女神様から「お前は聖女だ、王都へ迎え」との信託を受けて王都にやってきたら500人目でした~聖女って私一人だけじゃないんですか!?~

白桃

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神官騎士

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「君が五百人目の聖女様だね?」

 翌日、言われたとおりに大聖堂へやってくると、案内された部屋には一人の神官が待っていました。
 年は三十代前半くらいでしょうか。
 立派な口ひげと、神官とは思えないような立派な体躯からすると彼は神官騎士かもしれません。

 神官騎士とは、神官の中でも武闘派で、癒やしの力だけで無く武の力を持つ戦士のような者たちだと聞いています。
 それだけ聞くと神に仕える身でありながら武力を振るう彼らは異常に思えるかもしれません。
 ですが、神官というのは世界各地に出向いて人々を救済する人たちです。
 なのでもちろん安全な所だけで無く危険な土地に出向く事も多く、そうなると癒やしの力しか持たない神官では自らの身すら守ることが出来ないわけで。

 そういう土地に向かう場合、武の力も併せ持つ神官騎士が出向くか、もしくは神官騎士と共に他の神官が出向く事になるわけです。

「五百人目ですか?」

「ああ、君でちょうど五百人目の聖女様だ」

 多い多いと聞いていましたが、まさか既に五百人もの聖女がこの王都にやって来ているとは驚きです。
 昨日も私の後にかなりの人数の聖女が町を訪れたとも聞いています。
 いったいこの先何人まで聖女が増えていくのでしょうか。

「君も大体察している通り、大勢の聖女様が同時に訪れたおかげで我々教会側も、王国側も今はかなり混乱している」

「わかります。私も混乱しています」

「なのでかなりの不便や迷惑を掛けることになるかもしれない。先に謝罪させて頂く」

 そういって神官騎士は片手を胸に当て頭を下げました。
 神官式の礼というやつでしょう。

「いえ、こちらこそご迷惑をおかけするかもしれません」

 私も慌てて彼を真似て頭を下げます。

「本来なら聖女様には様々な公務を行って貰うために、その演習などを行って貰うのですが」

 神官騎士は少し言いづらそうにしながら続ける。

「なにせ既に五百人もの聖女様がいらっしゃる状況では一人一人に時間を掛けるわけにもいかず」

「気にしないでください」

「そういうわけでして今は上層部の決定待ちに近い状況なのです」

「ということはしばらくは指示待ちということですか?」

「自由に王都を散策してもらっていても良いですし、この大聖堂の中で行われる訓練や授業に参加して貰ってもかまいません」

「訓練ですか?」

「ええ。礼儀作法から武術、魔法訓練などを行っております。ただし、現状だけで五百人もの聖女様がいらっしゃるので訓練や授業によっては既に定員になっていて参加できない物も出てきております」

 いくら大聖堂が大きく、世界中の信者たちが訪れ神学などを学ぶように作られているとは言っても限度があるということでしょう。
 私はその後、神官騎士から詳しい話を聞くと試しに授業へ参加するために大聖堂の奥へ向かったのでした。
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