ハズレ天賦だったが、鬼人の嫁が出来たので、幸せです

竹桜

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第四十一話 混浴

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 な、何でこんなことになっている?

 僕の背中と緋月の背中が、ぴったりくっついている。

 しかも、緋月は、タオル1枚だけ。

 僕の理性頑張れ。

 この状況を何とか乗り切れ。

 あれは、20分前のことだ。

 部屋に戻ってきた僕達は、体がベトベトだったので、風呂に行こうとすると、緋月が、僕を止めてきた。

 緋月が、「エレン様、折角、部屋にお風呂があるので、一緒に、そこに入りましょう」

 僕は、その言葉に、驚きを隠せなかった。

 僕は、「ひ、緋月、一緒に入るのは」

 緋月は、不思議そうな表情を浮かべ、「何でですか?私とエレン様は、半年後ぐらいには、結婚しますから、何も問題無いと思いますけど」

 いや、確かに、後半年もしたら、緋月と結婚するけど、今、一緒に入るのは。

 緋月は、上目遣いを僕に向け、「私と入るのは、イヤですか?」と、聞いてきた。

 「ぜ、全然ダメじゃ無いよ。少し、緊張しているだけだよ」と、答えた。

 「良かったです」と言い、緋月は、嬉しそうな表情を浮かべた。

 「では、エレン様、先に入って下さい。私は、後で行きます」と言い、緋月は、僕の背中を押してきた。

 本当なら、緋月から、入って貰った方が良いが、多分、緋月は、僕を優先するだろう。

 だから、僕から、入ることにした。

 僕は、服を脱ぎ、体を洗い始めた。

 頭を洗い、体を洗っていると、ドアが開く音が聞こえ、「失礼します、エレン様」

 僕は、顔だけをドアの方に向けると、タオルを1枚だけ巻いた緋月がいた。

 僕は、直ぐ顔を逸らした。

 な、何で?

 緋月は、タオル1枚だけなんだ?

 た、確かに、風呂に入るから、間違っていないけど。

 タオル1枚だけなんて。

 そんなことを思っていると、「エレン様、お背中流しますね」と、聞こえて来た。

 その言葉の後に、僕の背中が、洗われている感覚が伝わってきた。

 どうやら、緋月が、僕の背中を洗っているようだ。

 これは、やばいな。

 色々と。

 「エレン様、洗い終わりました」と、聞こえて来た。

 僕は、背中を流した。

 そして、なるべく緋月の方を見ないように、風呂に入った。

 僕が風呂に入ると、緋月の洗う音が聞こえて来た。

 気になるが、緋月の方を見ないようにした。

 「エレン様、少し良いですか?」と、聞こえて来た。

 僕は、緋月の方を向いた。

 「エ、エレン様、わ、私の背中を洗ってくれますか?」と、緋月が、聞いてきた。

 緋月は、タオルを手で持ち、体の前を隠して、背中を僕の方に向けていた。

 「も、勿論、良いよ」と、答えて、緋月に近づいた。

 緋月の背中は、絹のように滑らかで、汚れのない真っ白な色をしていた。

 僕は、タオルを泡立て、緋月の背中を洗った。

 洗っている時、緋月は、顔を真っ赤にしていた。

 よく見ると、耳まで真っ赤になっていた。

 緋月も恥ずかしいのか。

 僕は、洗い終わった後、直ぐに、風呂に戻った。

 緋月の体を流す音が聞こえ、風呂に近づいてくる足音が聞こえた。

 その足音は、確実に近付き、風呂に入る音が聞こえた。

 風呂を歩く音が、徐々に近付き、僕の隣で、止まった。

 僕は、その足音がする方を向かないようにしていた。

 「隣、失礼します」と、聞こえ、僕の背中に、感覚が伝わってきた。

 ひ、緋月、ま、まさか、僕の背中に背中をつけているのか。

 僕達の間に、会話は、無かった。

 ただ、黙って、いや、喋らなかった。

 どちらも恥ずかしくて。

 これ以上入っていると、のぼせてしまう。

 僕は、緋月に一声掛けて、風呂を出た。

 風呂を出たら、冷たい飲み物をコップに入れた。

 それを飲みながら、緋月が、出れるのを待っていた。

 10分ぐらいすると、緋月が、風呂場から出てきた。

 出てきた緋月の顔は、少し赤かった。

 暑いのか、恥ずかしがっているのか、僕には、どちらかは、分からなかった。

 でも、1つだけ分かることがある。

 風呂上がりの緋月が、やばいことだ。

 髪は、少し濡れ、肌は、ツヤツヤで、血行も良いのだ。

 しかも、薄着だ。

 り、理性を保って、僕。

 僕は、緋月に、冷たい飲み物を渡した。

 その後、部屋で、過ごしていたが、殆ど会話が無かった。

 どちらも恥ずかしいのだ。

 夜も遅くなってきたので、寝ようと思って、緋月におやすみと言い、寝室に行こうとすると、緋月に、裾を掴まれた。

 「エ、エレン様、き、今日、一緒に寝ませんか?」と、緋月は、顔を下に向けて、聞いてきた。

 多分、緋月の顔は、真っ赤だろう。

 だって、耳まで真っ赤だから。

 「もちろん、良いよ」と、答えた。

 緋月は、顔を上げ、まだ少し赤い顔で、笑顔を浮かべた。

 僕達は、この部屋で1番大きいベッドに寝転んだ。

 緋月が、僕の方を向き、「お休みなさい、エレン様」

 僕も緋月の方を向き、「お休み、緋月」

 僕は、目を閉じて、寝ようとしたが、寝れる訳なかった。

 なんか、良い匂いするし、緋月の可愛らしい寝息が聞こえて来た。

 結局、僕が寝れたのは、日付が変わってからだった。

  
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