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しおりを挟む今日は天気が良すぎる…
勝は、最近苦手になった昼間にホテルを出た。
アンのいるホテルから出た勝は、柔らかい陽射しから目を逸らす様に自宅アパートに帰る。
アンと離れるのは後ろめたい。けれどそうもいかない。さすがにホテルにいすぎたせいで
仕事が溜まっているはずだ。切り替えて仕事に戻ることにしたのだ。
それにホテルに入り浸ってしまうと今月分の給料を使い果たしてしまう。ただでさえ一日置きペースで風俗に通っているせいでお金がないのだ。
別に家族がいるわけでもないし老後のために貯金しておきたいわけでもない。殆どの金をアンに貢いでいるのだ。それが、自身の活力にもなっているし、ヤクザと警察という不安定な生活の中に見出した安寧でもあるので有意義な使い方だと思っている。
ホテルから家まで車で片道30分弱かかる。アパートがかなり郊外にあるからだ。帰りは、車で30分なんてあっという間だった。行きには一分一秒がもどかしく感じるのだが。
ハンドルを握りながらぼんやりとアンの事について考える。可愛らしい微笑みを思い出す。
いつか願いが叶うのならアンと一緒に暮らしたい。そうすれば、アンをあんなクソみたいな場所から連れ出せるのに。
いつか一緒に暮らせたら…
子どもとか産まれるんだろうか。
もし男の子が生まれたら、アンのおっぱいを吸う姿に嫉妬して我慢できないかもしれない。女の子ならば、そんなことはないかもしれないが大きくなってから臭いとか汚いとか言われたら、ショックで死んでしまうかもしれない。
どっちにしろ、ヤクザの俺じゃダメだろう。せめて、刑事の自分でなければ…
そんなくだらないことを考えていたら、あっという間に着いてしまった。
案の定、仕事が溜まっているのか子分の香川が泣きついてきた。
下っ端の俺らには大した仕事は振られない。
このくらいならすぐに片付く。
また、明後日の午後にはアンの元に出かけられるだろう。
淡々と仕事をこなす。
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