソードを手にした。
* * *
ミノタウロスだった物から、ロングソードを抜く。何年かぶりに制限を全部外したので、かなり身軽に動けた。ミノタウロスはAランク相当の魔獣だ。それを一人で倒せたのだから、まあ悪くはない。
前世の私はSランクだったけれど、最終的には『神の加護』が付いてSSランク相当になっていた。
リリアンになってからの基礎力は大分戻って来た。スキルは前世のものも受け継いでいるから、総合するとおそらく今はSランク相当くらいか。
次の闘技大会があるまでに、参加資格のあるAランクにまで上げておかないといけない。
流石に冒険者デビューして2か月の小娘が、急にAランクになるのは不自然だ。でも故郷で加護をもらったとか、スキル上昇のダンジョンに行ってきたとか、そういう事にして闘技大会までに緩やかにランクアップしておけば、少しは誤魔化せるだろう。
ミノタウロスを倒して、少し頭が冷えたようだ。辺りに散乱する、いくつかの遺体と、いくつかの人だった肉塊を見回す。この冒険者たちの事はどこかのギルドに届けないと。
そう思っていると、かすかに複数の馬の蹄の音が聞こえた。
* * *
「ギルドマスター! 街道にミノタウロスが現れたそうです!」
傷を負った青年と共に、門番が叫びながら冒険者ギルドに駆けこんできたのは、馴染《なじ》みの冒険者パーティーのリーダー、ザックと話をしているところだった。
気の付くギルド員がすぐさま青年に駆け寄り、回復魔法を掛ける。幸い彼の傷は深くはないらしく、息をきらせながらも訴えてきた。
「私の……所属するパーティーが、ダンジョンから戻る途中に、ミノタウロスに襲われました…… リーダーは私に応援を連れて来いと…… お願いします!! 早く、助けに行かないと!!」
聞くと、彼らはCランクのパーティーらしい。その話が本当なら、のんびりはしていられない。
「すまないが、君たちも一緒に来てくれないか??」
こんな小さい町に立ち寄る冒険者は多くない。今滞在してくれている、少ない冒険者の中で一番ランクが高いパーティーはBランクだ。そのパーティーが今ここに居合わせてくれたのは不幸中の幸いか。
Bランク相当の冒険者が4人。さらに、ギルドマスターをしているが、自分も武器を持てばAランクの剣士だ。これならAランクのミノタウロス相手でもなんとかなるだろう。
青年はジェスと名乗った。彼の仲間たちの安否もかかっているので急がないと。現地までは馬を走らせることにした。
馬には乗れぬ者もいるが、二人乗りでも足で駆けつけるよりははるかに早い。
ジェスには自分の馬に乗ってもらった。町まで走ってきたばかりのジェスに馬を駆らせるのはつらかろう。また現地までの案内もしてもらわねばならない。
「もう少し先です。あの丘を越えた先に……」
ジェスが指をさした丘を越えた先には、黒髪の少女が立っていた。
「……誰だ? あれは?」
ジェスが訝しげに呟くのが聞こえた。ということは、彼の仲間ではないようだ。
少女の傍らにはミノタウロスの巨体と、さらに離れたところに人らしきものたちが倒れているのが見える。
もう少し近づくと、その少女が獣人であることがわかった。一つに束ねた黒く長い髪、その髪と同じ色の獣の耳と尾。まさにこの戦いで使ったのだろう、手にした鉤爪の血を拭っている。
馬から飛び降り少女の元に駆け寄る。少女は急に現れた集団に驚いた様子でこちらを向いた。その黒い瞳が、僅かに炎を宿した様に赤く揺らいだように見えた。
「このミノタウロスは、君が倒したのかね?? ああ、すまない。私はこの近くのワーレンの町の冒険者ギルドのマスターで、デビットと言う」
私が名乗ると、少女は丁寧に礼をした。
「リリアンと言います。冒険者です。私が通りがかった時には、ミノタウロスはもう手負いの状態で今にも膝を突こうとしていた様子でした。私は止めを刺しただけです」
確かに。ミノタウロスについた深い傷は、殆どがロングソードによるものの様だ。
見たところ個体としてはほぼ通常の大きさのようだが、それでもこの少女の倍近くの背丈はありそうだ。止めを刺しただけと言っていたが、それでも安易な事ではなかったろう。
周りで倒れている冒険者たちは、残念ながらすでに事切れているらしい。彼らはミノタウロスをここまで追い詰めて、しかし果ててしまったのだろうか。
獣人の少女にギルドカードを見せてもらうと、まだDランクだ。
なんと。Dランクで、手負いとはいえミノタウロスと戦うとは……
「ここで止めを刺しておかないと、町が危険にさらされるのではないかと思いました」
町の為に、自らの危険も顧みずに立ち向かったというのか…… なんて勇敢な少女だ!! 目頭が熱くなるのを感じた。
「ひとまず一緒に町に来てくれないか?? 詳しく話を聞かせてもらいたい」
冒険者が亡くなっているので、遺族に渡す書面も作らなくてはいけない。そう伝えると、快く引き受けてくれた。
ザックたちに周辺の片付けを頼み、魔法使いのアンナには少女の怪我を見るように声をかける。
「よろしくお願いします」
少女はそう言って魔法使いの方に歩き出すと、
そのまま、どさりと横に倒れた。
「!!」
アンナが驚いて少女に駆け寄った。そこに居た全員がその周りに集まり、アンナが少女の様子を確認するのを見守る。
「特に、大きな怪我などはありません。おそらくスタミナ切れでしょう」
ほっと、皆から安堵の息が漏れた。アンナが回復魔法をかけると、少女の顔色が少し良くなったようだ。
「回復の魔法と、眠りの魔法をかけておきました。目が覚めれば良くなっているはずです」
「そうか、アンナは彼女について居てくれ。他の皆はこの辺りをさっさと片付けてしまおう」
そう声をあげると、全てを聞き終わらないうちに、もうザックとリタは片付けをはじめた。
「こんなちっちぇー体でミノタウロスと戦ったんだ。Dランクなら基礎力もそんなに高くはないだろうに。そりゃスタミナ切れも起こすよな」
ビリーが少女の寝顔を眺めながら、やれやれといった様子で言った。
◆登場人物紹介(既出のみ)
・リリアン…主人公。前世の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。前世では冒険者Sランクの人間の剣士だった。冒険者デビューしたばかり。完全獣化で黒狼の姿になれる。
==============================
獣人の国へ行く為に、東の国境に向かって狼の足でがむしゃらに駆ける。正直、虫の居所が悪かった。
どうにもならない事もわかってはいる。でも前世の自分の不甲斐なさが、無性に悔しかった。
あいつは死んでからも誰かを傷つけ、死んでからも誰かを悲しませている。自分の死を悼んでくれる人が居る事よりも、自分の死が人を傷つけている事が悔しかった。前世の自分が憎かった。
ドワーフの国を出てからは、町にも入る気にならず、ひたすら昼も夜も構わずに駆け続けた。色んな思いがないまぜになっていて、何かにそれをぶつけたかった。安全な街道脇の森でなく、わざと山に近い危険な森を進んだのはその所為だ。こちらの道の方が近い、なんて言うのは、ただの言い訳に過ぎない。
だからその通り道に居たミノタウロスは運が悪かった。私の八つ当たりの標的にされてしまうのだから。
ある意味、そこに居たはずの冒険者たちも運が悪かった。もう少し私が着くタイミングが早かったら、もう少し持ちこたえられていれば、死なずに済んでいたかもしれないのだから。
もうただの肉塊となった、人であったモノを握り潰しながら、牛頭人身の魔獣は獣人の姿に戻った私に威嚇の咆哮を放った。
「面倒くさい」
チョーカーに仕込んだ魔法石による制限を全部外し、愛用のロングソードを手にした。
* * *
ミノタウロスだった物から、ロングソードを抜く。何年かぶりに制限を全部外したので、かなり身軽に動けた。ミノタウロスはAランク相当の魔獣だ。それを一人で倒せたのだから、まあ悪くはない。
前世の私はSランクだったけれど、最終的には『神の加護』が付いてSSランク相当になっていた。
リリアンになってからの基礎力は大分戻って来た。スキルは前世のものも受け継いでいるから、総合するとおそらく今はSランク相当くらいか。
次の闘技大会があるまでに、参加資格のあるAランクにまで上げておかないといけない。
流石に冒険者デビューして2か月の小娘が、急にAランクになるのは不自然だ。でも故郷で加護をもらったとか、スキル上昇のダンジョンに行ってきたとか、そういう事にして闘技大会までに緩やかにランクアップしておけば、少しは誤魔化せるだろう。
ミノタウロスを倒して、少し頭が冷えたようだ。辺りに散乱する、いくつかの遺体と、いくつかの人だった肉塊を見回す。この冒険者たちの事はどこかのギルドに届けないと。
そう思っていると、かすかに複数の馬の蹄の音が聞こえた。
* * *
「ギルドマスター! 街道にミノタウロスが現れたそうです!」
傷を負った青年と共に、門番が叫びながら冒険者ギルドに駆けこんできたのは、馴染《なじ》みの冒険者パーティーのリーダー、ザックと話をしているところだった。
気の付くギルド員がすぐさま青年に駆け寄り、回復魔法を掛ける。幸い彼の傷は深くはないらしく、息をきらせながらも訴えてきた。
「私の……所属するパーティーが、ダンジョンから戻る途中に、ミノタウロスに襲われました…… リーダーは私に応援を連れて来いと…… お願いします!! 早く、助けに行かないと!!」
聞くと、彼らはCランクのパーティーらしい。その話が本当なら、のんびりはしていられない。
「すまないが、君たちも一緒に来てくれないか??」
こんな小さい町に立ち寄る冒険者は多くない。今滞在してくれている、少ない冒険者の中で一番ランクが高いパーティーはBランクだ。そのパーティーが今ここに居合わせてくれたのは不幸中の幸いか。
Bランク相当の冒険者が4人。さらに、ギルドマスターをしているが、自分も武器を持てばAランクの剣士だ。これならAランクのミノタウロス相手でもなんとかなるだろう。
青年はジェスと名乗った。彼の仲間たちの安否もかかっているので急がないと。現地までは馬を走らせることにした。
馬には乗れぬ者もいるが、二人乗りでも足で駆けつけるよりははるかに早い。
ジェスには自分の馬に乗ってもらった。町まで走ってきたばかりのジェスに馬を駆らせるのはつらかろう。また現地までの案内もしてもらわねばならない。
「もう少し先です。あの丘を越えた先に……」
ジェスが指をさした丘を越えた先には、黒髪の少女が立っていた。
「……誰だ? あれは?」
ジェスが訝しげに呟くのが聞こえた。ということは、彼の仲間ではないようだ。
少女の傍らにはミノタウロスの巨体と、さらに離れたところに人らしきものたちが倒れているのが見える。
もう少し近づくと、その少女が獣人であることがわかった。一つに束ねた黒く長い髪、その髪と同じ色の獣の耳と尾。まさにこの戦いで使ったのだろう、手にした鉤爪の血を拭っている。
馬から飛び降り少女の元に駆け寄る。少女は急に現れた集団に驚いた様子でこちらを向いた。その黒い瞳が、僅かに炎を宿した様に赤く揺らいだように見えた。
「このミノタウロスは、君が倒したのかね?? ああ、すまない。私はこの近くのワーレンの町の冒険者ギルドのマスターで、デビットと言う」
私が名乗ると、少女は丁寧に礼をした。
「リリアンと言います。冒険者です。私が通りがかった時には、ミノタウロスはもう手負いの状態で今にも膝を突こうとしていた様子でした。私は止めを刺しただけです」
確かに。ミノタウロスについた深い傷は、殆どがロングソードによるものの様だ。
見たところ個体としてはほぼ通常の大きさのようだが、それでもこの少女の倍近くの背丈はありそうだ。止めを刺しただけと言っていたが、それでも安易な事ではなかったろう。
周りで倒れている冒険者たちは、残念ながらすでに事切れているらしい。彼らはミノタウロスをここまで追い詰めて、しかし果ててしまったのだろうか。
獣人の少女にギルドカードを見せてもらうと、まだDランクだ。
なんと。Dランクで、手負いとはいえミノタウロスと戦うとは……
「ここで止めを刺しておかないと、町が危険にさらされるのではないかと思いました」
町の為に、自らの危険も顧みずに立ち向かったというのか…… なんて勇敢な少女だ!! 目頭が熱くなるのを感じた。
「ひとまず一緒に町に来てくれないか?? 詳しく話を聞かせてもらいたい」
冒険者が亡くなっているので、遺族に渡す書面も作らなくてはいけない。そう伝えると、快く引き受けてくれた。
ザックたちに周辺の片付けを頼み、魔法使いのアンナには少女の怪我を見るように声をかける。
「よろしくお願いします」
少女はそう言って魔法使いの方に歩き出すと、
そのまま、どさりと横に倒れた。
「!!」
アンナが驚いて少女に駆け寄った。そこに居た全員がその周りに集まり、アンナが少女の様子を確認するのを見守る。
「特に、大きな怪我などはありません。おそらくスタミナ切れでしょう」
ほっと、皆から安堵の息が漏れた。アンナが回復魔法をかけると、少女の顔色が少し良くなったようだ。
「回復の魔法と、眠りの魔法をかけておきました。目が覚めれば良くなっているはずです」
「そうか、アンナは彼女について居てくれ。他の皆はこの辺りをさっさと片付けてしまおう」
そう声をあげると、全てを聞き終わらないうちに、もうザックとリタは片付けをはじめた。
「こんなちっちぇー体でミノタウロスと戦ったんだ。Dランクなら基礎力もそんなに高くはないだろうに。そりゃスタミナ切れも起こすよな」
ビリーが少女の寝顔を眺めながら、やれやれといった様子で言った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる