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第38話 決闘
しおりを挟むエレナカ王国に来て、4日が経過していた。
今は、王族の方々と、僕が旅をしていた頃の話をしていた。
「ほぉ、それは面白い体験だな」と、エレナカ王国の王は言った。
「ええ、もうあんな体験することはないでしょう」と、答えた。
比較的平穏な空気が流れていた。
急にウィンリー王子が立ち上がり、「おい、お前たち、俺の嫁にしてやろう」と、いきなり言った。
最初は、誰のことを言っているか分からなかった。だが、目線がテレスとアリアに向いていた。
「失礼ですが、彼女達は私の婚約者です。それに、呼ぶ捨てにしないで下さい」と、言った。
「貴様は、バカか。たかが伯爵よりも王族の俺の方がいいに決まっている」と、当たり前とは言わんばかりに言ってきた。
「何を言っている。ウィンリー、お前は」と、エレナカ王国の王が言った。
その言葉も無視して、「そうだと思わないか、お前たちも?」と、テレスとアリアに邪な目線を向けて、言った。
「いいえ、そうは思いません」と、テレスは、はっきりと言った。
「私も思いません」と、アリアもはっきりと言った。
僕は、そんな2人の発言を聞き、幸せの気分になった。こんなにも好きでいてもらえてることに。
その返答聞き、ウィンリー王子は、顔を真っ赤にした。そして、「もういい、無理矢理でも奪ってやる。決闘だ」と、僕に言った。
僕は、その決闘を受けるしかなかった。
その後、決闘は明日に行われることに決まった。
今は、客間に戻った。
「なんで、アレクくん、決闘なんか受けたの?」と、テレスが聞いてきた。
「この国では、決闘を申し込まれたら、受けなければいけないという暗黙の了解があるんだ。もし、断ったら、剣士としての尊厳を失うことになるんだ」と、答えた。
「そうなんだ。えっと、勝てるよね、アレクくん」と、少し不安そうな声でアリア言ってきた。
「うん、全然勝てると思うよ」と、2人に言った。
その言葉に2人は驚いた。
「え、どうして言い切れるの?」と、テレスが聞いてきた。
「理由は2つあるよ。1つ目は、実戦経験の差だね。ウィンリー王子は、訓練と模擬戦しかしたことがない。対して僕は、実際に実戦も数多く経験している。実戦の経験は、剣の勝負において大事だから。2つ目は、剣の熟練度だね。僕は、4歳の頃から剣を持って、訓練していたよ。対して、ウィンリー王子は、8歳ぐらいからと聞いた。だから、安心して、僕が絶対に勝つから」と、答えた。
その言葉を聞き、2人は安堵の表情を浮かべ、「「私達を守ってくださいね、アレクくん」」と、言った。
「うん、任せて」と、返した。
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