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第二十ニ話 留学

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 長期休暇が終わり王立学園が始まったが、留学の話がやってきたのだ。

 本来なら2年の後期に予定されていたが、政治の都合で前期に移動したのだ。

 しかも始まって直ぐに。

 急遽決まったので、半分くらいの生徒しか参加出来なかった。

 なので、本来参加出来ないはずのBクラスの生徒も参加することになった。

 本当は私も参加する気は無かったが、メスリーが参加したいと言ったので参加することにした。

 留学に対してはナスーリ子爵が反対したが、メスリーの熱意と私の護衛があると聞き、最後には賛成してくれた。

 ナスーリ子爵からその時にしっかりと頼むと言われた。

 当たり前のことだ。

 準備期間は少ししか無かったが、万全な準備を整えた。

 今回はメスリーの安全がかかっているからな。

 あ、この留学はゲームの無かった。

 それでなのか主人公は留学には来てない。

 1週間が経ち、出発の日になった。

 本来の馬車は4人乗りなんだが、王立学園からの報酬として、メスリーと2人きりの馬車で移動となった。

 ナスーリ子爵が知ったら、目が笑ってない笑顔を浮かべることだろう。

 馬車に乗り込んで少しすると、馬車が進み始めた。

 馬車がある程度進むとメスリーが魔法袋の中から熊のぬいぐるみを出したのだ。

 そして、熊のぬいぐるみを抱き締めた。

 熊のぬいぐるみ?

 熊のぬいぐるみを抱き締めているメスリーも可愛かった。

 「メスリー。その熊のぬいぐるみは?」

 「こ、この熊のぬいぐるみは僕のお兄様が僕にお土産として買ってきてくれたんだ」

 「熊のぬいぐるみを?」

 「う、うん。む、昔はぬいぐるみとか好きだったけど、15になった僕にお土産としてはおかしいよね。でも、レークからベーアのことを聞いたから、可愛いと思ったから抱き締めているんだ」

 メスリーは顔を熊のぬいぐるみの顔と一緒に傾けた。

 「レークは熊のぬいぐるみのことを抱き締めている僕のことを子供ぽいと思う?」

 「いや、可愛いと思っているよ」

 「か、可愛い。う、嬉しいけど、恥ずかしいよ」

 メスリーは真っ赤になった顔を熊のぬいぐるみで隠した。

 可愛らしい反応しているメスリーは本当に可愛い。

 それからは平穏に時が進み、1週間掛けて留学先に到着した。

 留学先に到着したが、何事も無かった。

 本当に。

 留学先で歓迎パーティーが開かれたが、私とメスリーはただ楽しんだ。

 まぁ、留学先の女性からは少し視線を感じたが。

 視線を感じたのは、私が金持ちだと考えたからだろう。

 私が着ている服とメスリーが着ているドレスはとても高価なものだからな。

 だから視線を送っている者は金目的なんだろう。

 だが、私にはメスリーがいる。

 注意だけはしておくか。

 その日は普通に過ごした。

 

 
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