ゴミのように切り捨てられた傭兵は異世界に迷い込みました

竹桜

文字の大きさ
5 / 10

第五話 告白

しおりを挟む

 「ウ、ウースさん。ま、まさか異世界人だったんですか?」

 「ああ、そうだ」

 「そうだったんですか」

 そう言い、ネーアは立ち上がったのだ。

 「まずはお礼を言わせて下さい。私のことを助けて下さってありがとうございました」

 「気にしないでくれ。当たり前のことをしたまでですから」

 「それでもです。あ、1つだけ安心して下さい。ウースさんが異世界人のことは秘密にしますから。勿論、その異世界の武器のことも」

 「それは助かる。じゃあ、ここから脱出しよう」

 そう言い、俺はネーアの方に手を差し出した。

 「はい」

 そう言い、ネーアは俺の手を取ってくれた。

 その後、俺はネーアのことを護衛しながら、ダンジョンから脱出したのだ。

 冒険者ギルドに到着すると驚きの表情で見られた。

 まぁ、そんな反応になるよな。

 モンスターハウスに置いていかれたギルド職員が無事に帰ってきたのだから。

 それから俺達はギルド長のところに通され、今回のことを聞かされた。

 本当にクソ野郎達だな。

 今回、ネーアのことを見捨てた者達は結託していて、本当はD級ぐらいの実力しか無かった。

 そして、結託していたギルド職員は不正行為までしていたみたいだ。

 不正した冒険者達は追放処分となり、ギルド職員は職を失った。

 そして、法的に訴えられ、普通に牢屋の中にぶち込まれた。

 これで、今回のことは終わりをむかえた。

 それから2週間が経ったが、あまり変化は無かった。

 いや、1つあったな。

 俺が試験を受けずにA級に上がったことだ。

 まぁ、ギルド職員を連れて、モンスターハウスから無事に帰還したからな。

 そして、俺はまたネーアに食事に誘われたのだ。

 お礼をさせて下さいと言われ。

 こればっかりは受けないとな。

 ネーアの気が済まないから。

 また同じレストランでネーアと食べた。

 その時にまた先に支払いしようとしたのだが、既にネーアに支払われていたのだ。

 やられたな。

 レストランでの食事を終えた後、前と同じように送り届けていたのだが、何故かネーアの顔は少し赤かったのだ。

 「ウ、ウースさん。こ、この少し時間ありますか?」

 「特に予定が無いから、大大大だ」

 「そ、それなら少し付き合って欲しいです」

 「構わないぞ」

 「そ、それではこちらです」

 少し不思議に思いながらも俺はネーアの案内に従った。

 ネーアに案内された場所に到着したのだが、そこは王都を見渡すことが出来る第二障壁の上だったのだ。

 「登れるのか?」

 「はい。ここは王都を見渡す為に一般公開されている場所なんです。結構穴場なのですよ」

 確かにな。

 俺達以外に人は居ない。

 そんなことを思っているとネーアが私の服を裾を引っ張って来たのだ。

 「前から少し聞きたいことがありました。ウ、ウースさんは前の世界にこ、恋人はいたのですか?」

 恋人か。

 居なかったが、経験はある。

 まぁ、傭兵だからな。

 そのことは伝えなくいいだろう。

 「居なかったぞ。ただの傭兵だったからな」

 「そ、そうですか」

 そう言い、ネーアは服の裾を離して、私から離れたのだ。

 「と、突然ですけど、わ、私はウースさんのことがす、す、好きです」

 突然の告白に俺は驚くしか無かった。

 恋人のことを聞いてきたから一瞬過ったが、俺のことが好きとは。

 「前から好きだったんですけど、助けて貰った時から更に好きになりました。だから」

 そう言い、ネーアはメガネを取ったのだ。

 メガネを取ったネーアは美形だった。

 これまで見たどんな美女よりも。

 そして、その顔は真っ赤になっていたのだ。

 「わ、私のことを恋人にして下さい」

 女性に告白された。

 それを受けなければ、男ではない。

 だから。

 「こんな俺で良ければ」

 俺の返答を聞いたネーアは嬉しそうな表情を浮かべていたのだ。

 「ありがとうございます、ウースさん」

 そう言い、ネーアは俺の胸に飛び込んできた。

 俺は飛び込んできたネーアを抱き締めたのだ。
 
 この世界に迷い込んだ俺は可愛い恋人が出来た。

 守らなければ。

 恋人になったネーアを。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された検品係、最弱の蛇に正しく聞いたら鉱脈を掘り当てた ~この世界は精霊の使い方を間違えている~

Lihito
ファンタジー
精霊に「やれ」と言えば動く。この世界の全員がそう信じている。 レイドだけが違った。範囲を絞り、条件を決め、段階的に聞く。それだけで最弱の蛇は誰より正確に答える。——誰にも理解されず、追放された。 たどり着いた鉱山町で、国が雇った上位精霊が鉱脈探査に失敗し続けていた。高性能の鷹が毎回違う答えを返す。 原因は鷹じゃない。聞き方だ。 レイドは蛇一体で名乗り出る。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

処理中です...