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しおりを挟む今回の拷問はあっという間だった。
前に、変な薬を入れられて息ができなくなり全身が痺れて死ぬかと思ったこともあるし、足に五寸釘を打ち込まれた時は2度と歩くことができないと思った。
それでも、ギリギリ生きてきた。今もだ。
ギリギリ生きていけている。
でも、アンはどうだろうか?
あんなにか弱い女の子が、酷い暴力に耐えて懸命に生きている。
どうしてアンは、あんな場所にいるのだろうか?
今までだったらこんなこと考えなかっただろうに。
ただ、欲望のままに女を支配してしまう事だけを考えていたのに、今は女を大切にしようと考えていた。
一度、家に帰ってシャワーを浴びた。
髪も乾かないうちに、同居人兼子分の香川に「行ってくる」と声をかけて出かけた。香川は、「えー、もういっちゃうんですかぁ?どこ行くんすかぁー、連れてってー。」と叫んでいたが、「女」と一言言うとニヤニヤしながら「いってらっしゃぁい」と見送った。
チンピラ上がりの気持ち悪い男だが、実を言うと、アンを紹介してくれたのはこの男だ。今は、感謝の気持ちすらある。
足早にアンの元に向かう。冬は、足早に夜がやってくる。まだ夕方なのに空が暗くなり始めていた。
ホテルまで言うも通りの道を歩き、ホテルの中もいつも通り歩いた。
アンは、ベッドの上に横たわっていた。
幼さを残すその寝顔に心燻られた。
そっとアンの左横に腰を下ろす。
アンの髪を撫でると柔らかい感触とほんのり香る甘い香水の香りに興奮して、呼吸が荒くなった。
本当は、いつもの様に寝ているアンを犯すこともできた。
でも今日は、そんな事しない。
アンを大事にしたいと思ったから。
アンの横に自分の体を横たえた。
アンの体を自分の元に引き寄せる。抵抗なく自分に引き寄せることができた。なぜなら、アンは目を覚まして勝の腕を軽く掴み自らが引き寄せられようとしたから。
勝は、アンの顔を胸元に引き寄せて頭を撫でた。
2人が次に目覚めた時には、翌日の午後だった。
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