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第五十ニ話 公爵に
しおりを挟むベーアとメスリーとセーリを顔合わせした後、私は王城に向かった。
王城に到着したら、国王陛下に今回のことの報告とベーアのことを報告した。
「そうか。黒い何かの正体は掴めたかったか。だが、未曽有の危機の回避とS級を超えたエンペラーベーアが王都に住むのはいいことだ」
国王陛下は満足そうな表情を浮べた。
「良くやった、ベアード侯爵」
「ありがとうございます、国王陛下」
私は頭を下げた。
「今回のことは貴族達の前で報告する。これを功績として、ベアード侯爵を公爵に上げる」
これには驚いた。
「こ、国王陛下。それはいくらなんでも」
国王陛下は溜息をついた。
「ベアード侯爵。そなたは功績を残しているのだ。堕ちし者を倒し、王都を救ったのだ。市民達からは何故褒美を渡さないのかと疑問に思われていた。そして、今回の未曾有の危機。よく物を知っている者なら、分かるはずだ。魔物の皇帝によって王都に甚大な被害が発生していたことを」
た、確かにな。
受けるしかないか。
「国王陛下。爵位の件、了承致しました」
国王陛下は満足そうな表情を浮べた。
「分かってくれるなら、良かった。では、ベアード侯爵、いや、ベアード公爵。これからもこの国のために働いてくれ」
「はい、国王陛下」
私は頭を下げた。
その後、私は応接室を退室した。
その日から2日が経ち、私は謁見の間にいる。
「ベアード侯爵。堕ちし者を倒し、未曾有の危機となる可能性があった魔物の皇帝を倒し、王都を2度も救った功績を称え、公爵の位を授ける」
「謹んでお受け致します」
私は頭を下げた。
公爵か。
隣国の貧乏伯爵家の長男で森に捨てられた男が、ドラゴンを倒し男爵に、黒い何かに包まれたハイオーガを倒し帝国を救い子爵に、魔王殿をベーアと協力して倒し侯爵に、堕ちし者と魔物の皇帝を倒し公爵に。
成り上がったな。
そこまで爵位には興味は無いが、メスリーとセーリを守れるなら、悪くないな。
謁見を終えた私は屋敷に帰った。
屋敷に帰った私はセーリと一緒に夕食を取り、今は食後の紅茶を飲みながら話している。
「セーリ。1つだけお願いしたいことがあるんだ」
「何をお願いしたいんですか?お兄様」
「義兄になる者と仲良くとは言わないが、話すぐらいの関係になって欲しい」
セーリは嫌そうな表情を浮べた。
「嫌です、お兄様。いくらメスリーお姉様の兄だとしても無理です」
「セーリの気持ちは分かるが、メスリーが悲しんでしまう結果になってしまうんだ」
「なんで?そこでメスリーお姉様の名前が出てくるんですか?」
「メスリーは私のところに妻にくる。だから、家を出るんだ。ベアード公爵家は影響力が大きい。もし、メスリーの兄とセーリが仲が悪いと色々と問題が起きる。メスリーの兄は次期当主だからな」
「それに、メスリーは家族のことを愛している。だから、悲しませるようなことはしたくないんだ」
「た、確かにそうですね」
セーリは覚悟を決めた表情を浮べた。
「分かりました、お兄様。非常に不本意ですが、メスリーお姉様の為に、話すぐらいの関係になります。でも、それだけです」
私はセーリに優しい表情を浮かべ、席から立ち上がり、セーリに近付いた。
「偉いな、セーリ」
私はセーリの頭を撫でた。
「メ、メスリーお姉様の為ですから」
セーリは恥ずかしいのか、顔をそらしてしまった。
私はしばらく撫でていたが、セーリの頭から手を離そうとすると、セーリが私の手を掴んできた。
「お、お兄様。まだまだ足りません。もっと撫でてください。報酬は先払いでお願いします」
セーリの顔は赤くし、私のことを上目遣いで見ていた。
可愛いな、私の妹は。
私はセーリが満足するまで頭を撫で続けた。
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