異世界召喚された装甲兵は、自分の意思で選択する

竹桜

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第三十五話 残滓

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 元の世界に戻ってきて1週間が経った。

 私達はダンジョンの中にいる。

 ダンジョンの中には3人がいる。

 3人にお願いされて、断ることが出来なかった。

 勿論、ダンジョンの中では、装衣をつけてもらっている。

 そして、今はボス部屋の前に立っている。

 私は3人の方を向いた。

 3人は頷いて答えてくれた。

 ボス部屋の扉に手を掛け、ボス部屋の扉を開けた。

 ボス部屋の中にいたのは、黒いスライムだった。
 
 いや、黒いというよりは体が濁っている。

 「な、何なんですか?あのスライムは?」

 そうか。

 あれは残滓か。
 
 「サリーサ。あれは悪しき者の残滓だ。正確に言うと、スライムに微かに残った悪しき者の残滓が入り込んでいるんだ」

 「そして厄介なことに、強力な再生能力を持っている」

 「じ、じゃあ、どうするんですか?」

 「圧倒的な火力が必要だ。装衣での」

 「それは、正樹君の銃では駄目なの?」

 「無理だ。銃はこっちの世界の武器だ。悪しき者は、異世界の住人だ」

 話していると、スライムは分離し始めた。

 すると、人形のスライムが現れ始めたのだ。

 その数10体。

 「3人は大技の準備をしてくれ。私が時間を稼ぐ」

 私は装衣と発した。

 すると、第一次世界大戦の装衣が身を包んだ。

 引き金を引いた。

 7.7mmの250発の銃弾は10体のスライムの体を貫通した。

 体をバラバラにしたが、近くに散らばったスライムの欠片が集まりだしたのだ。

 人型のスライムが、30体に増えてしまったのだ。

 どうやら、一定の欠片が存在すると、そこから再生するようだ。

 なら、一網打尽にすればいい。

 私は第二次世界大戦の装衣と現代の装衣で、攻撃すると、100体を超えてしまった。

 私は装衣と発した。

 すると、メタルアーマーが身を包んだ。

 100体以上の人型のスライムに、計8門の40mm機関砲を向けた。

 この場にマズルフラッシュの光と爆音が鳴り響いた。
 
 40mm弾の嵐は、人型のスライム達を欠片にしていく。

 40mm機関砲は弾切れし、120mm砲を構えた。

 発射すると、メタルアーマーは後ろに下がり、人型のスライム達の欠片は消え去った。

 残ったのは手のひらサイズのスライムだけだったが、直ぐに最初のサイズに戻った。

 私は装衣を重騎士に戻した。

 どうやら、3人の準備が終わったみたいだ。

 後ろから声が聞こえてきた。

 「隼」

 「ウォーターフラワー」

 「ホリーアローレイン」

 純麗は隼のようにスライムに近付き、スライムの体を十字に斬り裂いた。

 純麗は直ぐに後ろに下がると同時に、4つに別れたスライムの体が、水で構成された花が包んだ。

 水で構成された花が4つに別れたスライムの体を包むと同時に、空から降ってきた。

 純白な矢の雨が。

 純白な矢の雨は4つに別れたスライムを浄化していく。

 やがてスライムは浄化され、水で構成された花も消えた。

 悪しき者の残滓が入ったスライムは、3人によって倒されたのだ。

 大きな揺れが起きた。

 どうやら、ダンジョンボスを討伐し、ダンジョンが機能を失ったようだ。

 これで安全を確保出来た。

 帰るか。

 私は3人の方を向いた。

 「サリーサ、エノーア、純麗。帰ろう」

 「「「はい」」」

 3人は満面の笑みを浮べた。

 
 
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