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ダスクの誘導で、ミスティは廊下を走った。
拘束されていた所為で少しぎこちないが、ネクシオンの再生力のおかげでダスクの後を問題なく追っていける。
廊下は暗く、相変わらず警告灯が音もなく点滅を繰り返していた。
「警備の魔導無人機もいないのか?」
「マギア炉を乗っ取られかけていて、警備に回せる魔力が充分にないんだろう」
廊下を進み、先に様子を見たダスクが角の先へと行く。
後を追ったミスティは、廊下に人影が出てきてギョッとなり、立ち止まった。
「タイド……」
「この先の非常脱出口は、もう使えないぞ」
言い回しに疑問を抱き、自分を守るように立っていたダスクの前に、ミスティは歩み出た。
「僕を……捕らえにきたのか?」
「いや……」
タイドは、少し迷うような顔で視線を落とした。
「私はずっと、きみを魔物……ネクシオンだと、思うように努めてきた」
「僕はネクシオンだ」
ミスティは、言い淀まなかった。
タイドは、ハッとしたようにこちらを見る。
だが強く、まっすぐに見つめ返すミスティの視線に、後ろめたさを感じたように視線をそらす。
「だが……きみにも感情はある。尊厳も……あるべきだろう……」
視線を上げ、タイドは半歩前に出た。
「きみの細胞は、他の人間には見られない異常な再生能力を持っている。免疫系、神経伝達物質、細胞複製過程……その一部でも解析できれば、騎士団長の蘇生計画に道が開ける。今の医学では到達できない "修復と維持" のメカニズムが、そこにはある」
「だから、なんだ?」
「きみの存在のおかげで、人間はこの戦いを切り抜けた。だが、魔人だとてこのまま黙ってはいないだろう。戦火は再び起こる。その時、あの人は絶対に必要なんだ」
ミスティは、レスタークの伝説しか知らない。
しかし、レスタークを慕い、彼の復活を望む者がレフュージを立ち上げ、50年もの間、彼の復活を願っている。
その事実に、ミスティの気持ちは揺れた。
「きみが進んで、サンプルの提供をしてくれるなら、私たちはもっと協力しあえると思わないか?」
ミスティがほんの一歩を踏み出そうとした瞬間、ダスクの手が彼の肩に鋭く絡んだ。
その力には、怒りと、そして必死の願いが込められていた。
「おい、ミスティ! 自分が一体どんな目に合わされたのか、忘れたのかっ!」
それからダスクは、きつい視線をタイドに向けた。
「貴様、レフュージに散々サンプルを流していたんだろう? ミスティを拉致監禁して、どうせ殺すようなことも何度もしたんだろう? 人道的? 協力? 耳障りの良いご都合主義なことばかり言うな!」
「嘘じゃない! 私は本当に、彼の扱いには腹が立っていた! そうじゃなければ、わざわざきみたちが逃げやすい状況を作ったりはしなかった!」
激昂するダスクに、ミスティは考えを改めた。
ダイアナにも、シェイドにも、そしてダスクにも。
自分は最初から、危機感が薄いと叱責され続けていたのに。
それを無視して、結局は虜になった。
今また、自分は道を間違えそうになったのだ。
「ダスク、怒ってくれてありがとう。タイド。悪いが、協力は出来ない」
ミスティの答えに、タイドの顔は絶望に歪む。
「どうしてもか?」
「僕は、この不死身の理由を探求するには、人間の理性はまだ足りないと考えている。不死を手にするには、人間はまだ幼稚だと……」
タイドは口を開きかけた。
その声は震えていたが、熱を帯びていた。
「待ってくれ……話を聞いてくれ——」
だが、その言葉は、一発の銃声によって無慈悲に断ち切られた。
拘束されていた所為で少しぎこちないが、ネクシオンの再生力のおかげでダスクの後を問題なく追っていける。
廊下は暗く、相変わらず警告灯が音もなく点滅を繰り返していた。
「警備の魔導無人機もいないのか?」
「マギア炉を乗っ取られかけていて、警備に回せる魔力が充分にないんだろう」
廊下を進み、先に様子を見たダスクが角の先へと行く。
後を追ったミスティは、廊下に人影が出てきてギョッとなり、立ち止まった。
「タイド……」
「この先の非常脱出口は、もう使えないぞ」
言い回しに疑問を抱き、自分を守るように立っていたダスクの前に、ミスティは歩み出た。
「僕を……捕らえにきたのか?」
「いや……」
タイドは、少し迷うような顔で視線を落とした。
「私はずっと、きみを魔物……ネクシオンだと、思うように努めてきた」
「僕はネクシオンだ」
ミスティは、言い淀まなかった。
タイドは、ハッとしたようにこちらを見る。
だが強く、まっすぐに見つめ返すミスティの視線に、後ろめたさを感じたように視線をそらす。
「だが……きみにも感情はある。尊厳も……あるべきだろう……」
視線を上げ、タイドは半歩前に出た。
「きみの細胞は、他の人間には見られない異常な再生能力を持っている。免疫系、神経伝達物質、細胞複製過程……その一部でも解析できれば、騎士団長の蘇生計画に道が開ける。今の医学では到達できない "修復と維持" のメカニズムが、そこにはある」
「だから、なんだ?」
「きみの存在のおかげで、人間はこの戦いを切り抜けた。だが、魔人だとてこのまま黙ってはいないだろう。戦火は再び起こる。その時、あの人は絶対に必要なんだ」
ミスティは、レスタークの伝説しか知らない。
しかし、レスタークを慕い、彼の復活を望む者がレフュージを立ち上げ、50年もの間、彼の復活を願っている。
その事実に、ミスティの気持ちは揺れた。
「きみが進んで、サンプルの提供をしてくれるなら、私たちはもっと協力しあえると思わないか?」
ミスティがほんの一歩を踏み出そうとした瞬間、ダスクの手が彼の肩に鋭く絡んだ。
その力には、怒りと、そして必死の願いが込められていた。
「おい、ミスティ! 自分が一体どんな目に合わされたのか、忘れたのかっ!」
それからダスクは、きつい視線をタイドに向けた。
「貴様、レフュージに散々サンプルを流していたんだろう? ミスティを拉致監禁して、どうせ殺すようなことも何度もしたんだろう? 人道的? 協力? 耳障りの良いご都合主義なことばかり言うな!」
「嘘じゃない! 私は本当に、彼の扱いには腹が立っていた! そうじゃなければ、わざわざきみたちが逃げやすい状況を作ったりはしなかった!」
激昂するダスクに、ミスティは考えを改めた。
ダイアナにも、シェイドにも、そしてダスクにも。
自分は最初から、危機感が薄いと叱責され続けていたのに。
それを無視して、結局は虜になった。
今また、自分は道を間違えそうになったのだ。
「ダスク、怒ってくれてありがとう。タイド。悪いが、協力は出来ない」
ミスティの答えに、タイドの顔は絶望に歪む。
「どうしてもか?」
「僕は、この不死身の理由を探求するには、人間の理性はまだ足りないと考えている。不死を手にするには、人間はまだ幼稚だと……」
タイドは口を開きかけた。
その声は震えていたが、熱を帯びていた。
「待ってくれ……話を聞いてくれ——」
だが、その言葉は、一発の銃声によって無慈悲に断ち切られた。
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