「天気予報は気まぐれガールズ」

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第23話「紅葉狩り第2弾 ~光と隼人の紅葉狩り、サフウの台風問題~」

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秋がさらに深まり、街の至るところで色とりどりの紅葉が見頃を迎え始めた。ある休日の朝、隼人は少し気恥ずかしさを感じつつも、光と二人で紅葉狩りに出かけることになった。先日の部活での紅葉狩りが楽しかったこともあり、再び美しい景色を楽しみたくなったのだが、まさか光から「お兄ちゃん、また紅葉狩りに行こうよ」と誘われるとは思ってもみなかった。

霧峰山を目指し、バスに乗り込んだ二人。窓の外には美しく色づいた山々が広がり、光はその景色を食い入るように見つめていた。

「紅葉って不思議だよね、どうしてこんなに綺麗な色になるんだろう」と、光は小さく呟いた。

隼人はふと視線を光に向け、「確かに、不思議なもんだな」と相槌を打ちながらも、どこかぎこちない態度で応じる。彼は普段、妹のように接している光とこうして二人きりで出かけるのは少し緊張するものの、どこか楽しくも感じていた。

バスが霧峰山のふもとに到着し、二人は山道をゆっくりと歩き始めた。周囲にはすでに紅葉狩りを楽しむ人々の姿が見られ、どこか和やかな雰囲気が漂っている。

光が隼人の横を歩きながら、「お兄ちゃん、この前の紅葉狩りの時も楽しかったけど、今日もすごく楽しみにしてたんだ」と微笑んだ。

隼人は少し照れくさそうに「そうか、まあ俺も楽しみにしてたけどな」と返し、ふと視線をそらした。しかし、その言葉にはほんのりとした温かさが込められており、光もそれを感じ取っているようだった。

道の途中で休憩を取り、光が用意したおにぎりを二人で食べることになった。風に揺れる紅葉を見ながら食べるおにぎりは、何とも言えない美味しさだった。

「お兄ちゃん、このおにぎり、どう?私が作ったんだけど…」と光は少し照れくさそうに尋ねる。

「お、おう、すごく美味しいよ。ありがとうな」と、隼人は少し驚きつつも笑顔で答えた。光の頬がわずかに赤く染まり、二人はしばし無言で食事を続けた。

そんな穏やかな時間を楽しむ二人だったが、ふと、スマホから通知音が鳴り、サフウからのメッセージが届いた。

「何だ、サフウからか?」と隼人が画面を確認すると、そこには「台風が接近中だから、天気に気をつけてね~!」とサフウらしい気ままなメッセージが表示されていた。

隼人が「え、台風?!」と焦り始めると、光も画面を覗き込んで「えー!どうしよう、天気が崩れたらせっかくの紅葉狩りが…」と心配げに呟いた。

しかし、サフウのメッセージには続きがあった。「まあ、大丈夫だと思うけど、これも自然のエンターテインメントよ!いっそのこと台風に巻き込まれちゃっても、アドベンチャーってことで!」と、いつものお調子者の調子で続いている。

隼人は苦笑しながら、「あいつ、何でそんな無茶なことばかり言うんだか…」と呆れた様子でため息をついた。

それでも、光は「でも、サフウらしいよね。台風さえも楽しもうっていうところ」と笑顔で応じ、二人は引き続き紅葉狩りを楽しむことにした。

紅葉狩りを楽しんでいた隼人と光に、西風から突然のメッセージが届いた。隼人がスマホを手に取ると、そこには「台風の進路は俺でも扱えない。文句あるなら女神に言え。おまえの居候にな」という内容が表示されていた。

「…ったく、西風のやつ、相変わらず無責任だな」と隼人は眉をひそめた。

光も画面をのぞき込んで、「お兄ちゃん、これってどういうこと?西風さんが台風の進路をどうにかできるとか、そんな話じゃなかったよね?」と不思議そうな表情を浮かべる。

「いや、俺だってよく分からんよ。けど、要は自分の管轄じゃないから俺たちに文句言うなってことだろうな」と隼人が肩をすくめて返した。

ふと視線を外に向けると、遠くの空が少しずつ暗くなり、雲が不穏に渦巻いているのが見えた。さっきまでの穏やかな秋空が、まるで何かに急かされるように一変していく。風も少しずつ強くなり、紅葉の葉がはらはらと地面に舞い落ちる音が、静寂の中に響いていた。

「なんだか、ただごとじゃないね…」光がそっと言葉を漏らした。

「まったくだ。せっかくの紅葉狩りが、嵐で台無しになっちまうなんて、あの女神とやらも少しは手加減してくれりゃいいのに」と隼人は小さくため息をついた。

それでも、彼の心にはどこか楽しさが残っていた。紅葉狩りが思わぬ方向に展開していくことに、いつもとは違うスリルを感じている自分に気づいたのだ。

バスの中で、紅葉狩りの途中で受けた西風からのメッセージに驚いた隼人と光。まもなくして、隼人のスマホが再び震え出し、そこに現れたのは、神々しい光に包まれた女神リュナの顔だった。彼女の表情はどこか不機嫌で、眉を寄せてふくれっ面をしている。

「ちょっと、隼人!私のこと、散々な言い方してくれたそうね!」リュナは、まるでその場にいるかのような迫力で画面越しに隼人を睨みつける。

「いやいや、別に悪く言ったつもりはないよ、リュナ。ちょっと、こう…つい愚痴が出ちゃっただけでさ…」隼人は冷や汗をかきつつ、必死に弁明を試みる。

「愚痴?それってつまり、私に文句があるってことでしょ?ひどいわ、隼人…せっかく私が秋の風と紅葉を美しく演出してあげたっていうのに、感謝のひとつもないなんて!」リュナは、涙目で声を震わせながら訴える。

光がその様子を見てクスクス笑い、「ああ、リュナさんって結構かわいいとこあるんだね。そんなに拗ねるなんて…」と小声で隼人に囁いた。

隼人は思わず苦笑いしながら、「だから言っただろ、ちょっと文句言っただけだって!」とリュナに向かって手を差し出し、言い訳を続けるが、リュナは頬を膨らませたまま目を逸らしてしまう。

「どうせ私なんて…」と彼女はふてくされるように呟き、画面の中でふんっと顔を背ける。

「ほら、リュナ。そんなに拗ねないでくれよ。せっかくの紅葉狩りが台風で台無しになりそうなんだ。これも、もしかしてあなたの気まぐれ?」と隼人が少し茶化すように言うと、リュナはさらに拗ねた表情を強めた。

「私は自然の調和を保つ存在なの!それに、台風だって私の一存でコントロールできるものじゃないわ!」リュナはそう言いながらも、隼人の言葉に反応し、どこか居心地悪そうな様子で視線をそらす。

「なるほどね、自然の調和ってやつか。それじゃ、台風が来ても仕方ないか…でも、少しは配慮してくれてもいいだろ?」隼人が皮肉を込めて言うと、リュナはついに耐えきれなくなり、「本当にもう、隼人ってば!じゃあ、次の風の調整くらいは考えてあげるわよ!」とふくれ顔をしながらも少しだけ頬を緩ませた。

「ありがとう、リュナ。今度は台風なしで、紅葉狩りを楽しませてくれると嬉しいな」隼人は笑みを浮かべながら、画面越しに女神へ感謝の意を示した。

リュナは照れ隠しのように咳払いをして、「次はちゃんと感謝してよね!」と一言残して通信を切った。その瞬間、隼人と光は顔を見合わせ、思わず笑い出した。

その頃、サフウはバスの窓から外を見ながら、紅葉狩りを楽しむどころか、少し遠くに見える雲行きの怪しさに目を細めていた。彼女は小さくため息をつき、どこか楽しげにも思える口調で呟く。

「私はいったい、何号の台風の私なんだろ?まぁ、たまには私だって嵐の中心になってもいいけどさ」

彼女の独り言に気付いた隣の部員がちらりと彼女を見やるが、サフウはどこ吹く風という顔でさらに続ける。

「こんな風、誰かに頼まれたんじゃないわよね?ううん、自分の意思でだって思いたいものだわ」

彼女の言葉に乗せられたかのように、窓の外の風は次第に勢いを増していき、まるでサフウの気分に合わせて紅葉の枝がざわめいているかのようだった。

サフウはふと窓の外に視線を送り、深い思索にふけりながら一人ごちた。

「日本では毎年台風に『何号』って番号をつけるけど、私はその何号のひとつなのかしら?それとも、ただの低気圧に過ぎないのかしら…」

外の風がぐっと強まり、紅葉の木々がざわつき出す。そんな様子を眺めながら、サフウはさらに考えを巡らせた。

「そもそも、毎年この季節になると私の存在が風や嵐に例えられるのに…私は本当にその『台風』なのか?それとも、私の役割を他の誰かが担っているのかしら…」

彼女の表情には一瞬、不思議な疑問と自嘲が入り混じり、視線は遠くの空へと吸い込まれるようだった。

サフウがふと視線を上げ、「西風と私だけじゃ、台風は生まれないわけ?」と軽い口調でつぶやいた。

光がそれに応えるように、「そうだね、西風だけじゃ不十分。もうひとつ、海の温度も必要だって聞いたことあるよ」と真面目に答える。

すると、綾乃が一歩前に出て微笑みながら、「その通り。じゃあ改めて説明するわね」と、静かながらも頼りがいのある声で話を始めた。

「台風って、最初は『熱帯低気圧』と呼ばれる小さな卵のようなものから始まるの。で、光が言った通り、重要なのは温かい海の温度。海水温がだいたい26度以上になると、海面から大量の水蒸気が蒸発して、空気がどんどん上昇していくわけ。そして、その上昇気流がどんどん渦を巻いて発達し、ついに台風へと成長するのよ」

サフウは目を細め、「ふむ…つまり、私は単に気まぐれで西風と手を組んだだけじゃなく、海のぬくもりに導かれて、嵐にまで成長していくわけね」と肩をすくめながら、自嘲気味に言った。

綾乃はその言葉に小さくうなずき、「そう、私たち一人だけじゃ台風は成り立たないの。海の温度、西風の力、そして低気圧…そのすべてが揃って初めて、あの強力なエネルギーが生まれるのよ」

その言葉に、光が思わず感嘆の声を漏らす。「へぇ…じゃあ、サフウって、ただの低気圧ってわけじゃなくて、いろんな要素が揃っての『自然の奇跡』みたいな存在なんだね」

サフウは顔をほころばせつつ、「まぁ、自然の奇跡とまでいわれちゃ、悪い気はしないけどさ。でも、毎年『台風』として訪れる私は一体何号なのかしら?自分でもわからなくなるわね」とため息交じりに笑った。

西風がその様子を見て、「文句があるなら、君の居候してる女神にでも聞いてみたらどうだ?俺に責任押し付けられても困るんだけどな」と茶化すように口を挟む。

サフウは眉をひそめながら、「そうね、次に会ったらリュナに直談判してみるわ。なんで私が毎年こんな騒動を背負わなきゃいけないのか、ってね」

綾乃がそのやり取りに微笑みつつ、「でも、それもきっと、自然があなたを必要としているからじゃないかしら」と、優しく囁いた。

明穂から光に届いたメッセージは、どこか優雅で落ち着いた響きを持ちながらも、彼女らしい頼りがいのある口調が伝わってくる。

「光、そちらはどうかしら?紅葉狩り、きっと楽しんでいるのよね?」

少し間を置いてから、続けるようにメッセージが続く。

「もし可能なら、何かお土産をお願いできるかしら?無理にとは言わないけれど、あなたが選んだものなら、きっと私にとっても特別なものになると思うわ」

彼女の控えめながらも温かな要望は、妹に甘えるような微妙なニュアンスが感じられる。穏やかに促すような間桐桜の口調で、静かに、でも確かな期待を込めてメッセージを締めくくっていた。

「それじゃ、楽しんできてね、光。帰りを待っているわ」

サフウは驚きの表情を隠せないまま、光に向かって指をさしながら叫ぶように言った。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!光、お前に姉がいたのか!? 新展開すぎるんだけど!」

光は驚いた顔を見せるサフウを横目に、肩をすくめて淡々と答えた。「まぁね、普段は連絡してこないけど、こういう気まぐれなところが姉らしいっていうか…」

綾乃がそのやりとりを微笑ましそうに見守りながら、「これで、台風のメカニズムがちゃんと説明できるわね。明穂さんの話を借りて、もっと細かく伝えられるわ」と優雅に笑みを浮かべた。

「台風って、ただの低気圧ってわけじゃなくて、熱帯の海の温かい空気が重要なのよね。台風の“卵”が成長するには、海の表面温度が高くないといけないの。その熱がエネルギー源となって、風を強めていくのよ」

西風は綾乃の説明に感心しながらも、少し遠い目をしてため息をついた。

「なぁ、隼人。お前も感じてるだろうけど、俺たち、これからどんどん肩身が狭くなりそうだな…」そう言いながら、まるで諦めたようなトーンで話す姿は、どこか軽妙な雰囲気を持っている。

隼人は苦笑しながら西風を見て、「まぁな。どんどん台風の知識が増えてくると、俺たちの役目が…」と肩を落とすようなポーズをとった。

サフウがそこでふいに自分のほうに話を振られたかのように「あ、そういえば私っていったい何号の台風なんだろうな?日本じゃ台風に番号つけるけどさ、私は毎年ここにいる。だから、私は毎年同じ台風で…それとも、別の台風として見られてるのか?」と少し困惑した表情で呟いた。

光がその姿に少しクスリと笑いながら、「もしかして、自分が“何号”なのかわからなくなった?」とからかう。

サフウは笑い返しつつも、「あんたのお姉さんといい、この高気圧と低気圧のコンビでやってくるのが、私の役目なのかもしれないわね。でも、いっそもうちょっとドラマチックな登場の仕方もありかな?」と冗談めかして言った。

綾乃はその会話を聞きながらも、ふと真面目な顔に戻り、「本当は、台風がただの自然現象として片づけられないほど複雑なのよ。海の温度や風の流れ、そして周りの気圧の差…それが全部絡み合って、あの強大なエネルギーになるのだから」と、小さくうなずきながら話を締めくくった。

西風はそれを聞き、「なるほどな、俺たちはただの気流じゃないってことか。それなら少し誇らしい気もするけど…正直、これ以上肩身が狭くなるのは勘弁してほしいぜ」と言い、諦めと共に仲間たちに視線を投げかけるのだった。綾乃は少し前に出て、みんなに分かりやすく説明を始めた。

「台風というのは、単なる強い風ではなく、熱帯の海で発生する熱帯低気圧の一種なの。特に、海水温が高い地域で発生するわ。その温かい海水が台風の“燃料”となって、発達していくの。」

光が興味津々に聞き入る中、綾乃は続けた。「まず、海水温が26度以上になると、海面から大量の水蒸気が発生するわ。これが上昇気流を生み出して、空気がどんどん上昇していく。この上昇した空気は冷却されて水滴に変わり、雲を作るの。その過程で放出される熱がさらに上昇気流を強め、周りの空気を巻き込んでいくわけ。」

サフウがふと腕を組んで頷く。「なるほど、そうやってエネルギーがどんどん増幅されるってわけか。」

綾乃は頷き、「その通り。そして、その段階がいわゆる“台風の卵”と呼ばれるもの。最初は小さな低気圧なんだけど、周囲の風や高気圧、地球の自転の影響で次第に回転し始める。これが大気の条件と合致すると、台風としての強いサイクロン構造ができあがってくるの。」

西風がため息混じりに、「おいおい、ただの自然現象ってわけでもないんだな…」と呟いた。

綾乃は微笑みながら続ける。「そうね、そしてこの回転が強まると台風の目ができるの。中心部が無風の状態で、周りが猛烈な風に囲まれているのが特徴。この台風の目が安定する頃には、台風は完全に発達した状態で、さらに移動するようになるのよ。」

光は目を輝かせながら、「台風の目…そんな神秘的な場所があるんだね。」

綾乃は頷きながら、「ええ、でも台風はどんどん成長して勢力が強まることで、災害を引き起こす可能性も高まるわ。だから、温かい海域での発達には注意が必要なの。台風が勢力を失うのは、主に海から離れて冷たい空気に触れたり、陸地に上陸して摩擦が生じたりするとき。」

ここで、隼人が少し心配そうに言った。「つまり、俺たちがいま直面してるのも、そういう台風が力を増して向かってきてるってことか…」

綾乃は真剣な表情で頷く。「ええ、だから天気予報や気象の知識をしっかり活用して、私たちも適切に対処する必要があるわ。」

サフウが感心したように、「さすが綾乃、気象部の知識が冴えてるな。でも、台風の“卵”からこんなに詳しく説明できるなんて、ちょっと圧巻だわ。」と笑いながら称賛の眼差しを向けた。

綾乃は軽く微笑み、「ありがとう。気象のことは知っておくと役に立つわよ。私たちの生活に影響を与えるものだからね。」と、みんなに教えの意義を優しく伝えた。

隼人は肩をすくめながら、みんなの顔を見渡しつつ、苦笑いを浮かべた。

「いやー、サフウと光、それに西風に加えて、明穂も揃えば、あと海水があれば完璧な台風が出来上がるってわけか?…ああ、でも今回は山の中で良かったよな。海があったら間違いなく本物の台風が来てたかもしれないしさ。」 

サフウが眉をひそめて、手を腰に当てながら応じる。「ちょっと、隼人!私は確かに風を呼ぶ女だけど、そんな自然現象みたいに言わないでくれる?」

光も照れくさそうに笑いながら頷く。「ね、でもお兄ちゃん、確かに私たちが揃うと自然の力が増幅されてる感じがするね。」

それに続いて、綾乃が少し小首をかしげて微笑む。「そうね。でもこれで、台風のメカニズムがさらに説明しやすくなったわね。ほら、空気の動きや温度変化、それぞれの要素が揃うことで起こる現象が見えてきたでしょう?」

西風がため息をつきながら、「そうなると俺と隼人はただの観客か。肩身が狭くなっちまうな…」と冗談混じりに呟いた。

隼人もそれを受けて、少し肩をすくめて、「いやいや、俺だってまさか自然現象みたいな友人と過ごすことになるとは思ってなかったけどさ。でも、こうして見てると確かに台風のシミュレーションみたいだよな。」

みんなの軽口が続く中、綾乃は再び少し真剣な表情に戻り、「まあ、自然はどこまでも複雑で面白いわ。人間の生活に密接に関わっているからこそ、知っておくべき知識だと思うの。」

サフウが明穂を振り返り、少し得意気な顔で、「だからこそ私たちがいるのよね、自然界の小さな台風予備軍として!」と笑い声をあげると、明穂もそれに応じるように、静かに頷いた。

綾乃が微笑みながら、みんなの役割を説明し始めた。

「まず、サフウ、あなたは低気圧の役目よ。空気の流れを生み出す源になって、周りの空気を引き寄せる役割を担っているわ。だから、雲を運んだり、風を呼んだりすることで天気を変える力があるの。」

サフウが少し誇らしげに「ま、当然ね!」と頷いたが、綾乃は続けて光に目を向けた。

「光、あなたは高気圧の役目なの。周囲に安定をもたらしながら、空気を押し広げて快晴を作り出す力を持っているわ。高気圧は天気を安定させるから、晴れやかで落ち着いた天気の日は、あなたの存在感が増すのよね。」

光は少し照れくさそうに笑いながら、「お姉ちゃん、そんなふうに言われるとなんだか照れるな…」とつぶやいた。

綾乃はさらに、西風を見つめて説明を続けた。「そして西風、あなたは偏西風の役割を果たしているの。季節ごとに風向きを変えながら、大きな空気の流れを導いているのよ。この偏西風が天気を動かす力となって、様々な地域に影響を与えるわ。」

西風は少し冗談っぽく、「そりゃあ、俺が天気の動きを担ってるってわけか。でも、責任が重いな」と苦笑した。

「そして最後に…明穂、あなたは熱帯高気圧なの。台風の元となるエネルギーを生み出すのがあなたの役割よ。海の表面温度が上がって熱帯低気圧が生まれるように、あなたがそのエネルギーを引き寄せ、熱を放出することで、台風はどんどん力を増していくの。」

明穂は少し恥ずかしそうに頷き、「なるほど、私ってそういう役割なのね」と小さく微笑んだ。

綾乃は、みんなに向けて締めくくるように言った。「つまり、サフウの低気圧、光の高気圧、西風の偏西風、そして明穂の熱帯高気圧が揃って、気温や海の温度が加わることで、台風が生まれるのよ。」

隼人が感心したように頷きながら、「だから、俺たちがこうして山にいても、まるで台風のシミュレーションみたいになってるってわけか…」とつぶやいた。

サフウが得意げに、「それが私たちの力よ!」と笑い声を上げ、他のメンバーも微笑みを浮かべて同意した。

明穂が電話越しにみんなの話を聞いていると、自然とその場に参加しているような気分になってきた。サフウや綾乃、西風が次々と自分の「役割」を語る中で、明穂もつい自分が熱帯高気圧としての役割を果たしているような気分にさせられ、頬が赤くなっていくのを感じていた。

そして、話の流れにのせられるまま、明穂も自然と声を弾ませていたが、ふと我に返ると、顔が一気に熱くなった。「あ、あれ?私…なんだか…」とつぶやき、急に恥ずかしくなってきた。

「じゃ、じゃあ、そろそろ…私はこの辺で…」と明穂は言いかけながら電話を切ろうとしたが、その直前に思い出したように声をかけた。

「光、キオツテね。それと…お土産も、忘れないでね」と、少し照れた様子でウインクを送るような雰囲気を伝え、電話を切った。

電話越しでも伝わるその恥じらいの様子に、光は笑いをこらえながら「分かったよ、姉ちゃん!」と返事をした。

隼人は、ふと深紅や黄金色に染まった木々を眺めていた視線をそっと戻し、周囲に目をやった。その視界には、なぜか当然のように隣に立っているサフウ、西風、さらにはリュナまでが映り込んでいる。

「…なんで俺と光だけで紅葉狩りのはずが、こんな大勢いるんだよ?そもそもリュナ、お前まで混ざるなって!」隼人が軽くため息をつきながら、ちょっと呆れた表情で問い詰めるように言うと、リュナは腕を組み、不満げに唇を尖らせた。

「ええっ、隼人くん。まさか私がいちゃダメだなんて、寂しいこと言うじゃない?」リュナは、まるで悲劇のヒロインを演じるかのように肩をすくめ、目を大きく見開きながら、わざとらしく嘆いてみせる。

その反応に、隼人はますます困惑した表情を浮かべつつも、「いや、違う。紅葉狩りの計画は光と俺で――」と反論しかけたが、途中で言葉を切らざるを得なかった。

「おやおや、隼人くん。自然はみんなのものだってこと、忘れちゃいけないぜ?」と、西風が肩を叩きながら、まるで諦めが入ったような声で割り込む。西風の顔には、まさに「余計なお世話だろうけど」という表情が浮かんでいた。

隼人は西風をじっと見つめ、つぶやくように「だからって、俺と光だけの時間を邪魔するのはどうかと思うけどな…」とぼやいたが、周囲に聞こえるように言うとさらにややこしくなるため、苦々しく口を閉じた。

その様子を見て、サフウが笑いをこらえながら、面白そうに言い出す。「まぁまぁ、そう言うなって。私たちがいないと、きっと紅葉の話だけで終わっちまうだろうし、ちょっとくらい騒がしいほうが盛り上がるだろ?」

光は紅葉の彩りを眺めながら、隼人の横顔をちらりと見た。彼の「二人で紅葉狩りしたかった」という言葉に、少しだけ申し訳ない気持ちが胸に浮かぶ。でも同時に、楽しそうに会話する仲間たちの姿が見えると、それが間違いではなかったと感じてしまう。

(そっか、隼人くんは二人で来るつもりだったんだ…。でも私、みんなも一緒の方が楽しいと思っちゃって…)

光の心の中で小さな葛藤が渦巻くが、その考えを吹き飛ばすように、今日の賑やかさが嬉しいと感じている自分がいる。何より、今朝には久しぶりに姉の明穂からも連絡が入った。その瞬間、胸の奥にほのかな喜びが広がり、何気ない日常が一層色づく気がした。

(お姉ちゃんからも元気そうな声が聞けてよかったなぁ。それに、「お土産頼んだわよ」って、あの口調…ちょっと笑っちゃったけど)

ふと、姉が冗談混じりにせがんでいたお土産の話を思い出すと、光の心はさらに温かくなった。

女神リュナは首を傾げ、紅葉の話題に興味津々な様子で尋ねた。「それで、紅葉を見るならどこが一番綺麗なの?私にも教えてくれない?」

隼人は少し考え込みながら、地元で有名な紅葉スポットを思い浮かべる。「そうだな、太平山とか唐沢山が紅葉の名所としてお勧めだよ。特に唐沢山は山の頂上から町並みが一望できて、紅葉が山肌に広がる景色は絶景なんだ」

リュナは満足げに頷き、楽しそうに微笑んだ。「それはいいわね、ぜひ行ってみたいわ!」

ところが、サフウは突然思いついたようにニヤリと笑みを浮かべると、みんなの会話を一歩引いた視点から見ているかのように問いかけた。「でもさ、私たちっていったいどこの県とか市町村に住んでる設定なの?」

一瞬、場の空気がピタリと止まり、みんながサフウの言葉に戸惑いの表情を浮かべる。

「…そんなこと考えたことなかったな」と隼人は苦笑しつつ、どう答えるべきか悩んでいるようだったが、頭の中にはやはり地元・栃木県佐野市の山や町並みの風景が浮かんでいた。

光も、地元の風景を思い出しながら、「佐野市みたいな場所なのかもね?紅葉の季節になると、町並みが鮮やかな色に染まって綺麗だし」と静かに口にした。

西風も含み笑いをしながら言葉を続けた。「だな。俺たち、まるで佐野市の山々と町並みに囲まれて暮らしてるようなもんだよな。ついでに、そんな場所からどこへでも冒険できる気がするってわけだ」

リュナも笑顔を浮かべ、「なるほど、みんなで紅葉の中を歩くのもいいわね」と、また紅葉狩りの計画に思いを馳せているようだった。

彼らの笑顔の先には、まるで佐野市の紅葉した山並みと町並みが広がっているかのようだった。

隼人はふと周りを見渡し、ため息をつきながら呟いた。「なんでこんなにわらわら湧いてるんだ?今日は光と二人で紅葉狩りに来たはずなのに…」

サフウは、隼人の不満げな表情に気付いて、いつもの軽口を叩きながら笑顔で答えた。「え?何言ってんの、隼人。紅葉狩りってのは、みんなでワイワイやるのが醍醐味じゃないの?ほら、せっかくの秋の風物詩なんだからさ、遠慮なく私たちと楽しみなって!」

隼人は苦笑いを浮かべながら首を振った。「いや、俺はただ静かに紅葉を楽しみたかったんだが…」

それでもサフウは意に介さず、「あらあら、そんなこと言って。隼人も心の底じゃ賑やかな方が楽しいんでしょ?」とからかいながら肩を叩いた。

さらに、サフウは冗談っぽく手を広げて、「まぁ、隼人が独占したい気持ちもわかるけどね。でも、私たちもこの紅葉の美しさを分けてもらわないとね!さぁ、みんなで存分に楽しもう!」と言って、視線を光に向けた。

光はその様子に少し照れながらも、微笑んで周りを見渡した。「うん、みんなでこうして来れたのは嬉しいな。お姉ちゃんからも連絡が来たし、なんだか今日は特別な日になりそう。」

隼人は小さくため息をつきつつも、そんな光の笑顔にほんの少し頬を緩め、諦めたように言葉を続けた。「…まぁ、こんな賑やかな紅葉狩りも悪くない、かもな。」

隼人は思い出したように顔をしかめながら、ぽつりとつぶやいた。「前回も結局、みんなでワイワイしてたのにな…俺は静かに紅葉を楽しむつもりだったんだけど。」

リュナがそれを聞いて、軽く笑いながら答えた。「台風騒動だったわね、確か。サフウが低気圧のあれこれを語り出して、それがいつの間にか台風の話に変わって…。あのとき、光のお姉ちゃんも電話越しに巻き込まれていたんじゃなかった?」

光がその話を聞いて少し恥ずかしそうに微笑んだ。「うん、そうだったね。姉も私に連絡くれて、結局みんなで台風について話してたから。お姉ちゃん、普段はあまり関わりたくないって言ってるくせに、こういうときにはしっかり電話に出てくれるんだよね。」

隼人はその様子を見て、少しばかり呆れたように首を振った。「そうか、光の姉ちゃんまで巻き込んで、結局大騒ぎにしたのか。まったく、今回はそんなことにならないと思ってたのに。」

「隼人、それが紅葉狩りの楽しみ方ってやつよ。みんなでワイワイと、自然を感じながら色んな話をするのも悪くないでしょ?」とサフウがニヤリと笑い、肩を叩いてきた。

隼人は苦笑いを浮かべつつ、改めて周囲の仲間たちを見渡した。たしかに賑やかで、少し騒がしいが、それでもその喧騒が秋の景色と相まって、一種の温かみを感じさせる。「…まぁ、こんな紅葉狩りもたまにはいいかもしれないな。」と、彼も少しだけ口元をほころばせた。

隼人が綾乃の台風に関する説明に耳を傾けていると、光が隣でふと彼を見上げ、嬉しそうに微笑んだ。その表情は、まるで天真爛漫な子供が新しい発見をしたときのような輝きを放っている。

「お兄ちゃん、また一つ思い出ができたよ。ありがとう!」と、彼女は満面の笑顔で感謝の言葉を口にした。その言葉には、どこか温かい安心感が込められていて、隼人の胸をほんのりと暖かくする。彼女の瞳が純粋な輝きで満ちている様子に、隼人は思わず微笑み返してしまった。

「なんだよ、それ。別にお前のためにやってるわけじゃないってのに」と、照れ隠しに軽く肩をすくめてみせるが、内心では光の純粋さに触れ、少しばかり嬉しさを感じていた。

その一瞬のやりとりを見ていたサフウが、にやりと笑いながら口を開いた。「あら、隼人、まるで本当のお兄ちゃんみたいじゃない。光も、すっかり妹キャラ全開ね。いやー、これはいい絵が撮れたって感じ?」

その言葉に隼人はすぐさま反応し、少し顔を赤らめながらサフウを睨みつける。「おい、からかうなって!俺はただ普通に紅葉狩りを楽しんでるだけだ!」

「まぁまぁ、そんなに照れなくてもいいじゃない?ここにいるみんな、こうして楽しい時間を共有してるんだからさ」とサフウは軽やかに笑い飛ばした。

綾乃もその様子を見て微笑みを浮かべながら、静かに話を続けた。「さて、台風の話に戻りましょうか。実はね、台風はまず海面温度が高い場所で発生するの。そこで湿った空気が上昇し、それがどんどん積み重なっていくことで渦が形成され、最終的に低気圧が強まって台風になるの。サフウが担当する低気圧、光の高気圧、西風の偏西風、そしてお姉さんの熱帯高気圧が全て揃えば、台風ができるってことね。」

光がその説明に興味津々で耳を傾け、「だからお姉ちゃんも電話で話してたんだね。全部揃ったら台風になるって!」と、納得したように頷いた。

隼人は思わずため息をつきながら、「じゃあ、俺と光だけの紅葉狩りになるはずだったのが、なんでこんなにわらわら湧いてきてるんだ?」と、軽くぼやいた。

光がそんな彼に満面の笑顔で、「お兄ちゃん、でもこうしてみんなで過ごす時間も楽しいでしょ?それに、また思い出が増えたから、私にとっては特別な紅葉狩りだよ!」と、無邪気に答えた。

その言葉に、隼人は少しばかり恥ずかしそうに笑みを浮かべながら、「まぁ、そうだな」と頷く。そして、ふと空を見上げ、静かな秋の風に乗せて遠くの山々を見渡した。

紅葉の美しい景色が広がり、彼らはそれぞれの思いを胸に抱きながら、今日のこの一日を心に刻んでいた。

隼人や光が紅葉狩りを満喫しつつ、綾乃が台風のメカニズムについて丁寧に説明を終えた頃、サフウがぽつりと呟いた。

「なるほどね、大体分かったわ。台風って、こうやって生まれるのね」と、一見納得したように頷くサフウ。しかし、その顔にはほんの少し影が差し、不安げな表情が浮かんでいた。

隼人がその様子に気づき、「おい、サフウ。なんか気になることでもあるのか?」と尋ねると、サフウは少しばかりためらいながらも口を開いた。

「いや、さっきからずっと気になってたんだけどさ、結局私は『台風の何号』に当たるのかしら?」と問いかける。その言葉に皆が一瞬静まり返り、少しばかり奇妙な空気が漂った。

光が笑いをこらえきれずに、「サフウ、そんなこと気にするの?」と問い返すと、サフウはちょっと拗ねたように唇を尖らせて言った。「だって、毎年次々に来るあの台風たちと同じ名前なんて…なんだかあたし、替えがきくみたいでちょっと寂しいじゃない?」

そのままサフウが続けて、「もしかしたら、私は来年も再来年も同じように現れるだけの存在ってこと?」と、少し不安げな表情を浮かべる。

その場の空気がふっと和らぎ、リュナが優しく微笑みながら、「大丈夫よ、サフウ。あなたはあなただけの『台風』なのだから。替えがきかない、唯一無二の存在よ」とフォローする。

それを聞いたサフウは、少し安心したように「そっか…ならいいのよ」と呟き、ほんのり笑顔を取り戻した。

隼人が、その場を締めくくるようにニヤリと笑いながら言う。「まぁ、サフウが何号かなんてどうでもいいんだ。俺たちはただ、お前がここにいてくれるってだけで十分だからな」

サフウは顔を赤らめ、「べ、別に、私は勝手に風を運んでるだけだから!」と照れ隠しにそっぽを向いた。

こうして、彼らの紅葉狩りは穏やかに、しかし和やかな空気に包まれて幕を閉じたのだった。

隼人や光たちが紅葉狩りを満喫しているなか、西風がにやにやとした表情でサフウに近づき、悪戯な視線を投げかける。

「なあなあ、サフウ。さっきから台風がどうのこうのって悩んでたけどさ、そんなこと考えてもしょうがなくね?だって、お前、毎年気まぐれに出てきては去っていく、いわば“気ままな風”みたいな存在だろ?」西風はニヤリと笑い、まるで他人事のようにからかう口調を続ける。

サフウはそれを聞いて頬を膨らませ、不機嫌そうに反論しようとする。「ちょ、ちょっと!私はそんな適当な存在じゃないわよ!ちゃんと季節を司ってるんだから!」

しかし、西風はサフウの言葉に一切耳を貸さず、さらに畳み掛ける。「いやいや、台風の『何号』かなんて気にするやつ、他にいる?ほら、もうちょっと肩の力抜けよ。どうせまたどこかで吹きまくるんだからさ~。」

「ふざけないで!ちゃんと名前があってもいいじゃない!」と、サフウは顔を赤らめながら怒りの表情を見せるが、その姿がなんとも微笑ましく、周りの空気が柔らかくなる。

西風はその様子を見て、ますます調子に乗り、「ああ、ああ、ごめんごめん。どうしても『台風サフウ』が正式名称に感じられなくてさ。でも、それならいっそ『風の自由人サフウ』って名乗ったら?」と、軽い調子で続ける。

隼人も苦笑しつつ、「お前、からかうのもいい加減にしとけよ」と西風に注意するが、サフウの反応が面白かったのか、心の底ではちょっと楽しんでいる様子だった。

サフウは少し拗ねたように、「もう、なんでみんなして私ばっかりからかうのよ…」と呟きながら、最後には小さな微笑みを浮かべて肩をすくめる。

こうして、仲間たちのからかいと笑いに包まれ、紅葉狩りの時間は和やかに過ぎていった。

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