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第二章 新生活、はじめるよ!
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屋敷はコの字型になっていて俺の部屋は二階の南側の棟の一番手前の部屋だ。
そして南側一番奥がリィーナの部屋でルージュは俺とリィーナの部屋の間にある部屋を使うことになった。
セリーヌは北側の棟三階の奥の部屋を執務室と自分の部屋として二部屋確保していて、スクルドと凛子はそこの手前の部屋をそれぞれ自室にしていた。
で、クオンや子供達はというと、俺とルージュの部屋の間の部屋にクオン。レンとレイはルージュとリィーナの部屋の間にそれぞれ別に部屋を与えた。
南側、北側の棟の一階部分は二階の部屋に比べると少し狭いが住み込みで働く人達の部屋になっている。もちろんちゃんと個室だ。
「で、なんで風呂がロビーの上なんだ。色々とおかしくないか。普通は奥じゃないのか」
そう、一階から続く左右に分かれた階段を登った先のすぐに風呂場が二つあった。
「リィーナ様が奥にしたらみんなが部屋の前を通ってうるさいと言うので。それに一見したらお風呂場とは気付かないようにしてますし大丈夫だと思いますが」
なるほど、リィーナの要望か。
「けど、北側の棟の二階でもよかったんじゃないか。別にゲストルームの近くに風呂があっても構わないだろ」
「いや、ゲストルームにはそれぞれお風呂が設置されてますし、来客された方が泊まる部屋の前を通ってお風呂に行くのもちょっとあれですよね」
たしかにそれもそうか。
「それにレンジ様達の部屋にもお風呂はついてますから問題ないのではありませんか」
「え、あるのか。全然気付かなかったぞ」
部屋にいって確認すると確かにあった。しかも外の景色が見える感じのおしゃれなやつが。
「なあ、これ外から丸見えだよな」
「大丈夫です。外からは見えないようになっています」
「そうか。なら安心だな」
魔法でそう加工してあるそうだが、この世界の魔法はなんでもありだな。
ロータ並みに都合のいい存在だ。
「しかし広い屋敷だよな。部屋もまだたくさん余ってるし」
「これから増えるかもしれませんから。多いのに越したことはありませんよ」
いや、増えなくて結構なのだが。
「ところでロータ。食事は当番制か」
「いえ、シェフリー殿のところで修行した者達が作ります。当面はシェフリー殿のお弟子さんがメインですけどね」
うむ、料理に関しては完璧な布陣だな。これは毎日期待できる。
「それでこちらから店舗へ」
食堂の向かいに店舗へ入る扉があり、そこから入って中を確認する。
作業兼休憩室を兼ねた部屋を通り、お店のカウンターの中に入った。
扉の横に商品棚が設置されていてごく普通のお店って感じだ。
「案外ここだけは普通なんだな」
「お手頃価格のポーション屋さんに高級感なんて要ります」
「いや、要らんな」
まぁ、クレアが働きやすければいいか。
「で、だ。なんで店の前が憩いの場になっているんだ。これ、スクルドの要望したやつだろ。完全に営業妨害じゃねぇか」
「それは私達第二神殿も同じこと。あきらめてください。私は姉様に逆らえません」
はぁ、しゃあないか。
しかし無駄におしゃれな憩いの場だよな。白いベンチに大きな日傘がいくつか付いてるし、浜辺にあってもおかしくないよな。
「姉様の要望がリゾート風おしゃれな感じとの事でしたので、屋敷の景観をギリギリまで損なわないよう配慮しました」
「ロータ。おまえって苦労してんな。今度、メシでも奢るよ」
「はい、お酒付きで!」
そんな感じで見てまわっていると中庭でクオンと子供達が楽しそうに遊んでいた。
「子供は元気だな。良いことだ」
「ふかふかの芝を敷いてありますから転んでも大丈夫です」
「何から何までありがとな。ところで屋敷の代金は足りてるか」
「はい、なんとか」
なんか怪しいな。神殿から持ち出してないよな。
「ロータ、この木箱の金をおまえに預ける。この金でやりくりしてくれ。だが、絶対にケチるな。とくに屋敷で働く者達の給金とかな。で、足りなくなったら言ってくれ」
「ずいぶんおしゃれな木箱ですね。うわっ、おもっ! いくら入ってるんすか」
「一億枚だ。足りないとは思うが上手くやってくれ」
「足りますよ! レンジ様の金銭感覚おかし過ぎです」
「そうか。まだ十二億枚くらいはあるぞ。それに黒竜の素材もあるし」
「どこぞの王族ですか、レンジ様は。そんなお金一生掛かっても使いきれませんよ」
「だろ。だからケチケチしないで使ってくれ。だからといって贅沢は絶対に駄目だからな」
そう、堕落した金満生活は駄目だ。
身の丈にあった生活をしないとな。
「まぁレンジ様の贅沢ってお酒とおつまみぐらいですもんね。それにお酒もへべれけになるまで飲むわけじゃないですし、無駄使いもしない。わりと普通ですよね」
まぁ、雪奈の影響で昔からそうだしな。
いや、影響じゃないな。教育された、といった方が正確だな。
「あとは明日のリィーナの回復祝いと屋敷の完成披露パーティーだな。ロータ、任せたぞ」
「はい、お任せを!」
よし、完璧だ。
さてと、散歩にでもいくか。
そして南側一番奥がリィーナの部屋でルージュは俺とリィーナの部屋の間にある部屋を使うことになった。
セリーヌは北側の棟三階の奥の部屋を執務室と自分の部屋として二部屋確保していて、スクルドと凛子はそこの手前の部屋をそれぞれ自室にしていた。
で、クオンや子供達はというと、俺とルージュの部屋の間の部屋にクオン。レンとレイはルージュとリィーナの部屋の間にそれぞれ別に部屋を与えた。
南側、北側の棟の一階部分は二階の部屋に比べると少し狭いが住み込みで働く人達の部屋になっている。もちろんちゃんと個室だ。
「で、なんで風呂がロビーの上なんだ。色々とおかしくないか。普通は奥じゃないのか」
そう、一階から続く左右に分かれた階段を登った先のすぐに風呂場が二つあった。
「リィーナ様が奥にしたらみんなが部屋の前を通ってうるさいと言うので。それに一見したらお風呂場とは気付かないようにしてますし大丈夫だと思いますが」
なるほど、リィーナの要望か。
「けど、北側の棟の二階でもよかったんじゃないか。別にゲストルームの近くに風呂があっても構わないだろ」
「いや、ゲストルームにはそれぞれお風呂が設置されてますし、来客された方が泊まる部屋の前を通ってお風呂に行くのもちょっとあれですよね」
たしかにそれもそうか。
「それにレンジ様達の部屋にもお風呂はついてますから問題ないのではありませんか」
「え、あるのか。全然気付かなかったぞ」
部屋にいって確認すると確かにあった。しかも外の景色が見える感じのおしゃれなやつが。
「なあ、これ外から丸見えだよな」
「大丈夫です。外からは見えないようになっています」
「そうか。なら安心だな」
魔法でそう加工してあるそうだが、この世界の魔法はなんでもありだな。
ロータ並みに都合のいい存在だ。
「しかし広い屋敷だよな。部屋もまだたくさん余ってるし」
「これから増えるかもしれませんから。多いのに越したことはありませんよ」
いや、増えなくて結構なのだが。
「ところでロータ。食事は当番制か」
「いえ、シェフリー殿のところで修行した者達が作ります。当面はシェフリー殿のお弟子さんがメインですけどね」
うむ、料理に関しては完璧な布陣だな。これは毎日期待できる。
「それでこちらから店舗へ」
食堂の向かいに店舗へ入る扉があり、そこから入って中を確認する。
作業兼休憩室を兼ねた部屋を通り、お店のカウンターの中に入った。
扉の横に商品棚が設置されていてごく普通のお店って感じだ。
「案外ここだけは普通なんだな」
「お手頃価格のポーション屋さんに高級感なんて要ります」
「いや、要らんな」
まぁ、クレアが働きやすければいいか。
「で、だ。なんで店の前が憩いの場になっているんだ。これ、スクルドの要望したやつだろ。完全に営業妨害じゃねぇか」
「それは私達第二神殿も同じこと。あきらめてください。私は姉様に逆らえません」
はぁ、しゃあないか。
しかし無駄におしゃれな憩いの場だよな。白いベンチに大きな日傘がいくつか付いてるし、浜辺にあってもおかしくないよな。
「姉様の要望がリゾート風おしゃれな感じとの事でしたので、屋敷の景観をギリギリまで損なわないよう配慮しました」
「ロータ。おまえって苦労してんな。今度、メシでも奢るよ」
「はい、お酒付きで!」
そんな感じで見てまわっていると中庭でクオンと子供達が楽しそうに遊んでいた。
「子供は元気だな。良いことだ」
「ふかふかの芝を敷いてありますから転んでも大丈夫です」
「何から何までありがとな。ところで屋敷の代金は足りてるか」
「はい、なんとか」
なんか怪しいな。神殿から持ち出してないよな。
「ロータ、この木箱の金をおまえに預ける。この金でやりくりしてくれ。だが、絶対にケチるな。とくに屋敷で働く者達の給金とかな。で、足りなくなったら言ってくれ」
「ずいぶんおしゃれな木箱ですね。うわっ、おもっ! いくら入ってるんすか」
「一億枚だ。足りないとは思うが上手くやってくれ」
「足りますよ! レンジ様の金銭感覚おかし過ぎです」
「そうか。まだ十二億枚くらいはあるぞ。それに黒竜の素材もあるし」
「どこぞの王族ですか、レンジ様は。そんなお金一生掛かっても使いきれませんよ」
「だろ。だからケチケチしないで使ってくれ。だからといって贅沢は絶対に駄目だからな」
そう、堕落した金満生活は駄目だ。
身の丈にあった生活をしないとな。
「まぁレンジ様の贅沢ってお酒とおつまみぐらいですもんね。それにお酒もへべれけになるまで飲むわけじゃないですし、無駄使いもしない。わりと普通ですよね」
まぁ、雪奈の影響で昔からそうだしな。
いや、影響じゃないな。教育された、といった方が正確だな。
「あとは明日のリィーナの回復祝いと屋敷の完成披露パーティーだな。ロータ、任せたぞ」
「はい、お任せを!」
よし、完璧だ。
さてと、散歩にでもいくか。
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