【R指定BL】下剋上な関係を集めた短編集

あかさたな!

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年下生徒会長・平凡ぼっち@きみの弱点は知っています

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生徒会長様・月凪つきなぎ 颯太そうた×平凡ぼっち・佐々木 裕也ゆうや

ーーー
唇敏感

的な話。
指でなぞられるだけでぞわぞわするし
キスも、相手の固いものも唇を高めてしまう。

実は幼馴染の年下攻めなお話です!
ーーー




「んんあ…やめっ」

「ゆうちゃんこれどう??」

そう嬉々として、真っ白な習字の筆で俺の唇を生徒会長がなぞる。

「反抗したら罪を認めたことになるけど、いいの?」

「…っ…んんん」


“やすめ”の姿勢から動くことが許されない俺は、
彼の動きにただただ耐える。

しかしなぜか彼は子供の頃のあだ名・ゆうちゃんと俺を呼び、
今まで隠してきた弱点である敏感な唇を執拗に筆で刺激してくる。

俺はその刺激から懸命に意識を逸らすことしか出来なかった。



◆◆◆◆


うちの学校はいわゆる坊ちゃん学校で、
生徒会とかも飾りだけじゃない。


歴代の生徒会メンバーがこの国の将来を背負い立つようになると言われるくらい、
世間からも注目されている。


もちろんその中でも生徒会長に選ばれる生徒は別格で、
品行方正、文武両道みたいな超人は最低限の基準。
それに加えて、学内政治を取り仕切る戦略性やカリスマ性もないとなかなか務まらない代物だ。


今年の生徒会長は2年の月凪って人らしい。
まあ3年のボッチの俺には何の関係もない話だとこの時までは思っていた…



◆◆◆◆

「おい、佐々木はいるか?」

いつも自分の席で本を読んでいる俺ですら、周囲のざわめきに気づいていた。

どうやら生徒会長が3年の教室まで来ているらしい。

自分の名前を呼んだのは、話したこともないクラスメイトからだった。

「生徒会長が呼んでるぞ」

そう続けられたセリフは俺を非日常へ落とし込んだ。


顔を上げて、そのクラスメイトの方を見ると目があった。

彼以外からも他のクラスメイトからの視線を熱く感じた。

やはり、俺のことを呼んでるらしい。


「はい。なんでしょうか。」

そう淡々と返事を装ったけれど、
内心はビクビクとしていた。

廊下に出ると生徒会長と目があった。
サラサラの黒髪がよく似合う爽やかな青年だった。

「ああ、やっぱり。」
そう生徒会長は小さく呟き

「放課後必ず生徒会室に来てください。」

そう有無を言わせぬ声で短く言い残し、3年の廊下を去っていた。

ザワザワとする周囲から逃げるように、
先生が来て朝礼が始まるまで、
俺はまた本の世界に没頭した。


◆◆◆◆

正直その日は先生の話なんて頭に入らなかった。

放課後になって1時間は経っている今も気が重い。

普通の生徒会とは違ううちの学校では、
生徒会長には退学権限すらある。

今まで何の接点もなかった俺に何の用があると言うのだろうか。

平凡に平和に学校生活を送ってるのに。

冬だからか、日が落ちるのも早い。
教室が夕日で照らされた頃ようやく重い腰が上がった。

グラウンドにいる運動部の生徒はもう片付けを始めている。

案外生徒会長はもう諦めて帰ったかもしれない。

そうわずかな願いを胸に、
旧校舎にある生徒会室へ向かった。
旧校舎とはいうけれど、生徒会によって建て替えられて、内装とかはもう綺麗なんだけどね。
普段一般生徒は近づかないそこに行くというだけで、
緊張で足取りが重くなる。


◆◆◆◆


真っ暗になった旧校舎の一室だけ明かりがついてた。

その扉の前に行くと生徒会長室と書かれていた。

今日逃げたところで、また明日来るかもしれないし、
卒業まであと数ヶ月逃げ続けることは無理だろう。

意を決して、扉をノックする。

コンコンコン

「どうぞ」

そう綺麗な声で返ってきた。

「3年の佐々木です。失礼します。」

扉を開けた先では、いつも冷徹な雰囲気と異なり、
かなり優しい空気を纏った彼が書斎の横の椅子に腰掛けていた。

呼んでいた本に栞を挟み、彼はこちらへ歩み寄ってきた。

「遅いですよ。今日はもう来ないかと思っていました。」

彼の冷たさすら、カリスマ性を呼ぶほどの美貌の持ち主を前に、
年上の俺ですらドギマギしてしまう。

「あの要件は…」

「ああ、こちらへ」

そう促され、彼は重厚な椅子に腰をかけ、その机の上にリコーダーを5つほど並べた。

「最近リコーダーが盗まれて、他の場所で発見される事件が多発していることをご存知ですか。」

たしかに、少し教室で話題になっていたような気がする。

確かにすこし気味の悪い話ではあるし、
どんな変態が表れたのかと内心では思っていたけれど、

「そうそう、それでね、
ちょっとした検査に協力してほしくてここに招待しました。」

「何も後ろめたいことがないなら協力してくれますよね」

そんな話の流れに、全く身に覚えのない罪で疑われていることだけはわかった。


◆◆◆◆

カバンを置いて、ブレザーも脱いで、ポケットのものを全て出した。

部屋の真ん中に“やすめ”の姿勢で立つよういわれた。

何も後ろめたいことがないなら、
動かずに検査を受けてほしいと。

逃げや拒否は不利に働くとも脅された。

軽い荷物検査をされ、何も怪しいものは出てこないし
校則に違反するものも持っていない。

「じゃあ、ちょっと失礼」

そういい、ボディー検査の如く体をペタペタ触られる。

不意に顔が近づき、
結構な至近距離で目が合う。

そして無言のまま何を思ってか、
彼は指で俺の唇をなぞった。

「んんん」

俺の敏感すぎる唇を不意に触られ、変な声が出てしまった。

ばつが悪くなり、視線を逸らしたが、
彼はそれを許さず、
顎をもたれてニマッと笑う彼と目を合わせられる。

「ゆうちゃん、相変わらずここ弱いんだね」

そう意味深な言葉を残し、
彼は何かを取りに行くために奥の部屋に入っていった。


◆◆◆◆

戻ってきた彼の手には真っ白な習字の筆があった。


「んんあ…やめっ」

「ゆうちゃんこれどう??」

そう嬉々として、真っ白な習字の筆で俺の唇を生徒会長がなぞる。

返事をせず、目を逸らした。

「反抗したら罪を認めたことになるけど、いいの?」

「…っ…んんん」

「ほら、ちゃんとどんな感じか教えて。」

“やすめ”の姿勢から動くことが許されない俺は、
彼の動きにただただ耐えることしか許されない。


唇への刺激を性的な刺激として過剰に拾ってしまう体質は
今まで隠してきた弱点だ。

知っているの小さい頃一緒によく遊んだ“なぎちゃん”だけだ。

それなのに、なぜ彼はそれを知っていて、なぜ俺をゆうちゃんと呼ぶのだろうか。


「ここ、そんなに気持ちいいの?」

そんな彼の刺激から逃れたくて、
目を閉じて一生懸命意識を逸らそうとするけど、
余計に敏感に刺激を拾ってしまう。

だんだん目が涙でうるみはじめ、
腰がとろけるすぎて、立つこともままならなくなり、床に腰をついた。

それでも彼は唇への刺激をやめてくれるどころか、
逃す気が微塵もないようだった。


「ほら、口開けてみて」

そう促されても、頑なに俺は口を閉じていた。

もちろん唇も敏感ではあるが、
唇の内側なんてもっと耐えられないものだ。


「しょうがないな」

「んんんっ」

そういい、彼はキスをして
舌で俺の唇をこじ開ける。

「んあっ…んんッ」


彼の舌は俺の感覚を翻弄し、
でもどこか“なぎちゃん”を思い出させる懐かしさを感じた。

その懐かしさが心地よくて、
彼にされるがままになる。

「もう、ゆうちゃん。僕意外にこんなこと許しちゃダメだからね。」

その言葉を理解する前に、
彼は次の刺激を与えてくる。

指を口に入れられて、閉じれないようにされる。

空いたそこの内側を先程の筆で刺激する。

左右になぞったり、くるくると筆先で遊んだりする。

解放して欲しくて目で訴えた。
だが、月夜に照らされた彼はにこやかに
「まだだーめ」
というだけだった。


◆◆◆◆

ここにきてから何時間経ったかもうわからない。


俺の顔は涙と涎でぐちゃぐちゃに濡れて、
不可抗力ではあるが下着もひんやりするくらい濡れていた。


座ることすらままなくなった俺の衣服を脱がしながら、
生徒会長はまたあの深いキスをする。

筆で胸の先をいたずらされながら、
徐々に身を守るものが剥がされていく。

気持ち良くしてくれる、その唇に無意識でむしゃぶりつく。

「やっぱゆうちゃん、キス好きなんだね」

そう言い、彼はマフラーが敷かれた重厚な机に俺の上半身をうつ伏せに預ける。

少しひんやりしたそこが熱った体に心地よくて、身を預ける。

「こっちも脱ごうか」

そう言って彼は俺の下半身の衣服も剥いでいく。

彼はそのまま、脚の間に入り、
俺の内側まで舐め尽くさんばかりの勢いで俺に快感を送り込む。


「んん…ゃあ…ぁぁ…」

そんな強烈な刺激に、
すっかり蕩けている俺はもうされるがままになっていた。

「ぁあ…んん…」

彼の温もり離れ、少し名残惜しい声が出る。

カチャカチャと彼がベルトを外す音がする。

俺を仰向けにし、机の横に立っている彼は、彼の固くなったもので俺の唇をなぞる。

「ゆうちゃん、舐めて」

そう促され、彼ものものを舐めたり、口に含んだりする。

不快感よりも、彼のものが敏感な唇には刺激となり、
ただただ気持ちいい行為と化していた。

「ゆうちゃん、ありがとっ」

そう言って、離れていく彼のものも名残惜しくかんじる。

「ゆうちゃん、いれるね」

そう言って、彼はまたあの深いキスをしてくれた。

さっき舐めてくれたところに、彼の硬いものが押し込まれてくる。

「んっ…んんっ…」

痛みを彼のキスで上書きされて、
痛みすら気持ちいいものとして高められる。

彼の律動が開始して、徐々に気持ちをさらに高めていく。

彼のものが中の気持ちいいところを擦って、
唇でも中を彼に満たされて、
体の中が彼のものの形を敏感に拾ってしまう。

彼が動くたびに体は反応し、
自分じゃないみたいにコントロールが効かなくなる。

頭は真っ白になって、
ふわふわとした絶頂を迎える。

そして、その絶頂を何回も経て、彼が果てた頃には意識を失ってしまった。






……目を覚ますと、
その部屋は子供の頃から変わらない“なぎちゃん”の部屋だった。

俺が小さい頃に別れる時にあげたぬいぐるみがベッドのサイドテーブルに飾られていた。

月凪…なぎちゃん、もしかして彼は…!?

「ゆうちゃん、無理させちゃってごめんね」

そう謝る彼は、俺にいたずらをして、俺を泣かせた後にばつが悪そうに謝るなぎちゃんそっくりだった。





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