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王女シェイラ=ミラージュ
シェイラの手記:このままじゃアール君の指導員になってしまうぅ
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アールという錬金術師見習の子は、話をしていると、どうも視野が狭くなるって感じがするのよね。
だから話すことは限られる。
でも会話の相手はそれ以外のことを話題に出す。
けれどこの子はそれに関心がない。
まぁ私もそうだったから話し相手できる相手は少なかった。
けど、会話は出来てたわよ?
相手が私に気を遣ったかどうかは別として。
でも、この子の場合は明らかに会話が成立することがほとんどない。
いくら師匠から方針を決められても、これじゃあいつまでたっても目的を達成させることなんかできないんじゃないかしら?
挨拶だって相手によっては、それで終わりにしたり社交辞令を続けたりと、対応はそれぞれの反応を見て判断するわよね。
けどこの子ってば……。
はぁ……。
「相手に聞くつもりはないのに、ずけずけと自己紹介しないこと」
「え? なぜですか?」
「相手にも気分ってものがあるから。相手も自分と同じ気持ちってことはあまりないから。会話する気もしない人なら、挨拶をするのがやっと。そんな人に色々話しかけちゃ印象悪くなるでしょ?」
「悪く思われたらどうなるんです?」
「あなたの師匠のアドバイスが無駄になるわね。あなたと二度と口を聞きたくないって思う人も出てくるかも」
……なんで私がこの子の面倒を見ることになっちゃったのかしら?
私も相手するの面倒なんだけど……。
「……って、コルトちゃんじゃなくて……二代目の相棒か? よろしくな。……そう簡単によろしくできる場所でもないけどな。はははは」
え?
誰? この馴れ馴れしく話しかけてくる……なんか大きい弓持ってる冒険者は。
「なんかコウジのやつ、立て込んでるみたいだな。コメ洗ってた。久しぶりに来たんで声かけたら、あの運動着来てる女の子が話し相手してくれるって言うからさ」
私、何かここに来る人達の暇つぶしの相手させられるってこと?!
そりゃ私は、たくさんの人の役に立ちたいって実感が欲しくてここにいるってのが本音だし、お母様からは社会勉強になるからここに預けられた形だけど……。
「噂は聞いてるよ。キュウセイシュがこの部屋を引退して、その後継ぎは癒しの魔法使いって」
後継ぎって。
しかもキュウセイシュ?!
……まぁ確かに私はここに突然来る羽目になったから、ここの噂話はどんなものがあるかなんて知らなかったけど……。
「救世主がいらっしゃるんですか?!」
こら。
横から口出しして私の気持ちに荒波を立たせるのはやめなさいっ。
「はは。もう引退したけどな。自分の世界に帰っていったんだって。だから多分もう二度と別世界の人達とは会えないかもな。ところで坊主は何者だい?」
「はいっ! 僕は……」
あ。
この人にこの子をあてがったら、私も久々に楽できるかも。
この二人、会話で盛り上がれそうだし。
「あはははは。それやったら間違いなく怒るだろ」
「はい、いろいろ言われました。ですから、一粒ずつ食べていったんです。そしたら大体三千五百粒くらいでした」
「よくやるぜ、この小僧! いい根性してるよ。お前、絶対師匠越えられるぜ。あははは」
「はいっ! 頑張りますっ!」
って、早速盛り上がってる。
……私が気にしすぎてるのかな。
まぁ向こうから話しかけてきたからね。
でもあの弓の……戦士かな? コウジと知り合いかしら?
「あぁ、そうだ。でも俺みたいに話してくれる奴はいねぇだろ?」
「はい、いませんね」
「そんな時ゃ、部屋の隅のあれ、見てみたか? ノートとペンがあるからさ、何か記録とか書いてみりゃいい」
「あ、あれってそのためにあるんですか。こっちの部屋の方にもありますよね? あれも同じですか?」
プレハブの方には、今誰かが何か書いてる最中ね。
熱心に何か書いてる。
そう言えば、時々ノートの前で順番待ってる人いるわよね。
読めない字ばかりだからあまり気にしなかったけど。
「ん? あ、一部屋に一つにしたのか。それなら混雑せずに済むな」
「記録……書くんですか? ノート一冊の半分くらい書いちゃいそうです」
「研究の記録書くんじゃねぇよ。ここでの日記みたいなもんだ。どうせ誰も読めねぇよ。世界……国が違えば文字も違う。読める文字はほとんどないから、逆に読まれる心配もないから安心だな」
「なるほど。ありがとうございますっ」
あ、アール君、ノートの方に行って……書き始めたけど……。
最初からそうすれば良かったか。
……さて、コウジ何してるかなー……。
「ん? シェイラか。悪い、米袋三つくらい持ってきてくれ」
たはは……早速お仕事か。
ま、ただ一往復する程度の軽い作業だからいっか。
「お、アール君、早速書いてるわね?」
「はい。あの弓戦士の人から教わりましたっ。とりあえず自己紹介から書いてみましたっ」
「うん。でも読める人はほとんどいないから、覚え書き程度で適当に書くといいと思うよ?」
「はいっ。ありがとうございますっ」
礼を言うとき、一々相手に向いてお辞儀するのは悪くないと思うけど……。
やっぱりまだまだ子供なのかしらね。
だから話すことは限られる。
でも会話の相手はそれ以外のことを話題に出す。
けれどこの子はそれに関心がない。
まぁ私もそうだったから話し相手できる相手は少なかった。
けど、会話は出来てたわよ?
相手が私に気を遣ったかどうかは別として。
でも、この子の場合は明らかに会話が成立することがほとんどない。
いくら師匠から方針を決められても、これじゃあいつまでたっても目的を達成させることなんかできないんじゃないかしら?
挨拶だって相手によっては、それで終わりにしたり社交辞令を続けたりと、対応はそれぞれの反応を見て判断するわよね。
けどこの子ってば……。
はぁ……。
「相手に聞くつもりはないのに、ずけずけと自己紹介しないこと」
「え? なぜですか?」
「相手にも気分ってものがあるから。相手も自分と同じ気持ちってことはあまりないから。会話する気もしない人なら、挨拶をするのがやっと。そんな人に色々話しかけちゃ印象悪くなるでしょ?」
「悪く思われたらどうなるんです?」
「あなたの師匠のアドバイスが無駄になるわね。あなたと二度と口を聞きたくないって思う人も出てくるかも」
……なんで私がこの子の面倒を見ることになっちゃったのかしら?
私も相手するの面倒なんだけど……。
「……って、コルトちゃんじゃなくて……二代目の相棒か? よろしくな。……そう簡単によろしくできる場所でもないけどな。はははは」
え?
誰? この馴れ馴れしく話しかけてくる……なんか大きい弓持ってる冒険者は。
「なんかコウジのやつ、立て込んでるみたいだな。コメ洗ってた。久しぶりに来たんで声かけたら、あの運動着来てる女の子が話し相手してくれるって言うからさ」
私、何かここに来る人達の暇つぶしの相手させられるってこと?!
そりゃ私は、たくさんの人の役に立ちたいって実感が欲しくてここにいるってのが本音だし、お母様からは社会勉強になるからここに預けられた形だけど……。
「噂は聞いてるよ。キュウセイシュがこの部屋を引退して、その後継ぎは癒しの魔法使いって」
後継ぎって。
しかもキュウセイシュ?!
……まぁ確かに私はここに突然来る羽目になったから、ここの噂話はどんなものがあるかなんて知らなかったけど……。
「救世主がいらっしゃるんですか?!」
こら。
横から口出しして私の気持ちに荒波を立たせるのはやめなさいっ。
「はは。もう引退したけどな。自分の世界に帰っていったんだって。だから多分もう二度と別世界の人達とは会えないかもな。ところで坊主は何者だい?」
「はいっ! 僕は……」
あ。
この人にこの子をあてがったら、私も久々に楽できるかも。
この二人、会話で盛り上がれそうだし。
「あはははは。それやったら間違いなく怒るだろ」
「はい、いろいろ言われました。ですから、一粒ずつ食べていったんです。そしたら大体三千五百粒くらいでした」
「よくやるぜ、この小僧! いい根性してるよ。お前、絶対師匠越えられるぜ。あははは」
「はいっ! 頑張りますっ!」
って、早速盛り上がってる。
……私が気にしすぎてるのかな。
まぁ向こうから話しかけてきたからね。
でもあの弓の……戦士かな? コウジと知り合いかしら?
「あぁ、そうだ。でも俺みたいに話してくれる奴はいねぇだろ?」
「はい、いませんね」
「そんな時ゃ、部屋の隅のあれ、見てみたか? ノートとペンがあるからさ、何か記録とか書いてみりゃいい」
「あ、あれってそのためにあるんですか。こっちの部屋の方にもありますよね? あれも同じですか?」
プレハブの方には、今誰かが何か書いてる最中ね。
熱心に何か書いてる。
そう言えば、時々ノートの前で順番待ってる人いるわよね。
読めない字ばかりだからあまり気にしなかったけど。
「ん? あ、一部屋に一つにしたのか。それなら混雑せずに済むな」
「記録……書くんですか? ノート一冊の半分くらい書いちゃいそうです」
「研究の記録書くんじゃねぇよ。ここでの日記みたいなもんだ。どうせ誰も読めねぇよ。世界……国が違えば文字も違う。読める文字はほとんどないから、逆に読まれる心配もないから安心だな」
「なるほど。ありがとうございますっ」
あ、アール君、ノートの方に行って……書き始めたけど……。
最初からそうすれば良かったか。
……さて、コウジ何してるかなー……。
「ん? シェイラか。悪い、米袋三つくらい持ってきてくれ」
たはは……早速お仕事か。
ま、ただ一往復する程度の軽い作業だからいっか。
「お、アール君、早速書いてるわね?」
「はい。あの弓戦士の人から教わりましたっ。とりあえず自己紹介から書いてみましたっ」
「うん。でも読める人はほとんどいないから、覚え書き程度で適当に書くといいと思うよ?」
「はいっ。ありがとうございますっ」
礼を言うとき、一々相手に向いてお辞儀するのは悪くないと思うけど……。
やっぱりまだまだ子供なのかしらね。
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