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アラタとヨウミの補強計画編
何するにせよ、必要なのは時間と力 その4
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だが責任問題っつー話なら、責任を取ってどうのって言われるよりも、責任を果たすためにどうのって言われる方が、何となく気持ちがいい。
だが、それはあくまでもシアンの立場を中心にして俺との関係を考えた場合だ。
もう俺に縛られなくても良かろうに。
「気にしすぎだ。実際にああも使い勝手が良さそうな物を、予告も惜しみもなく贈呈してくれるのは」
「アラタ。私はあの防具を贈呈する気はない。あくまでも鑑定、そして買い取りしてもらうために持ってきたのだが?」
さっき、俺にも使えるような話してなかったか?
俺もよく言われるようになったが、こいつも十分ツンデレじゃねぇか。
……野郎のツンデレって、あんまり可愛くないな。
「あぁ、失礼。だが俺は、ここに店を構えてから今まで、そんな防具なしでも何とかやってこれたぜ?」
そうだ。
人ばかりじゃなく物もだ。
これなしには仕事が成立しない、という職や仕事は除外した。
極力自力だけで収入を得る仕事を探し、求め、そして今の仕事を見つけ、今に至る。
だからあの防具がなくとも、今後も店はやっていける。
……思い返してみれば、この世界に来る前までは、何者かの助けどころか、足引っ張りまくられた。
それでも何とか学校でも会社でもやっていけた。
そんな俺に、今更あんなお助けアイテムがやってきたところでな。
「アラタ。人は、損得で動くときがある。アラタの店や仲間達の仕事を潰さなければこっちの仕事が成り立たない、生活が成り立たない、という者が現れたら、間違いなくアラタに危機は訪れるぞ?」
「何恐怖煽ってんだよ」
「今まで何度か騒ぎに巻き込まれたはずだ。それは、アラタの利益を横取りしたいとか、仲間達をどうこうしたいという欲求を満たすため。そんな事例が多いはずだ。だが自分らの存在することを守るため、あるいはアラタの店を潰さなければならないという義務が生じた者達が迫ってきた場合、今まで通りにはいかないってことだ」
有り得ない話じゃねぇが、現実的かどうかってぇと甚だ疑問。
そんな疑問が湧く仮定の話を押し付けてきて、こいつ、どういうつもりだ?
「シアンノイウコトモ、モットモダトオモウヨ? アラタ」
へ?
まさかのライムからの、シアンへの同意の意見。
いまくったばかりの昼飯に釣られたんじゃあるめぇな?
「ライム、ナニカアッタトキ、アラタトイッショニイルコト、オオカッタヨネ」
「あ、あぁ、まぁ、そうだな」
だってライム、使い勝手いいんだもん。
いろんな物に変形できるしな。
「アラタノカラダヲツツンデ、ハシッタリシタモンネ」
「まぁそうだな。……それやるたびにへたばってたけどな」
「ソレダヨ」
どれだよ。
「イツモアラタノカラダノコトキニシテ、ゼンリョクダセナカッタカラ」
「は?」
……えーと……はい?
「アラタダケヲマモルナラ、ソンナニムズカシイコトジャナイ。ケド、ソノアラタガ、ミンナノタメニウゴキタガルカラ、ソノチョウセツガムズカシクナル。アラタヲマモル、アラタノカラダヲマモル、アラタガマモロウトスルモノヲマモル。ライム、チヨットタイヘン」
……何も言い返せん。
けどな、しょうがねぇだろ。
こいつら、見捨てるわけにゃいかなかったし。
「アラタぁ。あたしも、前々から思ってたんだよね。何の力もないけど、あるつもりで動こうとするんだもん。あたし等の魔力とか体力とか見て刺激受けて、そのつもりで動いてたんだろうけどさ」
コーティの指摘も痛い。
何だよお前ら。
なんか急に手の平返ししやがって。
「でも、アラタ」
「何だよ、マッキー」
「どんな物か見てないけどさ、せっかくシアンが作って、しかも持ってきてくれた物でしょ? 装備したとこ、見てみたいなぁ」
「俺もお、見たいぞお」
「ひょっとして、親衛隊の防具とお揃いだったりしませんか?」
ねーよ。
「見せてよぉ。持ってきて、つけるとこ見せて―」
せびるのはいいが、前足二本を地面に叩きつけんなや。
中の二本足も前足に釣られそうになってんぞ。
テンちゃんはまだ大人じゃねぇってのは分かってるが、子供そのものじゃねぇか。成長しろよ。
※※※※※ ※※※※※
で、店に置きっぱなしの、箱に入った防具を持ってきた。
シアンが防具の解説をし、それから俺とヨウミは防具を装備する。
その姿を見た仲間達は歓声をあげた。
両腕と両脛につけただけで、なんつー大げさな。
「キラキラして綺麗―」
「二人とも、素敵です」
「あ、ヨウミの右腕の方、テンちゃんの顔っぽいよ?」
「あたしがモデルしてたからねー」
「ウソデショ?」
「嘘だよ」
ついて三秒くらいで分かる嘘つくなや。くだらねぇ。
「ふーん……。アラタ」
「何だよ」
「これからは、何か問題起きても、子守りの心配せずに済みそうだわ。良かったわねー、アラタ。シアンもお疲れさん」
「はは、ありがとう、コーティ」
ちっ。
「でもアラタ」
「何だよ。また下らねーこと言ってんじゃねーぞ」
「ほんと、シアンには感謝なさいよね。アラタなら分かるでしょうけど、相当な逸品よ? これ」
……分かってるよ、残念ながら。
……そしてこの防具の良さを分かってるのは、俺とコーティだけっぽい。
まあ使用者にその価値が分かってもらえれば、作り手とすればそれで十分なのかもしれんがな。
「なぁ、アラタのあんちゃんよお」
「どした? ミアーノ」
「魔法の試し打ち、してみたらどないよ?」
は?
いや、どこに向かって試し打ちすんだよ。
だが、それはあくまでもシアンの立場を中心にして俺との関係を考えた場合だ。
もう俺に縛られなくても良かろうに。
「気にしすぎだ。実際にああも使い勝手が良さそうな物を、予告も惜しみもなく贈呈してくれるのは」
「アラタ。私はあの防具を贈呈する気はない。あくまでも鑑定、そして買い取りしてもらうために持ってきたのだが?」
さっき、俺にも使えるような話してなかったか?
俺もよく言われるようになったが、こいつも十分ツンデレじゃねぇか。
……野郎のツンデレって、あんまり可愛くないな。
「あぁ、失礼。だが俺は、ここに店を構えてから今まで、そんな防具なしでも何とかやってこれたぜ?」
そうだ。
人ばかりじゃなく物もだ。
これなしには仕事が成立しない、という職や仕事は除外した。
極力自力だけで収入を得る仕事を探し、求め、そして今の仕事を見つけ、今に至る。
だからあの防具がなくとも、今後も店はやっていける。
……思い返してみれば、この世界に来る前までは、何者かの助けどころか、足引っ張りまくられた。
それでも何とか学校でも会社でもやっていけた。
そんな俺に、今更あんなお助けアイテムがやってきたところでな。
「アラタ。人は、損得で動くときがある。アラタの店や仲間達の仕事を潰さなければこっちの仕事が成り立たない、生活が成り立たない、という者が現れたら、間違いなくアラタに危機は訪れるぞ?」
「何恐怖煽ってんだよ」
「今まで何度か騒ぎに巻き込まれたはずだ。それは、アラタの利益を横取りしたいとか、仲間達をどうこうしたいという欲求を満たすため。そんな事例が多いはずだ。だが自分らの存在することを守るため、あるいはアラタの店を潰さなければならないという義務が生じた者達が迫ってきた場合、今まで通りにはいかないってことだ」
有り得ない話じゃねぇが、現実的かどうかってぇと甚だ疑問。
そんな疑問が湧く仮定の話を押し付けてきて、こいつ、どういうつもりだ?
「シアンノイウコトモ、モットモダトオモウヨ? アラタ」
へ?
まさかのライムからの、シアンへの同意の意見。
いまくったばかりの昼飯に釣られたんじゃあるめぇな?
「ライム、ナニカアッタトキ、アラタトイッショニイルコト、オオカッタヨネ」
「あ、あぁ、まぁ、そうだな」
だってライム、使い勝手いいんだもん。
いろんな物に変形できるしな。
「アラタノカラダヲツツンデ、ハシッタリシタモンネ」
「まぁそうだな。……それやるたびにへたばってたけどな」
「ソレダヨ」
どれだよ。
「イツモアラタノカラダノコトキニシテ、ゼンリョクダセナカッタカラ」
「は?」
……えーと……はい?
「アラタダケヲマモルナラ、ソンナニムズカシイコトジャナイ。ケド、ソノアラタガ、ミンナノタメニウゴキタガルカラ、ソノチョウセツガムズカシクナル。アラタヲマモル、アラタノカラダヲマモル、アラタガマモロウトスルモノヲマモル。ライム、チヨットタイヘン」
……何も言い返せん。
けどな、しょうがねぇだろ。
こいつら、見捨てるわけにゃいかなかったし。
「アラタぁ。あたしも、前々から思ってたんだよね。何の力もないけど、あるつもりで動こうとするんだもん。あたし等の魔力とか体力とか見て刺激受けて、そのつもりで動いてたんだろうけどさ」
コーティの指摘も痛い。
何だよお前ら。
なんか急に手の平返ししやがって。
「でも、アラタ」
「何だよ、マッキー」
「どんな物か見てないけどさ、せっかくシアンが作って、しかも持ってきてくれた物でしょ? 装備したとこ、見てみたいなぁ」
「俺もお、見たいぞお」
「ひょっとして、親衛隊の防具とお揃いだったりしませんか?」
ねーよ。
「見せてよぉ。持ってきて、つけるとこ見せて―」
せびるのはいいが、前足二本を地面に叩きつけんなや。
中の二本足も前足に釣られそうになってんぞ。
テンちゃんはまだ大人じゃねぇってのは分かってるが、子供そのものじゃねぇか。成長しろよ。
※※※※※ ※※※※※
で、店に置きっぱなしの、箱に入った防具を持ってきた。
シアンが防具の解説をし、それから俺とヨウミは防具を装備する。
その姿を見た仲間達は歓声をあげた。
両腕と両脛につけただけで、なんつー大げさな。
「キラキラして綺麗―」
「二人とも、素敵です」
「あ、ヨウミの右腕の方、テンちゃんの顔っぽいよ?」
「あたしがモデルしてたからねー」
「ウソデショ?」
「嘘だよ」
ついて三秒くらいで分かる嘘つくなや。くだらねぇ。
「ふーん……。アラタ」
「何だよ」
「これからは、何か問題起きても、子守りの心配せずに済みそうだわ。良かったわねー、アラタ。シアンもお疲れさん」
「はは、ありがとう、コーティ」
ちっ。
「でもアラタ」
「何だよ。また下らねーこと言ってんじゃねーぞ」
「ほんと、シアンには感謝なさいよね。アラタなら分かるでしょうけど、相当な逸品よ? これ」
……分かってるよ、残念ながら。
……そしてこの防具の良さを分かってるのは、俺とコーティだけっぽい。
まあ使用者にその価値が分かってもらえれば、作り手とすればそれで十分なのかもしれんがな。
「なぁ、アラタのあんちゃんよお」
「どした? ミアーノ」
「魔法の試し打ち、してみたらどないよ?」
は?
いや、どこに向かって試し打ちすんだよ。
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