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浮遊城の廊下。
いつものように、任務後の戻りでクリスと並んで大広間に向かって歩いている。
だが、一瞬にして辺りは炎に包まれた。
「クリス!」
「きみは、本当にラディアントでもっとも生真面目な男だよ」
轟音と共に、柱が折れ、火の粉を巻き上げて天井が崩れ落ちた。
だが、クリスは笑ってそこに立っていた。
これは、浮遊城が落ちる前の?
しかし自分は、その時、ダイアナの飛竜で移送されていた……?
ミスティは、混乱する。
しかし気付くと、周囲の様子は変わっている。
──ここは、クリスの私室?
その場所を、ミスティは知っていた。
騎士に割り振られた、プライベートルーム。
口づけを交わした日から、自分が再生するたびに、クリスは部屋にミスティを誘った。
──ここで過ごす時間は、苦手だったな……。
クリスに抱かれた自分が、鼻にかかった甘い吐息を零すのも。
任務で負ったが、既に存在しない傷跡をなぞられるのも。
全てが、不快だった。
覆い被さるクリスを睨んで、ミスティは何度目かの同じ言葉を告げる。
「顔をあまりジロジロ見るな」
この言葉に、クリスもまたいつも同じ言葉を返してきた。
「……そんな顔もするのかと思うと、見逃せなくてな」
笑うクリスの顔は、冷やかすでもなく、どちらかといえば優しい色を含んだ微笑みだった。
だが、生理的にあふれる涙を、そんな顔で見つめられるのが、どうにも身の置きどころがなく、居心地が悪くて。
「こんなのは、ただの生理現象だろう。そんな姿を見られるのは、不愉快だ」
「俺は、そういうきみが好きだぜ、ミスティ。変わらないでいてくれ」
笑うクリスの顔は、どこか優しげだった。
だが、その優しさの意味が分からず、ミスティは視線を逸らした。
──なぜ、そんなふうに見つめる?
物珍しげに見られる方が、まだマシだ。
一方的な "欲の処理" のために部屋に招かれているはずなのに、なぜそんな顔をされるのかが分からない。
そして、分からないものは、いつだってミスティにとって "怖い" ものだった。
理解できない優しさほど、居心地の悪いものはない。
クリスの声が、遠くなり、ミスティの視界は再び暗転した。
いつものように、任務後の戻りでクリスと並んで大広間に向かって歩いている。
だが、一瞬にして辺りは炎に包まれた。
「クリス!」
「きみは、本当にラディアントでもっとも生真面目な男だよ」
轟音と共に、柱が折れ、火の粉を巻き上げて天井が崩れ落ちた。
だが、クリスは笑ってそこに立っていた。
これは、浮遊城が落ちる前の?
しかし自分は、その時、ダイアナの飛竜で移送されていた……?
ミスティは、混乱する。
しかし気付くと、周囲の様子は変わっている。
──ここは、クリスの私室?
その場所を、ミスティは知っていた。
騎士に割り振られた、プライベートルーム。
口づけを交わした日から、自分が再生するたびに、クリスは部屋にミスティを誘った。
──ここで過ごす時間は、苦手だったな……。
クリスに抱かれた自分が、鼻にかかった甘い吐息を零すのも。
任務で負ったが、既に存在しない傷跡をなぞられるのも。
全てが、不快だった。
覆い被さるクリスを睨んで、ミスティは何度目かの同じ言葉を告げる。
「顔をあまりジロジロ見るな」
この言葉に、クリスもまたいつも同じ言葉を返してきた。
「……そんな顔もするのかと思うと、見逃せなくてな」
笑うクリスの顔は、冷やかすでもなく、どちらかといえば優しい色を含んだ微笑みだった。
だが、生理的にあふれる涙を、そんな顔で見つめられるのが、どうにも身の置きどころがなく、居心地が悪くて。
「こんなのは、ただの生理現象だろう。そんな姿を見られるのは、不愉快だ」
「俺は、そういうきみが好きだぜ、ミスティ。変わらないでいてくれ」
笑うクリスの顔は、どこか優しげだった。
だが、その優しさの意味が分からず、ミスティは視線を逸らした。
──なぜ、そんなふうに見つめる?
物珍しげに見られる方が、まだマシだ。
一方的な "欲の処理" のために部屋に招かれているはずなのに、なぜそんな顔をされるのかが分からない。
そして、分からないものは、いつだってミスティにとって "怖い" ものだった。
理解できない優しさほど、居心地の悪いものはない。
クリスの声が、遠くなり、ミスティの視界は再び暗転した。
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