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第一章 ー始まりー
一難去ってまた一難
しおりを挟む朝がやってきた。
今日も相変わらずいい天気だ…。
俺はいつものように窓を開けて風を感じる。
(この風と景色にも慣れたなぁ…)
あれから部屋には本棚と、沢山の本、そしてノート。
それから木剣と防具、そして弓一式。
(最初ここに来た時とは大違いだ…。)
コン コン コン。
「ミツキさーん。」
いつものように、レイナが起こしに来た。
「はーい、起きてまーす。」
俺は返事を返して、弓と矢筒を担いで下に降りた。
用を足し、顔を洗い、歯を磨く。
ちなみに歯ブラシも錬成した、木材で形を作り、前に使っていた歯ブラシもどきの茎をブラシとして利用したのだ。
(あの時は皆んな凄く喜んでたな。)
それからディーアとティアと朝食を取り、俺と師匠は訓練場へと向かった。
「今日から、弓術の訓練をはじめます。」
「よろしくお願いします!師匠!」
俺達は挨拶を済ませ、訓練を始めた。
「ミツキ、あそこに魔法で壁を作ってくれませんか?」
ティアが少し離れたところを指差して言った。
「はい、任せて下さい!」
俺は言われた取り、土属性で壁を作った。
「アースウォール」
イメージは、矢が折れないように、柔らかめな感じだ。
ティアは壁に近づき、手で触って確認している。
「お見事です、では使い方から教えます。」
俺は、師匠から弓の使い方を教わり、実際に放ってみた。
だが、矢は真っ直ぐと言うより弧を描いてかべに当たった。
(あれ?イメージでは真っ直ぐズドーンって感じだったんだけど…。)
すると、ティアが教えてくれた。
「弓はもともと、食料調達の為に作られたものです、しかし、使い方によっては対人、対魔物にも有効です。」
そう言って、ティアは弓を構え、魔力を流した。
「バーストショット」
ズドーン…
ティアの放った矢は、俺のイメージ通りに真っ直ぐ飛び、壁にめり込んだ…。
「師匠…すげぇ…。」
俺はめり込んだ矢を見て固まっていた。
するとティアが、コツを教えてくれた。
「いいですか、コツは弓本体に魔力を少し流して、強化を行います。それによってより強靭なしなりを得ます、そして矢にも魔力を流し、鋭くをイメージして下さい。後はそれらをまとめてバーストショットです。」
(そうか、理解しなければ魔法は発動しないんだっけ…。)
「よし、やってみます!」
俺は言われた通りに、弓を構え、魔力を流した。
(強化…)
次に矢を構え魔力を流して…。
(鋭くもイメージして…)
「バーストショット!」
ズバーン!!!
放った矢は風を切り裂き、壁に大きな穴を開け突き抜けていった。
「あ…。」
(魔力強すぎたぁー!!)
ティアも少し驚いているみたいだった。
「今の攻撃を食らった者は木っ端微塵ですね。」
「はい…気をつけます。」
俺は気を取り直して、壁を修復した。
それから何度も矢を放ち、コントロールはどうにか出来るようになった。
「ふぅ~」
コントロールにはかなりの神経を使った。
「いいでしょう、ちなみに、慣れればこのような事もできます、見ていて下さい。」
ティアは、矢を持たずに弓を構え、弦を引いた。
「ファイヤーショット」
すると、火の矢が現れ、そのまま放った。
「おぉー、さすが師匠!」
俺は思わず手を叩いた。
「ミツキ、これは基本の一部ですよ。」
ティアは少し呆れた顔をでそう言った。
(弓を魔力で強化して保存し、魔法にだけ意識をしたのか…。確かにこれなら一度に気を使わなくていい分、集中しやすい…)
「なるほど、俺もやってみます!」
それからまた、何度も何度も練習し、レイナが呼びに来たところで今日の訓練は終了した。
(魔法の具現化はいいんだけど、矢としての物質化がまだ難しいな…。と言う事は、まだ矢を完全に理解してないと言う事か…。)
俺は、昼食と取りながら色々と考えていた。
(矢の本体に魔法を使うか?いや、実物だから燃えて無くなるか…)
(だとしたら…やる事は一つだな…よし!)
俺はさっさと残りの飯を食べ、ディーアとティアが先に行った部屋へお茶を飲みに行った。
俺は、早速ティアにお願いしてみた。
「師匠、明日、矢の作り方を教えてくれませんか?」
「構いませんよ、材料もありますし、元々教えるつもりでしたから。」
(よし、実際に作って理解すれば、上手く行くはずだ。)
「ありがとうございます師匠!」
俺がティアにお礼を言うと、横からディーアが不気味な笑い声を出しながら入って来た。
『ミツキ君は素晴らしいやる気だね。私達は今日から医学だよ、フッフッフッ…』
(怖…。)
「よろしくお願いします…先生…。」
それからしばらく休憩して、ディーア先生と俺は、授業を始めた。
そして、ここから、俺の地獄の1年が始まったのだ…。
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