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第十八話 末路
しおりを挟む[優弥視点]
なぜだ?
何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?
なぜ、俺様の力が失われている。
いつものように朝起きて、俺様のハーレムと共に街に出掛けようと思いながら下に降りると、いきなり妹と母親にビンタされたのだ。
俺様はビンタされた右頬を押されながら、疑問を投げ掛けると軽蔑するような視線を向けられるだけだった。
そのことに唖然としていると父親から顔面を殴られたのだ。
父親に何も喋り掛けられずにただ殴られ続ける。
殴られ続けた後、自室に放り込められた。
殴られた場所を押さえながら、スマホを開いた俺様は驚きで固まってしまう。
俺様のスマホにはハーレムからの通知で埋め尽くされていたのだ。
1つ1つのメッセージを確認する。
全てのメッセージを纏めると俺様と別れて欲しいという話だったのだ。
俺様がどんなメッセージを送っても誰からも返ってくることは無かった。
俺様のハーレムの全員にブロックされたのだ。
その日から俺様の日常だった日々が狂い始める。
土日を終え、高校に登校すると女達からは軽蔑な視線を向けられ、男達からは馬鹿にされたような視線を向けられる。
な、なんだこの状況は?
この状況に困惑しながら学校を歩いていると、俺様のハーレムメンバーを見つける。
俺様は声を掛けてやったが、なんと拒絶されたのだ。
そして、そのまま俺様の前から走り去ってしまう。
初めて俺様はそこで気がつく。
サキュバスから貰った力が無くなったことに。
その日から、俺様は学校の嫌われ者になったのだ。
最近の俺様は学校にも行かず、家に引きこもっている。
自室は物に八つ当たりしたので、物が床に散乱している。
八つ当たりの音さえも俺様の家族は反応しない。
1日1食だけ運んでくるが、それ以外は本当に全く反応しない。
家の中ですれ違ってもいない者として扱っている。
そのことが更に俺様のプライドを傷つけた。
クソ、どうしてこうなった。
そんなことを考えながらベットの中で丸まっていると音が聞えた。
部屋を歩く音が。
「久し振りだな」
俺様はベットの中から顔だけを出し、声が聞えた方を向く。
俺様の部屋の中にいたのはよく分からない物を貰った怪しい者だったのだ。
「今更、何をしに来た?」
「対価を貰いに来ただけだ」
「対価?そんなもん必要ないだろ。俺様は力を失ったんだ」
「舐めるな、餓鬼。私は商人だぞ。商品を受け取ったならば、対価を払うのは当然だ。これは当たり前のことだろ?」
怪しい者は俺様の方に右手を伸ばしてくる。
怪しい者の右手をよく見てみると何かを掴んでいたのだ。
それは法螺貝に似ていたが、明らかに金属だ。
怪しい者がその法螺貝に似た何かを強く握ると俺様はそれに吸い込まれる。
悲鳴をあげる間も無く。
体が変な感覚に包まれた後、俺様の意識は途切れた。
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