《ゲートボールの棒一本で異世界生活!? 地味スキルで今日も生き延びてます》 ―引きこもり姫と始める、風まかせな旅

トンカツうどん

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第1話『だから私は――外に出たいの』

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​📍場所:風の塔・客間(夜)
​コツ、コツ、コツ……。
​夜の帳が降りた風の塔の客間。
ショウマは、床に胡坐をかきながら、手にしたゲートボールスティックで、床をリズミカルに突いていた。
フィレリアは、自室に戻ることもせず、客間の隅に膝を抱えて座っている。
​外では、風が**ヒュー……**と静かに鳴っているが、二人の間には、それとは違う、少しばかり重い沈黙が流れていた。
この沈黙は、彼女がショウマを塔に招き入れてから、ずっと続いている。
​「……なに黙ってんだよ、姫さん。寝る時間なら言えよ?」
​ショウマは、沈黙を破るように、からかうような口調で言った。
だが、その声には、どこか優しさが含まれていた。
​「俺、そう見えても**“騒がしいヤツの配慮くらい”**はできるタイプだからな。寝るなら寝る、話すなら話す。どっちかにしろって」
​フィレリアは、ゆっくりと顔を上げた。
その瞳は、暗闇の中でも、ほんのりと光を放っている。
​「……あの……」
​彼女は、小さく口を開いた。
その声は、震えていた。
​「わたし、旅に出たいんです」
​コツン。
​ショウマのゲートボールスティックが、床を突く音が止まった。
​ショウマ、困惑と驚愕
​「はあああ!?」
​ショウマは、思わず大声を出した。
その声は、塔の静寂を打ち破り、壁にこだまする。
​「ちょっと待て!今さら大冒険スタート宣言!?こちとらゲートボール片手にひとり生き残りRPGしてんのに、いきなりパーティ追加とかバグかよ!?しかも姫様を連れてって、どうしろってんだよ!?俺、剣も魔法も使えねえんだぞ!?」
​ショウマは、興奮して、両手を大きく広げた。
その表情は、驚きと困惑と、そして少しばかりの焦燥感に満ちている。
フィレリアは、そんな彼の様子を見て、目を伏せ、それでも、口元には小さな笑みを浮かべていた。
​「……あなたが言ってた、“異世界”……」
​フィレリアは、静かに言った。
その声は、ショウマの心を落ち着かせるかのように、柔らかく響いた。
​「本当に、そんな場所があるなら……わたし、見てみたいんです」
​彼女は、顔を上げ、ショウマをまっすぐに見つめた。
その瞳には、初めて外に出た時と同じ、純粋な好奇心が宿っていた。
​「知らない風、知らない街……知らない人たち」
​彼女の言葉は、まるで詩を詠んでいるかのように、優しく、そして力強かった。
​「あなたが、笑って話してくれた**“外”**を……わたし、この目で見てみたいんです」
​ショウマの独白と過去
​ショウマは、しばらく口をつぐみ、何も言えなかった。
ただ、手にしたゲートボールスティックで、床に適当な円を描く。
それは、まるで、ゲートボールのコートを描くかのように、迷いのない円だった。
​「……そういや、なんでゲートボールやってんのかって、まだ言ってなかったな」
​ショウマは、ぼそっと呟いた。
その言葉は、まるで自分自身に語りかけているかのようだった。
​「え?」
​フィレリアは、首をかしげて、ショウマの顔をじっと見つめる。
​ショウマは、少しだけ遠い目をして、話を続けた。
​「俺んとこの近所さ。老人会の人たちが、毎週集まってゲートボールやっててさ。最初は“ダッセー””って思ってた」
​「俺、別にゲートボールなんて興味なかったし、ダセェ球技だって思ってた。でも……」
​ショウマは、少しだけ目を細めて、優しい表情を浮かべた。
​「よく見てたら……みんな、本気だったんだよ。石ひとつで笑ったり、悔しがったり。球筋ひとつに、人生を懸けてるみたいで……」
​「その姿が……なんか、好きだったんだ」
​フィレリアは、その話を聞いて、驚いたように目を見開いた。
そして、その瞳は、ゆっくりと、しかし確実に輝きを増していく。
​「……素敵ですね。あなたの**“冒険”**は、もう始まってたんですね」
​旅立ちの決意
​「うるせぇ」
​ショウマは、苦笑しながら、フィレリアの言葉を遮った。
その頬は、少しだけ赤くなっていた。
​「旅の始まりが**“老人に混ざって玉転がし”**とか、異世界転移したやつの中で俺だけだと思うわ。普通は剣とか魔法とか、そういうんじゃねぇの?」
​フィレリアは、そんな彼の言葉に、ふわりと微笑む。
​「でも、その**“玉転がし”**が、わたしを外に連れ出してくれました」
​彼女は、立ち上がり、ショウマの隣に立った。
そして、彼の目をまっすぐに見つめる。
​「――だから、わたしも今度は……あなたの隣を、歩きたいです」
​ショウマは、一瞬、目をそらした。
フィレリアの言葉は、彼の心に、深く、そして温かく響いた。
彼の心の中には、この世界に来てからずっと、たったひとりで生きていくことへの不安があった。
だが、今、その不安は、彼女の言葉によって、少しずつ溶けていくようだった。
​「……はぁ……」
​ショウマは、観念したように、深くため息をついた。
そして、ニヤリと笑う。
​「わかったよ。**“姫様の初旅”**のお供、ゲー棒マンが務めてやるよ」
​フィレリアは、その言葉を聞いて、目を輝かせた。
だが、ショウマは、すぐに真剣な表情に戻る。
​「ただし、朝起きるの遅かったら置いてくからな。異世界は甘くねぇ。スケルトンは足音立てずに迫ってくるぞ?」
​フィレリアは、ショウマの言葉に、ふわりと笑った。
​「……はい、気をつけます」
​彼女は、窓の外から吹き込む風に、そっと手をかざした。
その風は、彼女の銀色の髪を優しく揺らし、ショウマの頬を撫でていく。
​「でも、あなたが隣にいるなら、風も味方してくれる気がしますから」
​二人の新たな旅は、今、静かに、そして力強く、幕を開けた。
明日から始まる、未知なる冒険に、二人の心は、高鳴っていた。
​『風をまとう姫と、玉を転がす旅人』
​🏡【翌朝 – 風の塔 客間】
​朝の光が、風のカーテン越しに差し込む。
​ヒュー……サァ……
​風がカーテンを揺らし、心地よい音を立てる。
ショウマは、その音にうっすらと目を開けた。
顔には、風が運んできた、ハーブのような香りがかすかに漂っている。
​「んぁ……ここどこだっけ……」
​寝ぼけた頭で、彼は体を起こした。
昨日と同じ、石造りの天井。
そして、腕の中には、いつも肌身離さず持ち歩いている、愛用のゲートボールスティック。
昨夜、姫様に借りた客間で、スティックを抱えたまま、彼は眠ってしまったようだった。
​「ああ、そうか……塔か……風の姫に石転がし見られて旅に誘われたんだっけ……」
​ショウマは、顔を洗い、ぼんやりと過去の出来事を思い出す。
夢のような出来事だが、腕の中にあるスティックが、それが現実だったことを教えてくれる。
​「……夢じゃねぇのかコレ……」
​ショウマは、ため息をついた。
その時だった。
​コン、コン、コン……
​扉がノックされる。
ショウマは、反射的にスティックを構えた。
だが、その警戒心は、すぐに消え去る。
​ガチャッ……
​扉が開いた。
そこに立っていたのは、昨日まで引きこもっていた、白いドレスの姫――ではなかった。
そこにいたのは、完全に**“冒険モード”**に着替えたフィレリアだった。
​👗【フィレの冒険服登場】
​「お、おはようございます……ショウマさん」
​彼女は、少し緊張した面持ちで、そう言った。
その姿は、昨日までの、儚く美しい姫の面影を、ほとんど残していなかった。
​淡いグリーンのショートマントが付いたワンピース。
それは、動きやすく、そして、風の流れを妨げないように作られているようだった。
足元は、白いブーツ。
その上には、風精の織物で編まれた、軽量なレッグガードが巻かれている。
背中には、風の指輪が収まる特製のホルダー。
そして、彼女の銀色の髪は、リボンでひとまとめにされ、そのリボンには、風の精霊石が揺れていた。
​「おいおいおい……」
​ショウマは、呆然と、彼女の姿を見ていた。
​「なんか姫、**“DLC衣装着たRPGキャラ”**みたいになってるぞ!?なんだよその完璧な準備は!?」
​「引きこもりがその仕上がりって、絶対準備してただろ……!いつか旅に出る日のためにって、準備してたんだろ!?」
​ショウマは、フィレリアの姿を見て、思わずツッコミを入れた。
彼女は、ショウマの言葉に、少しだけ頬を染め、恥ずかしそうに俯く。
​「……こっそり、夜のうちに……準備しておきました」
​フィレリアは、小さな声で言った。
その声には、少しの誇らしさと、そして、期待が混じっていた。
​「この服は、“外へ出るための服”……いつか、着られる日が来たらって……ずっと、タンスの中にしまってあったんです」
​🌪️【異変発生 – 結界の異常】
​その瞬間、塔全体が**“ギギギ……ギシィ……!”**と、不気味な軋み音を立てた。
空気が揺れる。地面が震える。
フィレリアの風の結界が、まるで何者かに殴られたかのように、大きく揺らいでいる。
​「……これは……塔の結界が……?」
​フィレリアは、その異変に気づき、顔色を変えた。
彼女の持つ風の精霊石が、**チカチカ……**と、不安定な光を放っている。
​「おい、マジか。あれ、魔物の気配じゃねぇか?」
​ショウマは、すぐにその異変を察知した。
彼の五感は、スケルトン兵団との死闘で、研ぎ澄まされていた。
​「……なぁ、塔って、**“安全設計”**じゃなかったのかよ!?」
​ショウマの言葉に、フィレリアは顔を青ざめさせた。
​🦴【魔物出現 – 風の塔に迫る影】
​ゾロゾロ……ガサガサ……
​廃墟の森の向こうから、不気味な影が、ゾロゾロと這い寄ってくる。
黒い靄をまとった、異形の犬型モンスター。
その名も、「ウィンド・ハウンド」。
​風に敏感な魔物だ。
フィレリアが張っていた結界が、昨夜の彼の闖入、そして今朝の彼女の旅支度によって、少しばかり揺らいでいた。
その結界の乱れに気づき、奴らが集まってきたのだ。
​「ま、まあ……よくあることだよね!?」
​ショウマは、ゲートボールスティックを構えながら、必死に自分を納得させようとする。
​「結界が緩んで魔物が来るとか、テンプレだよね!?旅立つ前にボス戦あるのもテンプレだよね!?うん、そうに違いない!」
​フィレリアは、ショウマの言葉を聞きながら、深呼吸をした。
そして、その瞳に、決意の光を宿らせる。
​「……わたしの初陣。あなたと、共に迎えたいです」
​ショウマは、その言葉に、顔をしかめた。
​「いやそんな重い空気出すなよ!俺、武器これだぞ!?玉転がすスティック一本だぞ!?剣も魔法も使えねぇんだぞ!?」
​「……でもまぁ、行くしかねぇよな。姫様との初旅、こんなところで終わらせるわけにはいかねぇし!」
​ショウマは、そう言って、塔の外へと飛び出した。
フィレリアも、彼の後ろを追う。
​🎯【風の加護 × ゲートボール:初共闘バトル】
​「ショウマさん、敵は四体!」
​フィレリアは、まるで管制官のように、ショウマに指示を飛ばした。
​「左の二体、速い風で動きを止めます!右の二体は、遅い風で撹乱!」
​ゴオオオォォォ……!
​フィレリアが手をかざすと、風が渦を巻き、ウィンド・ハウンドたちの動きを鈍らせる。
​「了解!まずは右から!」
​ショウマは、風の流れを読むように、地面に転がっていた石を拾い上げ、スティックをスイングする。
カツンッ!
石は、一直線に飛んでいく……わけではなかった。
風に乗り、まるで意思を持っているかのように、カーブを描きながら、敵のこめかみに直撃した。
​ガシュッ!!
​ウィンド・ハウンドは、悲鳴を上げることなく、黒い靄となって消滅した。
​「《風読・ターゲットスパークショットォ!!》」
​ショウマは、叫んだ。
それは、彼のゲートボール技術と、フィレリアの風魔法が融合した、新たな技だった。
​「風よ、導いて――彼の打球に、力を!」
​フィレリアは、詠唱風に、さらに風魔法を操る。
風の流れが、ショウマの放った石の軌道をサポートし、二体目のウィンド・ハウンドに直撃。
​ガシュッ!ガシュッ!ガシュッ!
​連続コンボが決まり、次々と敵を撃破していく。
ゲートボールと風魔法の、意外な**“相性の良さ”**が、ここで判明した。
ショウマの正確なゲートボール技術と、フィレリアの繊細な風のコントロール。
それは、まるで、最初からそうなるべくして出会った、運命の二人であるかのように、完璧に噛み合っていた。​『風をまとう姫と、玉を転がす旅人』
​🎯【風の加護 × ゲートボール:初共闘バトル】
​「ショウマさん、敵は四体!」
​フィレリアは、まるで管制官のように、ショウマに指示を飛ばした。
彼女の目は、ただの少女の目ではなかった。
風の動きを読み、敵の動きを予測し、ショウマへと的確な情報を伝えていく。
​「左の二体、速い風で動きを止めます!右の二体は、遅い風で撹乱!」
​ゴオオオォォォ……!
​フィレリアが手をかざすと、風が渦を巻き、ウィンド・ハウンドたちの動きを鈍らせる。
その隙を、ショウマは見逃さなかった。
​「了解!まずは右から!」
​ショウマは、風の流れを読むように、地面に転がっていた石を拾い上げ、スティックをスイングする。
カツンッ!
石は、一直線に飛んでいく……わけではなかった。
風に乗り、まるで意思を持っているかのように、カーブを描きながら、敵のこめかみに直撃した。
​ガシュッ!!
​ウィンド・ハウンドは、悲鳴を上げることなく、黒い靄となって消滅した。
​「《風読・ターゲットスパークショットォ!!》」
​ショウマは、叫んだ。
それは、彼のゲートボール技術と、フィレリアの風魔法が融合した、新たな技だった。
​「風よ、導いて――彼の打球に、力を!」
​フィレリアは、詠唱風に、さらに風魔法を操る。
風の流れが、ショウマの放った石の軌道をサポートし、二体目のウィンド・ハウンドに直撃。
​ガシュッ!ガシュッ!ガシュッ!
​連続コンボが決まり、次々と敵を撃破していく。
ゲートボールと風魔法の、意外な**“相性の良さ”**が、ここで判明した。
ショウマの正確なゲートボール技術と、フィレリアの繊細な風のコントロール。
それは、まるで、最初からそうなるべくして出会った、運命の二人であるかのように、完璧に噛み合っていた。
​🏁バトル後・塔の外へ
​魔物の群れを撃退し、静けさが戻る塔の丘。
​ヒュー……
​先ほどまでの荒々しい風は、もうなく、ただ優しい風が、二人の髪を揺らす。
結界は、もう破れてしまっていた。
つまり、この塔は、もう**“安全地帯”**ではない。
​「……ったく……旅立ちの儀式が、こんな物騒なアトラクションだとはな」
​ショウマは、息を吐きながら、苦笑いを浮かべた。
彼の額には、汗が光っている。
だが、その表情は、どこか楽しそうだった。
​「けど――まあ、悪くねぇスタートかもな。な、姫?」
​「はい!」
​フィレリアは、風を受けて微笑んだ。
その笑顔は、昨日の、どこか儚げな笑顔とは違い、力強く、そして、生命力に満ち溢れていた。
​「ありがとう、ショウマさん。わたし、ようやく**“旅を始めた”**気がします」
​🏘️【最初の街 – 文明の洗礼】
​それから、二人はしばらく旅を続けた。
道中、ショウマは、フィレリアにゲートボールのルールを教え、彼女は、彼に風魔法の使い方を教えた。
それは、まるで、新しい言語を学び合うかのように、新鮮で、そして楽しかった。
​そして、ようやく、二人は最初の街にたどり着いた。
​「うわ……すげぇ……」
​ショウマは、思わず声を漏らした。
目の前に広がるのは、中世ヨーロッパのような街並み。
石畳の道には、多くの人々が行き交い、活気に満ち溢れていた。
行き交う人々は、ショウマの着ているジャージ姿を珍しそうに見ていたが、フィレリアの美しい姿には、誰もが目を奪われていた。
​「ショウマさん……これ、が……“街”……」
​フィレリアは、まるで夢でも見ているかのように、目を輝かせながら言った。
彼女にとって、この街の全てが、初めて見る光景だった。
街の喧騒、人々の話し声、道端で売られている、美味しそうな食べ物の匂い……。
​「そうだよ、姫。これが街ってやつだ」
​ショウマは、そんな彼女の様子を微笑ましく見ていた。
​「さあ、まずは腹ごしらえでもするか。俺、朝から何も食ってねぇんだ」
​🍔【フィレの世間知らずイベント】
​ショウマが、屋台で売られているパンを買おうとすると、フィレリアが、目を丸くして言った。
​「あの……ショウマさん。この、お金というものは、何ですか?」
​「は?お金?」
​ショウマは、フィレリアの言葉に、思わず目を丸くした。
彼女は、本当に何も知らないようだった。
塔に引きこもっていた彼女にとって、お金という概念は、存在しなかったのだ。
​「あのね、姫。この世界では、何かを買うときに、お金が必要なんだ。お金がないと、何も買えないんだぞ?」
​「そう、なのですか……」
​フィレリアは、ショウマの言葉に、少し落ち込んだような表情を浮かべた。
​「あの……わたし、ショウマさんの分まで、お金を払います。わたし、風の精霊石を、たくさん持っているんです。それを売れば、きっと……」
​フィレリアは、そう言って、背中のホルダーから、美しい風の精霊石を取り出した。
ショウマは、その精霊石を見て、驚いた。
それは、昨夜、彼女の髪を飾っていたものと同じ、淡い光を放つ美しい石だった。
​「いやいやいや、待て待て待て!それはダメだろ!」
​ショウマは、慌てて、彼女の手を止めた。
​「それ、ただの石じゃねぇだろ!?お前、それ、自分の魔力の源だろ!?」
​「でも……ショウマさんのお腹が空いてしまっては……」
​フィレリアは、ショウマの言葉に、困ったような顔をする。
​「はぁ……もう、仕方ねぇなぁ」
​ショウマは、ため息をつきながら、自分のポケットから、小銭を取り出した。
それは、スケルトン兵団を倒したときに、手に入れたものだ。
​「まあ、こういうこともあるよな。とりあえず、今日の分は、これで何とかなるだろ」
​ショウマは、そう言って、パンを買った。
そして、パンを一口食べ、フィレリアに差し出した。
​「ほら、姫。お前も食えよ。腹が減っては、戦はできねぇからな」
​フィレリアは、ショウマの優しさに、目を潤ませながら、パンを受け取った。
そして、生まれて初めて食べる、焼きたてのパンの味に、彼女の顔は、驚きと、喜びの表情で満ちていた。
​「美味しい……!ショウマさん……」
​ショウマは、そんな彼女の姿を見て、ニヤリと笑った。
​「だろ?美味いだろ?この世界、まだまだ面白いものがたくさんあるんだから、早く慣れろよ、姫」
​フィレリアは、ショウマの言葉に、力強くうなずいた。
彼女の瞳は、希望に満ち溢れていた。
新たな旅は、始まったばかりだ。
そして、彼女は、ショウマと共に、この世界の全てを見て、感じていくのだ。
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