拉致られて箱庭掃除をやらされてます。~きっと犯人は闇の組織に違いない

那珂川

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そうだ!ダンジョン行こう!

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「イズムさんに聞いたんだけど、ゴーレムが150体出来たら、王国に仕掛けるみたいよ」

 魔道研究所で手伝いをしている坂下が他の勇者メンバーと共に朝食を摂りに食堂へ向かう道すがら話し出した。

「まぁ、キリがいいっちゃ~いい数字だな。今何体出来てんの?」

「私はゴーレム製造に関わってないから詳しくは分からないけど、前聞いた時は100体越えた~!って言ってたから今は130は出来てるんじゃないかしら?結構ハイペースで作ってるみたいだけど作ったら作動確認とかもあるだろうし」

 如月の質問に、坂下はそう答えた。

「まだ時間は掛かりそうだね。早く終わらせて陛下の憂いを取り去って差し上げたいよ」

「田代くんはガチで陛下に惚れてるねぇ。立花ちゃんのネタにされるよ?」

「え??惚れ??いや、違うよ!僕は惚れてるんじゃなくて、陛下を守りたくて……って、立花、その目は何?」

 陣野に指摘された田代は慌てて否定するが、傍目から見ても田代のアンドリュースに対する好意は溢れんばかりだった。

「いや~~~まさか田代がその道走っちゃうとはね~~ぐふふ」

「うわっ、出たよ腐女子!」

「如月はマッシモよね?どっちが攻めなの?」

 如月はあからさまに嫌な顔をする。
 確かに仲良くなった騎士のマッシモは美形だ。
 と言うより、この国は美形が多いのだが。
 しかし如月は柔らかい女の子が好きだ。
 最近は自分の部屋担当のミリアムに仄かな恋心を抱いている。

「立花、それ、ミリアムの前で言うなよ!」

「やっぱりね~~立花ちゃん、誘導ありがとう♡」

 陣野の言葉にまんまとハメられたことに気付いた如月は顔を真っ赤にする。

「なんだ、そういうことか。如月、応援するぞ」

「そうよ、私の部屋はカルーが居るし、自分のことは自分でするから侍女さんはついてないけど、立花ちゃんとこのジェシカさんはミリアムさんと仲良しだし協力してもらったら?」

「いいよ!だって伯爵令嬢だぞ?俺は召喚された勇者だけど、身分は平民じゃん!無理だよ!」

「おい、諦めるのか?」

「龍太郎だって諦めてんじゃん」

「は?」

「陛下のこと諦めて「だから違うって!」ふ~ん」

 ワチャワチャしながらも食堂に着いた四人はそれぞれ好みの食べ物を選ぶ。
 この食堂では田代達の記憶にある料理も出されている。
 まだ醤油を使った料理は無いが、少しずつ改良されているコジルを使った料理や目新しいお菓子等も作られる様になった。
 料理人達も田代達から聞いた料理に挑戦するのが楽しみであるし、未知なる『ショーユ』とコジルから作られようとしている『ミソ』に興味津々だった。

「醤油や味噌もどけど、カレーも食べたいよな」

 ボソリと如月が呟く。

「似た香辛料を幾つか市場で見付けたけど、カレー作るには全然足りないわよ」

「え?立花ちゃん、カレーのスパイス覚えてんの?」

 坂下の言葉に陣野と如月が驚き、サンドイッチを握り潰しそうになる。

「小学生の時に夏休みの自由研究でカレー粉とカレールーを題材にしたのよ。日本と他国のカレーの違いとか、香辛料の種類の違いとかね。だからある程度は分かるわ。でも日本で作られてたカレールーは研究に研究を重ねて日本人の口に合うように作られてるから、もしここで香辛料や調味料がほぼ集まったとしても同じ味は出せないわよ?」

「それでも食べたいなぁ。家に来ていたお手伝いさんは純和食に拘る人だったから、カレーはこっそりレトルトでしか食べたことないよ」

「マジか、龍太郎って意外に不憫だったんだな」

「不憫言うな!」

 顔をしかめた田代をネタに三人が笑っていると、マッシモや他の騎士達が食堂にやって来た。

「おはようさん」

「カケル、おはよう」

 如月の挨拶に、マッシモは満面の笑みを浮かべる。
 他の騎士達も勇者の面々に朝の挨拶をしている。
 田代達によって食堂のメニューが充実していることに騎士達も喜んでいた。
 結局マッシモは如月の隣に座り、他の騎士達もそれぞれ周りの席に着く。

 傍らではニヤニヤした坂下が居るが、その笑みに気付いているのは陣野と田代だけである。

「そういや、カケル達はダンジョンには行かないのか?」

 マッシモがコジル汁を一口飲んだ後に田代達に話し掛けた。

「ダンジョンがあるのは聞いてたけど、冒険者が行くんだろ?対人特化の騎士も行くのか?」

 田代達はある程度自由にさせて貰ってはいるが、その行動は全てタナトスに報告されており、遠方は勿論、市井に行く時も事前に確認しなければならない。
 それにダンジョンは冒険者が行くものと何となく決め込んでいたので、田代達としては行く予定は無かった。

「スタンピードって言って、時々ダンジョンの中の魔物の数が増えて溢れ出すことがあるんだ。街に近いダンジョンだと人々に被害が出るかもしれないから、騎士と冒険者ギルドが連携してそれに当たるんだよ。その為の訓練として俺達騎士もダンジョンに行くんだ。今回は俺達の師団の番でね」

 周りの騎士達がダンジョンの魔物、魔物を討伐した際に落とす物等を口々に話している。

「良ければカケル達も行かないか?いつ魔物に出会うかも分からないし、経験するのも良いと思うんだけど」

 ゴーレム製造完了までまだ期間があると先程話したばかりである。
 マッシモ達がダンジョンに潜る期間を聞くと、何とかイけるんじゃないかと田代達は思った。

 マッシモ達と別れ、田代達は早速タナトスへダンジョンに行きたいことを話すと、タナトスは「いいでしょう」と言う。

「陛下に確認しなくても大丈夫ですか?」

「余程の事でない限りは私が判断を任されていますからね。例えば光龍に弟子入りするなんてことは陛下に指示を仰ぎますけど」

 タナトスにウィンクされた田代はバツが悪そうな顔をする。

「怪我には気を付けて下さいね。ちゃんとポーションも持って行って下さい」

 そうにこやかに言うとタナトスは分厚い書類の束を持ってアンドリュースの執務室の方へ歩いて行った。

「驚いた。タナトスさんって結構お茶目なのね。立花ちゃんもそう思わない?………立花ちゃん?」

「尊い……」

「「「はい?」」」

「イケおじのウィンク!何て可愛いの!尊い!尊い!」

「うわぁ、立花ちゃんが壊れた」

「きっとあのウィンク、陛下にもしてるわよね??ぐふふふふふふ」

「あ、通常運転だった」



 それから二日後、田代達はマッシモ達とダンジョンに向かうことになった。


―――――――――――――――――――――

(。•́︿•̀。)「目にゴミが入りました」

(ㅎ.ㅎ )「どれ、余が見てやろう」


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