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第2話 マホタン
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早起きしたせいでまだ眠い目を擦りながら、アルバートは街の真ん中にある大広場へと向かった。大広場には人がたくさんいるので、仲間探しには最適だと思ったからだ。
「ん…?」
よく見てみると、広場の中央付近に見覚えのある人がいた。
「お前は昨日の…」
声をかけると、昨日アルバートにケンカをふっかけて返り討ちにあったその男は驚いた顔を向けてきた。
「てめえはあの時のくそ野郎…いえ、兄ちゃんじゃありませんか。ちょうどあなたの話をしていたんですよ。聞きたいことがあるんですが…」
「言ってみろ。それから、俺は25歳だ。その呼び方はやめろ。」
アルバートは彼よりひとまわり大きな銅像の台に寄りかかると、タバコを出して口にくわえた。
「昨日、あなたが俺を殴りやがった…いえ、殴った時、雷を手にまとっていたじゃないですか。あんな技、今の世の中のマホタンではできるわけないです。新種のマホタンでも発見されたんですか?」
マホタンとは、600年ほど前に発見された石である。小さな卵くらいの大きさの無色透明なこの石は、とても不思議な力を持っていた。
まず、所有者の意思で消したり出現させたりできたのだ。所有者として認められるには、自分の血を一滴石の上にたらせばよかった。石を消している状態で、『出ろ』と念じると炎や水といったものが自分の周りのすきなところから出てくるのだった。
人々はこの石をマホタンと呼んで研究し、今ではいろいろなものを出せるマホタンが作られていた。
しかし、出したものを自分の周りにとどめておくマホタンはなかった。
マホタンは高価だったので、あまり簡単には手に入らなかった。
(本当は精霊の力だが、俺がセイクリッターだとバレると面倒だし黙っておくか。)
「ああ、このあいだ特殊なルートで雷を身に纏えるマホタンを手に入れたんだ。」
「それはいいことを聞いた。1人なら勝てなかったが、この人数相手にはどうするつもりなんだ?ははは!!」
男がナイフを取り出すと、周りを囲んでいた15人ほどの男たちも武器を取り出した。
「新種のマホタン、いただいたぜ!」
誰かがつぶやいた
(しまったなぁ…。俺の精霊の力を使えばこんな奴ら一瞬で片付けられるが、ここは見物人が多い。やっぱ…、逃げるか!!!)
アルバートはクルリと身を翻すと、路地裏の方へと走り出した。
「追え!」
背後から声が聞こえてくる。
アルバートは背後に意識を向けていて前方の人影に気づかなかった。
ドシン!!
ちょうど路地裏を出たところで、アルバートは誰かにぶつかった。
「ん…?」
よく見てみると、広場の中央付近に見覚えのある人がいた。
「お前は昨日の…」
声をかけると、昨日アルバートにケンカをふっかけて返り討ちにあったその男は驚いた顔を向けてきた。
「てめえはあの時のくそ野郎…いえ、兄ちゃんじゃありませんか。ちょうどあなたの話をしていたんですよ。聞きたいことがあるんですが…」
「言ってみろ。それから、俺は25歳だ。その呼び方はやめろ。」
アルバートは彼よりひとまわり大きな銅像の台に寄りかかると、タバコを出して口にくわえた。
「昨日、あなたが俺を殴りやがった…いえ、殴った時、雷を手にまとっていたじゃないですか。あんな技、今の世の中のマホタンではできるわけないです。新種のマホタンでも発見されたんですか?」
マホタンとは、600年ほど前に発見された石である。小さな卵くらいの大きさの無色透明なこの石は、とても不思議な力を持っていた。
まず、所有者の意思で消したり出現させたりできたのだ。所有者として認められるには、自分の血を一滴石の上にたらせばよかった。石を消している状態で、『出ろ』と念じると炎や水といったものが自分の周りのすきなところから出てくるのだった。
人々はこの石をマホタンと呼んで研究し、今ではいろいろなものを出せるマホタンが作られていた。
しかし、出したものを自分の周りにとどめておくマホタンはなかった。
マホタンは高価だったので、あまり簡単には手に入らなかった。
(本当は精霊の力だが、俺がセイクリッターだとバレると面倒だし黙っておくか。)
「ああ、このあいだ特殊なルートで雷を身に纏えるマホタンを手に入れたんだ。」
「それはいいことを聞いた。1人なら勝てなかったが、この人数相手にはどうするつもりなんだ?ははは!!」
男がナイフを取り出すと、周りを囲んでいた15人ほどの男たちも武器を取り出した。
「新種のマホタン、いただいたぜ!」
誰かがつぶやいた
(しまったなぁ…。俺の精霊の力を使えばこんな奴ら一瞬で片付けられるが、ここは見物人が多い。やっぱ…、逃げるか!!!)
アルバートはクルリと身を翻すと、路地裏の方へと走り出した。
「追え!」
背後から声が聞こえてくる。
アルバートは背後に意識を向けていて前方の人影に気づかなかった。
ドシン!!
ちょうど路地裏を出たところで、アルバートは誰かにぶつかった。
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