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クレイドルが壊れる轟音に驚いたラファエルとタイドは、手を止めた。
ミスティの一撃は黒い稲妻となって奔り、クレイドルの向こうの魔導路を埋め込んだ壁や天井をも切り裂いていった。
「いかん! いかん、いかん、いかん! 騎士団長が! レスターク様が失われてしまう!」
叫びながら、ラファエルは、割れかけたクレイドルを素手で押さえ込んだ。
タイドは、呆然と立ち尽くしている。
ミスティは、クレイドルに魔力を送っていた魔導路の走る壁へと、次なる一撃を放とうとした。
それが、この狂った執念を止める最後の手段だと信じて──。
「やめろっ!」
それに気付いたタイドが叫んだが、ミスティは容赦なく壁を切り裂いた。
「よせ、爆発したらどうする?」
「逃げろ、ダスク!」
ミスティの体は、一般的な人間の数倍も早く再生するが、撃たれた傷が数秒で戻るほどの速度ではない。
太ももの血管を撃たれ、大きな魔力波を数度放って疲労している体では、ダスクの足手まといにしかならないだろう。
そう判断して、ミスティはダスクに逃げろと言ったのだが。
「俺は、もう二度ときみを見殺しにはしたくないんだ……」
ダスクは、ミスティに肩を貸し、立ち上がらせる。
「よせ、間に合わなくなるぞ。僕なら……」
「死なない……か? それで一体、きみは俺に何回 "英雄殺し" をさせるつもりだ」
ダスクの発言に、ミスティは混乱する。
──目の前の男は、一体誰だ……?
背後では、炎が回って手がつけられなくなっていて、その中でラファエルが狂ったように叫んでいる。
ほとんど歩くこともままならないミスティを連れていたダスクが、よろめいた。
が、それをタイドが支える。
「タイド……?」
「こっちに、秘密の脱出路がある。来い……」
「……なぜ?」
「……きみの言うとおりだよ、ミスティ。レスターク様は、やはりこんな風に甦ることを望まなかったんだ」
タイドの導きで廊下を進むと、行き止まりにしか見えない場所へと案内された。
「行き止まりじゃないか」
「そうみせかけているだけだ」
突き当りの壁にタイドが手を当てると、無機質な壁に淡い魔光が走り、刻まれた紋が静かに浮かび上がった。
ミスティの一撃は黒い稲妻となって奔り、クレイドルの向こうの魔導路を埋め込んだ壁や天井をも切り裂いていった。
「いかん! いかん、いかん、いかん! 騎士団長が! レスターク様が失われてしまう!」
叫びながら、ラファエルは、割れかけたクレイドルを素手で押さえ込んだ。
タイドは、呆然と立ち尽くしている。
ミスティは、クレイドルに魔力を送っていた魔導路の走る壁へと、次なる一撃を放とうとした。
それが、この狂った執念を止める最後の手段だと信じて──。
「やめろっ!」
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「よせ、爆発したらどうする?」
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ミスティの体は、一般的な人間の数倍も早く再生するが、撃たれた傷が数秒で戻るほどの速度ではない。
太ももの血管を撃たれ、大きな魔力波を数度放って疲労している体では、ダスクの足手まといにしかならないだろう。
そう判断して、ミスティはダスクに逃げろと言ったのだが。
「俺は、もう二度ときみを見殺しにはしたくないんだ……」
ダスクは、ミスティに肩を貸し、立ち上がらせる。
「よせ、間に合わなくなるぞ。僕なら……」
「死なない……か? それで一体、きみは俺に何回 "英雄殺し" をさせるつもりだ」
ダスクの発言に、ミスティは混乱する。
──目の前の男は、一体誰だ……?
背後では、炎が回って手がつけられなくなっていて、その中でラファエルが狂ったように叫んでいる。
ほとんど歩くこともままならないミスティを連れていたダスクが、よろめいた。
が、それをタイドが支える。
「タイド……?」
「こっちに、秘密の脱出路がある。来い……」
「……なぜ?」
「……きみの言うとおりだよ、ミスティ。レスターク様は、やはりこんな風に甦ることを望まなかったんだ」
タイドの導きで廊下を進むと、行き止まりにしか見えない場所へと案内された。
「行き止まりじゃないか」
「そうみせかけているだけだ」
突き当りの壁にタイドが手を当てると、無機質な壁に淡い魔光が走り、刻まれた紋が静かに浮かび上がった。
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