異世界就職!?

pさん

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第一章 ー始まりー

才能無しの可能性。

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しばらく休憩した後、俺達は訓練を再開した。

ティアのアドバイスもあり、さっきよりかは動きもマシしになったと思う。

俺はまた何度も何度も吹っ飛ばされ、それでも何度も何度も立ち上がった。

それから何時間か経ち、太陽も真上までのぼった時、レイナが俺達を呼びに来た…。


「ミツキ様、ティア様、昼食のお時間ですよ。」


俺が一瞬気を取られた隙に、ティアから重い一撃を貰った…。


「ヴッ…。」


俺は後方にコロコロと転がった…。


「大丈夫ですか?ミツキ様!」


レイナが心配そうに走って来た。


「だ…大丈夫です…。」

俺が立ち上がろうとした時、ティアさんがまた治癒魔法をかけてくれた。


「すいません、私が声をかけるタイミングを間違えたせいで。」


レイナさんは申し訳なさそうに言った。


「いえ!今のは俺が油断しただけなので、お気になさらないで下さい!」

(あーカッコ悪いとこ見せちゃったな…。)

俺は両手と首を振りながら言った。

「そうですよレイナ、今のはミツキ様ご自身のせいです、あなたが気に病む必要はありませんよ。」

ティアは、レイナさんにそう言うと、俺に手を伸ばしてくれた。

「ありがとうございますティア。」

「どういたしまして、ミツキ様。」

俺はティアの手をとり、立ち上がってから服に付いた汚れを落とした。

俺が汚れを落とすと、レイナさんが何だか不機嫌そうに、俺を見ていた…。

(あ…れ?…俺何かしたかな…?)

「ど…どうしました?レイナさん…。」


レイナさんは、ムスッとした表情で言った…。

「レイナ…。」

「へっ…?」

俺は思わず固まった…。

「ですから!私の事もレイナとお呼び下さい!」


「はっ…はいぃ!レイナ!」

俺はあまりの迫力に驚いてしまった。

「ありがとうございますミツキ様。今後ともよろしくお願いします!」


「は…はい…こちらこそ…。」

レイナは機嫌を取り戻した…。

ティアは一連の出来事を見てクスクスと笑ってた。


(…………。)


「ミツキ様、本日の訓練はここまでです。レイナも、一緒に戻りましょうか。」


ティアはまだ放心状態の俺の肩をポンっと叩くと、クスッと笑って、レイナと楽しそうに話しながら歩いて行った。


「……おっと。」

俺も気を取り直し、2人の後を追った。



しばらく後、昼食を取り終え、俺とティアとディーアさんで食後のお茶を飲んでいた。


『どうだいミツキ君?ティアは凄く強かっただろう?』


「えぇ、ものすごく強いです、俺の攻撃は一回も当たりませんでしたし。」

ディーアは笑いながら自慢そうに話してた。

『それでティア、ミツキ君はどうかね?』

ティアは、飲んでいたカップをテーブルに置いてから言った。

「そうですね…筋はいいです。飲み込みも早い方なので、思ったよりも早く仕上がりそうです。」

俺は意外だった。
まさか、褒められるとは思ってもみなかった。

(なんだか嬉しいな…。)

「でも…。これと言った才能はありませんね、色んな声を出す以外は。」

(うん、もう誰も信じない事にしよっと。)

俺はカップを片手に微笑みながらそう思った。

ディーアさんは話を聞いて今にも大爆笑しそうだ。

『まぁ落ち込む事はないさ、ティアはこれまで何人か鍛えてきたけど、筋がいいなんて、私は初めて聞いたよ。』


俺はティアさんの顔を見た…。
ティアさんはカップを手に取り少し照れ臭そうにお茶を飲んだ。

(よし!明日も頑張るぞー!!)

俺はまた、信じる心を取り戻した。


『そうだミツキ君、午後からの授業は君の部屋でやるからね。』


(そうか、午後は勉強だったっけ。)

「はい、よろしくお願いします先生。」


『よろしい、ビシバシ叩き込むから覚悟しときなよ?あぁそれと、飲み終わったら、そこの椅子を部屋まで上げてくれないか?その後はそのまま部屋で待機ね。』


「はい、分かりました。」


俺はお茶を飲み終わり、椅子を持って部屋へと戻った。
机をベットから少し離して、椅子を並べ、座りながら待った。
すると間もなくガチャっと扉が空いて、ディーアさんと何冊か本を持ったレイナが部屋に入って来た。

『やぁ、お待たせ。あぁレイナ、本は机の上でいいよ。』


「はい、旦那さま……それでは失礼します。」


『さてと、これより授業を始めるよ。今日、君に教えるのは、魔法と魔力について。』


「はい、よろしくお願いします先生。」


『よし、良い返事だ、じゃあまず、椅子を横にして私と向き合ってくれるかな。』


俺は言われた通りにし、ディーアさんと向き合って座った。

『まずは、魔力について教えるよ、両手を出して。』

「こう、ですか?」

俺はディーアさんに両手を伸ばした。
すると、ディーアさんは俺の両手を握って言った。

『いいかい?これから私が君の中にある魔力を回すよ?』

(回す???)

すると突然、身体の中にナニかが入ったり出たりするのを感じた。


「おぉ……。」


『どうだい?何か感じるかい?』


(なんか不思議な感覚だ…。)

「はい、ナニかが入ったり出たり?」

俺はなんだか、力が入ったり抜けたりするような変な感覚になっていた。


『よし、じゃあそのまま目を閉じて、集中してみてくれ。』

俺は言われた通りに目を閉じ、身体の中へ集中してみた。

(……これは。)

『どうかな?さっきより感じるかい?』


今ならはっきりわかる、透明な気のようなものが俺の左手から入って、身体を巡り、右手から抜けていっている。


「はい、左手から入って、右手から出て行っている感覚です。」


すると、この不思議な感覚が止まった。


(あっ、止まった。)

俺は目を開けた。

すると、驚いた顔をしたディーアさんが手を握ったまま俺を見ていた。


「そんなに見つめてどうしたんですか?」


俺は首を傾げた。



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