ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜

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第二十三話 非常事態

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 留学に来てから5日が経った。

 今私達は観光として、コロシアムで魔物と冒険者との戦いを見学することになった。

 私はメスリーの隣に座り、メスリーと感想を言いながら、見学している。

 最後の対戦となり、歓声を浴びながらA級冒険者が出てきた。

 相手はA級のハイオーガみたいだ。

 だが、あのハイオーガからは少し違和感を感じる。

 別の気配を微かに。

 一応、備えておくか。

 私は魔法袋に手を入れ、いつでも剣を出せるように準備した。

 そんな私を不思議に思い、メスリーは私の顔を覗いてきた。

 「どうしたの?レーク」

 「少し違和感を感じる」

 「違和感?」

 メスリーの質問に答える前に異変は起きた。

 A級冒険者と対峙していたハイオーガがいきなり苦しみ始め、地面に倒れ込んだ。

 倒れ込んだハイオーガは痙攣を初め、徐々に黒い何かがハイオーガの体を侵食したのだ。

 私の感じた違和感は正解だった。

 鎧と剣を取り、瞬時に装着した。

 私は席から立ち上がり、メスリーの前に立った。

 戦闘準備を終えるとハイオーガは立ち上がっていた。

 だがその姿は本来のハイオーガからはかけ離れていた。

 黒い何かが蠢いていただけだ。

 対峙していたA級冒険者は警戒しながらも手に持っていた槍で攻撃したが、ただ貫通しただけだった。

 黒い何かはA級冒険者ことを吹き飛ばし、壁に叩きつけた。

 その攻撃を受けたA級冒険者は気を失ってしまった。

 A級冒険者がやられたことで、コロシアムの中からは悲鳴が上がりはじめた。

 緊急事態となり、避難が開始されたが、私は逃げるわけにはいかない。

 今はコロシアムの警備の兵士達が対応しているが、少ししか時間を稼げないだろう。

 私は避難とは逆方向に移動しようとすると、メスリーが私の服の袖を掴んできたのだ。

 「レ、レーク、待って。危険だよ」

 「それは無理だ、メスリー。ここで私が戦わないと被害が拡大してしまう」

 「で、でもそれはレークがやらなくても」

 「いや、私がしないといけない。それが、メスリーを守ることに繫がるからな」

 私は服の袖からメスリーの手を離し、メスリーの方を向いた。

 「だから、戦うんだ。心配しないでくれ、私はドラゴンを倒したんだ。これぐらいの敵なら何も問題無い」

 「そうだよね。わかったよ、レーク。でも、少しでも怪我したら許さないから」

 そう言い残しメスリーは避難した。

 よし、これでメスリーの安全は大丈夫だろう。

 早速加勢しにいくか。

 私は剣を抜き、観客席から飛び降りた。

 黒い何かの首あたりを切り落とした。

 切り落とした私は警備の者達の前に立った。

 警備の者達はいきなり現れた私に驚きの表情を浮べていた。

 これで倒せれば良かったが、駄目みたいだな。

 再生を始めている。

 剣では無理みたいだ。

 なら、燃やしてやる。

 右手を黒い何かに向けた。

 「ドラゴンファイヤー」

 すると、ドラゴンの形を取った火が現れ、黒い何かを包み込み、燃やした。

 燃やされた黒い何かは少しだけを残した。

 これで終わりだと思ったが、なんと再生を始めたのだ。

 瞬く間に元の姿に戻っていく。

 おいおい、嘘だろ。

 この魔法は私が使える中で最も火力が高い。

 どうする?

 考えろ。

 私は考えながら兵士達と協力しながら攻撃していると、ヤケクソになったのか、回復魔法を黒い何かに唱えたのだ。

 何故か、黒い何かは苦しみ始め、動きが鈍くなったのだ。

 回復魔法が効いている。

 なら、継続する回復系の魔法を唱える。

 「ヒーリングファイヤー」

 すると、緑色の火が黒い何かを包んだ。

 黒い何かは苦しみ続け、地面に倒れ込んだ。

 緑色の火は黒い何かを癒し続け、最後には何も残さず消えた。

 完全に消滅してから剣を収めた。

 何とかなったが、まだまだ修行が足りない。

 いつか修行に出ないとな。

 
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