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第十七話 血筋だけの王子

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 魔法学院は、後期に入った。

 俺は、いつも通り、レミアの護衛をしていると、嫌な目線を感じた。

 その嫌の目線の方を見てみると、男が見ていた。

 確か、あの男は、留学とは、違う国の第1王子だったはず。

 しかもこの目線は、レミアを性的な目で見てる。

 直ぐに、調べよう。

 特に問題がないなら、誰にも気付かれずかれないように、処理しよう、そうしよう。

 影で、あの第1王子だけを調べていると、ある情報が出てきた。

 どうやら、あの第1王子は、腹違いの弟の第2王子に、王位争いに負けたらしい。

 あの第1王子は、王妃の子らしいが、無能で、無駄にプライドが高いらしい。

 対して、第2王子は、側妃の子らしいが、能力が高く、プライドは、そこまで高くなく、謙虚らしい。

 そんな状況だから、あの国では、王位争いが起きていたが、最近、決着がつき、第2王子が、王位をつくことが決定した。

 だが、第1王子は、王位を諦めていなかった。

 それで、レミアか。

 第1王子は、王位のために、レミアの純潔を奪うつもりか。

 なら、今日のうちに処理してしまうか。

 いや、殺すのは、不味いか、精神的な拷問をして、放置しておくか。

 あれでも王子だ。

 血筋だけしか誇れないけど、王子だ。

 何か問題が起きて、レミアに気づかれるわけにいかない。

 取り敢えず、拉致ろう。

 決行は、夜だ。

 レミアが、寝たことを確認した後は、影にレミアの護衛を任せ、男子寮に忍び込んだ。

 血筋だけの王子の部屋は、荒れていた。

 物に八つ当たりでもしたのだろう。

 無能で、プライドだけ無駄に高くて、癇癪持ちなんて、最悪だな。

 血筋だけの王子は、酒を飲んでいた。

 こいつ未成年なのに。

 まぁ、俺には、関係ないが。

 見た感じ、相当酔っているようだ。

 なら、あれを処理してもらうか。

 俺は、魔法袋から水筒を出し、影移動を使い、血筋だけの王子の後ろに回った。

 俺は、片手で血筋だけの王子の首を固定し、無理矢理、水筒の中の液体を飲ませた。

 血筋だけの王子は、抵抗していたが、直ぐに、暴れなくなり、寝てしまった。

 これ、相当強い睡眠薬が含まれていたのか。

 まぁ、無事に処理出来て、良かった。

 普通に拉致しても良いんだが、面倒になりそうだ。

 じゃあ、演じるか。

 俺は、男の文字で書かれた紙を取り出し、文字を影にコピーさせた。

 そのコピーした文字で、自分の意思で、この寮を出て、旅立つことと、王位は、第2王子のものだとも書いた。

 これなら、内容が疑われても手紙の自体が疑われることはないだろう。

 時間が経てば、本当のことだったと認められるだろう。

 さて、これで、こいつを消しても問題ないだろう。

 まぁ、でも、大司教様には、報告しなければ。

 

 


 

 
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