異世界就職!?

pさん

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第一章 ー始まりー

魔力解放

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その瞬間、身体中が燃えるように熱くなった。

俺は声の限り叫んだ。

「わぁああ!!!!!!!」

(熱い…このままじゃ…)

俺は必死で魔力操作を行う。

(せめて、横への拡散は防がないと…)

魔力はどんどん強くなる。

(熱い…まるで地獄だ…)

魔力は第2波を放つ様に、一気に強くなった。

「があぁぁあ!!!!!!」

魔力は勢いよく上に漏れ出し、雲を突き抜けるほどの光の柱を作る…。

(ヤバい…意志…が…遠く…)

………。










(あれ…ここは一体……)






気づいたら、俺は白い宇宙に浮いていた…。



(俺は…失敗したのか……)



俺は、何処へ行く訳でもなく、ただ漂っていた。




(ディーア達は無事だろうか…)




あの世界の思い出が蘇る…




(貰ってばっかで……何もあげられなかった…)




すると、俺の知らない記憶が入ってきた。




(どこだ、ここ。)




人々が俺に祈っていた。




(ここは…神社かな…)




何人も何人も祈りに来ていた。




(飽きもせずに…)




場面が火の海に変わった。




(熱い…誰かいないのか…)




すると、ボロボロの男が足を引きずりながら近づいてくる。




(誰だ…ここにいたらお前も…)




男は何か囁きながら、微笑んで抱き上げた。




(助けに…来たのか…)




男が外に出ようとしたとき、神社が崩れた。




(危ない!!)



俺は咄嗟に空間魔法で防御した。



(ギリギリで間に合った…あれ?この記憶って)

俺は白い宇宙に戻された。



『そう、あれは過去の私の記憶…』



「あなたは!!」



目の前には美しい女神が居た。



『私は時空の女神、あなたはあの者の子孫ですね。』



女神は優しく問いかけた。




「はい。柏手 三木かしわで みつきと言います。」




俺が、自己紹介をすると、女神様は涙を流した。



『そうですか…無事だったのですね…本当に良かった。』


俺は、その涙に大きな優しさを感じた。



「女神様のおかげです、先代の代わりに私からお礼を言わせて下さい。本当にありがとうございました。」

俺は、深々と頭を下げた。



『ありがとう、どうか頭を上げて下さい。』



「はい。」



俺が頭を上げると、女神様は素敵な顔で笑ってくれた。

凄く綺麗な人だと思った。
俺は、女神様に質問してみた…。


「あの、ここは何処なんでしょうか?」



『ここは、私の魔力の中です、そして私はその一部。』



どうやら、俺はまだ死んではいないようだ。
なら俺は…。



「女神様、俺は戻らなくてはいけません。」




『あなたには、戻る理由があるのですね?』



きっと、この女神様は過去の女神様だ。



「はい、俺にも、以前の女神様のように守りたい者達が居るのです。」


女神様はどうやら、悟ったらしい…


『いいでしょう、私の使命も果たせましたし、私もあなたと共に、新しい世界へ行きましょう。』


そう言って、女神様は、俺を優しく抱きしめてくれた。


…………………。




(あれ?今度は真っ暗だ…)

気づけば俺は、暗闇に居た。

(あっ…体が動かない…)

すると、名前を呼ぶ声が聞こえた。

「ミツキ!しっかりしろミツキ!」

誰かが体を揺すっている…

(痛い痛い痛い痛い…)

俺は、そっと目を開けた。

『おぉ、ミツキ!無事だったか!』

「良かったです…本当に…」

「弟子が師匠より早く死ぬのは許しませんよ。」

そこには、大喜びのディーアと、泣いているレイナ、安心した顔のティアが居た。

「やぁ…ッ!!」

(体中の骨が砕けたみたいに痛い…)

でも、俺はどうやら生き残れたみたいだ。

『全く、君と言う人には驚くばかりだよ。』

ディーアが微笑みながら言った。

『今、傷を治してあげるからね、ティア、手伝ってくれるかい?』

「はい、ご主人様。」

ディーア達は2人がかりで治癒魔法をかけてくれた。

(あぁ、温かい…傷が消えていくのがわかる。)

そして、あっと言う間に元に戻った。


「ありがとうございます、心配かけてごめんなさい。」

俺は正座して、謝った。

『無事で何よりだよ、それに上手くいったみたいだね。』

「弟子の過ちを許すのも師匠の勤めですから。」

「無事でよかった。これからは無茶したらだめですよ。」

俺は、皆んなに心から感謝した、気づけばもう夕方になっていた。

『とりあえず、家に戻ろうか。ゆっくりしながら話をしよう。』

「はい。」

俺は、立ち上がろうとしてよろめいた。

「おわっ…」

すると。ディーアとティアが咄嗟に受け止め、肩を貸してくれた。

「ありがとうございます…」

『本当に君って奴は…』

「弟子として、よくやりました。」

俺達は、4人で家まで歩いた。


俺とディーアとティアは、部屋で夕食が出来るのを待っていた。

「すぐ、夕食を準備しますので、先にお茶と菓子をいただいてて下さい。」

そう言ってレイナがお茶と菓子を持って来てくれた。

俺達は、お礼を言って、お茶を飲みながら先程の話をした。

『まさか、時空の女神に会ったとは…。』

ディーアは凄く驚いていた。

『君はあの時、魔力に呑み込まれ、爆発寸前で耐え続けていたんだ。私はすぐにティア達のところへ行って様子を見ていたんだよ。』

話を詳しく聞くと、俺はずっと叫び続けていたらしい、ディーアも何とかしようとしたが、あまりの魔力の強さに、近づくこともできなかったそうだ。
そして、第二波が来たとき、白い光の柱が現れ、俺の身体を包んだ、それから2時間、中も確認できず、ただ見守る事しか出来なかったそうだ。

『いやぁ、叫び声が聞こえなくなってから、正直もうダメかと思ったよ。』

その後、ようやく白い光の柱が消えて、全身ボロボロの俺が倒れていたそうだ。

「そんな事になってたんだ…。」

(本当に、何で生きていたのか不思議になってくる…。)

すると、ティアがディーアに真剣な顔で言った。

「ご主人様、そんな話よりも…」

『あぁ、そうだった。ミツキ君、君に大事な話しがある。』

ディーアの顔が真剣になった。

「はい、何でしょうか。」

『君が放った白い光の柱は、恐らく大勢の者が見ただろう、あんな量の魔力を見れば必ず各国が動き、遅かれ早かれここに調査にくる。』

(なるほど、正体を調べる為か…)

「なら、もうこの家には長いこと戻れそうにないですね。」

『あぁ、でも問題はそれだけじゃない。もし、あの魔力の正体が君だと気づかれれば、必ず君を捕まえるか討伐されるか、下手をすれば、君1人相手に戦争だってあり得る。』

「えっ……。」

俺はまさかの言葉に固まった。

『いいかい、君はそれだけの力を手に入れてしまった。君の事をしらない者からすれば君は世界の脅威なんだ。だから絶対にこの事を知られてはいけないよ。あと、魔力を使う時も必ず細心の注意を払うんだ、いいね?』


「はい…気をつけます。」

俺は縮こまってしまった…まさかこんな事になるなんて思いもしなかった。
でも、今思えば、この為のこれまでだったと考える事もできる、空白様が言った上司がディーアで本当に良かったと心から思った。

俺がそんな事を思っていると、ディーアが凄みながら言った

『そ れ と 。』

「はい!!!」

(まだ、あるのか…)

『今の君は、魔力を完全には消せていない。まるで私は魔王だと言わんばかりに周囲に漏れている。』

(え?そんなに漏れてるの?)

俺は目を閉じ、魔力を見つめた…

「本当だ…これはまずいですよね…」

コントロールは出来てはいるんだが…まるでオーラのように漂っている…

『いいかい、魔法陣を応用して、古代文字で術式を作るんだ、やり方は分かるよね。』

(なるほど、その手があったか…)
「はい!大丈夫です、やってみます!」

俺は魔力感知を応用し、分解、反転、そしてダイヤルを組み込み、術式を構築した。

「どうでしょうか?」

『どれ、魔力感知。』

ディーアの目の色が変わった。

『うん、これなら大丈夫だ、私の魔力感知に反応すらしないなんて…やっぱり君は興味深いよ。』

「ふぅ~よかった。」

ディーアからのOKが出たなら安心だ、後は言われた通り、あまり目立たないようにしよう。

「みなさーん!夕食が出来ましたよー!」

レイナは奥から顔を出して笑顔でいった。


それから皆んなで、レイナの最後の夕食を食べた。
当分は会えなくなるからと、レイナはご馳走を用意してくれたのだ。

本当に、どれもこれも美味しかった。
俺はまた、みんなで食べれる日がいつか来るように祈りながら頂いたのだった。

食べ終わった後、皆んなで片付け、お互いに手伝いながら、明日の旅立ちの準備をした。

荷馬車は貰って構わないと言われたので、俺はレイナに譲ると言ったら、凄く喜んでいた。それからレイナの荷物を荷車に乗せ、雨が降っても大丈夫なように、錬金術で屋根を作った。

俺の部屋にある本の事をディーアに聞くと、荷物になるから貰ってくれと言う事だったので、俺が考えた空間魔法ルームで、俺個人の空間の部屋を作り、そこに収納した、その後、思い出の木剣や防具、プレゼントで貰った弓一式も、ルームの中へ収納した。この魔法があれば、いつでも好きな時に手元に取り出せるし、魔力で意識すればどんな物を収納したかも手に取るように分かる。

そして、片付いた部屋の中は、ここに来た時と一緒に戻った。

寂しいような、懐かしいような…。

俺は、その後風呂を済ませ、ベットに横になった。

(いよいよ、明日から旅かぁ…どんな事が待っているだろう…)

目を閉じて、色々な妄想をしている内に、俺はいつの間にか寝てしまっていた。
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