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第二章 雪泥鴻爪
八
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無精髭に作務衣、ではない。たった数日前の面影がすっかり消え失せたその姿を藤田だと認識するのに数秒かかった。
「せん、せ……」
あまりの驚きに潤は放心するしかない。
一方の藤田はなにも言わずに微苦笑を浮かべ、頭の後ろをぽりぽりと掻く。寝起きのように乱れていた髪はしっかりと整えられ、“先生”と呼ぶにふさわしい。
「遅いじゃないかあ、藤田君」
赤らんだ狸顔をしかめる男性に絡まれて彼は困ったように笑い、その長身を屈めた。
「すみません。でもちょっと顔を出しにきただけですから。役員の皆さんに挨拶してきますね」
そう言い残し、眼鏡の女性やほかの会員たちとも笑顔で挨拶を交わしながら上座のほうに進んでいく。
「おお、書道会の若手スターが来ましたよ!」
どこからともなく聞こえたそのひと声で、会場にいる客全員の視線が藤田に注がれた。どよめきと拍手がわき起こると、彼はさらに腰を低くしてそれに応える。スターにしては謙虚である。
潤はそれを呆然と見つめていたが、大きな配膳盆を両手で持ち忙しく働く仲居たちの姿がふと視界に入り、今の自分の立場を思い出した。急いでその場を離れようと腰を上げ、人々に背を向ける。
そのとたん、舌打ちする音が鋭く耳に響いた。気のせいだと思いたかったがたしかに聞こえた。
それが木村と呼ばれていた男性のものだということは容易に想像できたし、確信があった。藤田に向けられた悪意なのか、自分に向けられた不満なのかはわからなかった。どちらでもあるようにも思えた。
沈みそうになる気分を胸の奥に押し込み、客用の出入り口とは反対側にある従業員用の出入り口から会場を出る。そこにいた人物に、潤は思わずびくりと肩を震わせた。
「誠二郎さん……」
口の端をうっすらと上げて静かに歩み寄ってきた夫は、藤田の登場で盛り上がる会場内を覗き込んだ。
「潤。しっかりやっているか」
「あ、あの」
「まあ今はそんなことはどうでもいいんだけど」
「え……」
「一緒に来なさい」
重い声とともに手首を掴まれ、会場に引き戻された。
「あっ、あの、誠二郎さん、待ってください。なにを……」
言い終わる前に彼は振り向いた。静かな迫力に圧されて狼狽する潤の腕をわずかに強く引くと、薄い唇をひらく。
「君を書道連盟の皆様に紹介するんだよ。野島屋の若女将として」
「……っ、でも、私はまだ」
「うん、まだ仲居だ。でもすぐに変わる」
硬い表情で見下ろされる。
潤は目をそらし、足早に動きまわる従業員たちを見遣った。
「仕事に戻らないと、ほかの仲居さんに迷惑をかけてしまうから」
誠二郎は鼻で笑い、おかしそうに眉を下げた。
「まだわからないのか。大丈夫だよ。君はこちらでも戦力に数えられていない」
「……っ」
「そんな顔をしないでくれよ。君が増える前から人数は足りていたんだから、君がいなくても彼女たちの仕事が成立するのは当然だろう」
「じゃあ、私にここを手伝えと言ったのは……」
「連盟の役員に、長年父と懇意にしておられる方がいてね。挨拶がてら君をお披露目しておこうと思ったんだ。まだ皆さんは君が誰なのか気づいていないようだし、この場を借りて若女将宣言をしよう」
清潔感のあるその笑みが一瞬で無機質なものに感じられる。
「心配するな。君は俺の隣で黙って笑っていればいいから」
無慈悲な言葉が、孤独な心をえぐる。行き場のない哀しみは、もう怒りにすらならない。
――私はただのお飾りなのね。
誠二郎の冷淡な瞳をそれ以上見返しつづけることができず、潤はゆっくりと目線を下ろしていった。夫の肩からゆらりと視線を外すと、上座の中央に座る役員のそばに膝を落とし柔らかな笑みを浮かべる藤田の姿が見えた。
一瞬だけ、彼がこちらを見たような気がした。しかしそれはすぐに、滲んで揺れる視界の中に消えた。
「ほら、行こう」
左手を引かれて小さく一歩踏み出したとき、背後から何者かに右腕を掴まれた。
振り向くより先に強い力で引っ張られ、左手が夫の手からするりと抜ける。そのまま通路につまみ出された。
煤竹色の着物の肩を大きくゆっくりと上下させ、女将が深い息を吐き出した。身体の前で手を重ね、頭上から糸ですっと引き上げられたような立ち姿。恐ろしく、美しい。
「潤さん」
いつものように厳しい声を発した女将を、すぐに追ってきた誠二郎が低い声で制する。
「女将、突然なにをするんです」
非議を孕んだその声に、彼女はまったく動じない。
「……誠二郎」
だが息子の名を口にするとき、一瞬だけ伏せられたその切れ長の目には底深い哀しみが映っているように見えた。
「ここはお客様に愉しんでいただく場。あなたが私利私欲のために利用してよい場所ではありません。あなたはあの人から、野島屋主人としての資質を受け継がなかったようね」
誠二郎は眉をひそめてなにかを言いかけたが、それをやめて片側の口角だけをつり上げ、ふんと鼻で笑った。
「それで発破をかけたつもりか。親父の性格を受け継いだのは、死んだ兄貴のほうだと?」
「資質と性格の違いがわからないようね。言葉を知らないから、言葉の選び方を間違えるのよ」
「そんな些細なことを気にするのは母さんだけさ。結局、親父に似ている兄貴のほうが野島屋主人にふさわしいってことだろう」
「いいえ。性格だけでいえば、晃一よりあなたのほうにあの人らしさが色濃く表れている。だからあなたは今ここにいる」
「……なにをわけのわからないことを」
冷酷さを増した誠二郎の表情と声、それに対峙する女将から放たれる不穏な空気。潤は自分がどこにいるのかわからなくなり、その場に立っているのがやっとだった。
しばらく続けられた沈黙の睨み合いは、誠二郎のわざとらしいため息に破られた。
「もういい。俺ひとりで挨拶しにいく」
彼は女将に向かってそう言い捨てると、潤にはわずかに失望を示すまなざしを投げてから背を向け、宴会場に戻っていった。
「……潤さん、顔色が悪いわ」
かすかに怒気を抑えた声色で女将が言った。
「もう帰りなさい」
「で、でも」
「そんな顔を向けられるお客様の身にもなりなさい。かえって迷惑です」
「はい……すみません」
女将の鋭い視線から逃れるように頭を下げると、引いていた涙がふたたび溢れ視界を覆う。まばたきとともにこぼれた涙が床に落ちたとき、無機質な声が降った。
「野島屋には、もう来なくてよい」
全身を支配する絶望感に押しつぶされそうになりながら、潤はゆっくりと頭を上げた。
哀愁と固い決意が入り交じる目つきで女将がこちらを見据えている。
「どうして……」
潤は無意識に呟いた。意図せず唇が震える。
「女将は、どうして私を隠すのですか」
若女将として認められたかったわけではない。それでも、野島屋の人間ではなくあくまで仲居のひとりとして客の前に立つのを徹底されることに少なからず不安を覚えていた。いつか何事もなかったように追い出されるのではないかと。
「潤さん。……ここは、あなたには向いていない」
それが今、現実になった。残酷な事実が突きつけられて。
女将はふと目を伏せると、すっと後ろを向いて会場内に歩いていってしまった。やがて、女将の登場を歓迎する客たちの声が聞こえてきた。
瞬間、頭がぐらりと揺れ、視界が白くぼやけた。
潤は近くにある壁にもたれかかり、手のひらで顔を覆った。肩で息をしながら、込み上げる吐き気に耐える。
そばを通る仲居の誰もが殺伐とした空気を察しながらも、決して歩み寄ってはこない。あたりには右往左往する足音が行き交うだけで、それはみなが潤の異変に気づいたうえで仕事を優先させていることを示していた。
歪む意識の中、潤は思った。若旦那の妻でありながらほかの従業員たちと同じ立場として働く自分は、仲居たちにとってはかえって扱いづらい存在だったに違いない。考えてみれば仲居たちの中で分け隔てなく接してくれたのは美代子だけだった、と。
しばらくそのままの状態で息を整えてから、潤は壁を伝ってゆっくりとその場を離れた。
重い足取りで本棟に戻り更衣室に辿り着くと、畳の上に膝から崩れ落ち、声を殺して泣いた。着物の水縹色が、ぽたぽたと落ちるしずくで濃い涙の色に染まっていった。
「せん、せ……」
あまりの驚きに潤は放心するしかない。
一方の藤田はなにも言わずに微苦笑を浮かべ、頭の後ろをぽりぽりと掻く。寝起きのように乱れていた髪はしっかりと整えられ、“先生”と呼ぶにふさわしい。
「遅いじゃないかあ、藤田君」
赤らんだ狸顔をしかめる男性に絡まれて彼は困ったように笑い、その長身を屈めた。
「すみません。でもちょっと顔を出しにきただけですから。役員の皆さんに挨拶してきますね」
そう言い残し、眼鏡の女性やほかの会員たちとも笑顔で挨拶を交わしながら上座のほうに進んでいく。
「おお、書道会の若手スターが来ましたよ!」
どこからともなく聞こえたそのひと声で、会場にいる客全員の視線が藤田に注がれた。どよめきと拍手がわき起こると、彼はさらに腰を低くしてそれに応える。スターにしては謙虚である。
潤はそれを呆然と見つめていたが、大きな配膳盆を両手で持ち忙しく働く仲居たちの姿がふと視界に入り、今の自分の立場を思い出した。急いでその場を離れようと腰を上げ、人々に背を向ける。
そのとたん、舌打ちする音が鋭く耳に響いた。気のせいだと思いたかったがたしかに聞こえた。
それが木村と呼ばれていた男性のものだということは容易に想像できたし、確信があった。藤田に向けられた悪意なのか、自分に向けられた不満なのかはわからなかった。どちらでもあるようにも思えた。
沈みそうになる気分を胸の奥に押し込み、客用の出入り口とは反対側にある従業員用の出入り口から会場を出る。そこにいた人物に、潤は思わずびくりと肩を震わせた。
「誠二郎さん……」
口の端をうっすらと上げて静かに歩み寄ってきた夫は、藤田の登場で盛り上がる会場内を覗き込んだ。
「潤。しっかりやっているか」
「あ、あの」
「まあ今はそんなことはどうでもいいんだけど」
「え……」
「一緒に来なさい」
重い声とともに手首を掴まれ、会場に引き戻された。
「あっ、あの、誠二郎さん、待ってください。なにを……」
言い終わる前に彼は振り向いた。静かな迫力に圧されて狼狽する潤の腕をわずかに強く引くと、薄い唇をひらく。
「君を書道連盟の皆様に紹介するんだよ。野島屋の若女将として」
「……っ、でも、私はまだ」
「うん、まだ仲居だ。でもすぐに変わる」
硬い表情で見下ろされる。
潤は目をそらし、足早に動きまわる従業員たちを見遣った。
「仕事に戻らないと、ほかの仲居さんに迷惑をかけてしまうから」
誠二郎は鼻で笑い、おかしそうに眉を下げた。
「まだわからないのか。大丈夫だよ。君はこちらでも戦力に数えられていない」
「……っ」
「そんな顔をしないでくれよ。君が増える前から人数は足りていたんだから、君がいなくても彼女たちの仕事が成立するのは当然だろう」
「じゃあ、私にここを手伝えと言ったのは……」
「連盟の役員に、長年父と懇意にしておられる方がいてね。挨拶がてら君をお披露目しておこうと思ったんだ。まだ皆さんは君が誰なのか気づいていないようだし、この場を借りて若女将宣言をしよう」
清潔感のあるその笑みが一瞬で無機質なものに感じられる。
「心配するな。君は俺の隣で黙って笑っていればいいから」
無慈悲な言葉が、孤独な心をえぐる。行き場のない哀しみは、もう怒りにすらならない。
――私はただのお飾りなのね。
誠二郎の冷淡な瞳をそれ以上見返しつづけることができず、潤はゆっくりと目線を下ろしていった。夫の肩からゆらりと視線を外すと、上座の中央に座る役員のそばに膝を落とし柔らかな笑みを浮かべる藤田の姿が見えた。
一瞬だけ、彼がこちらを見たような気がした。しかしそれはすぐに、滲んで揺れる視界の中に消えた。
「ほら、行こう」
左手を引かれて小さく一歩踏み出したとき、背後から何者かに右腕を掴まれた。
振り向くより先に強い力で引っ張られ、左手が夫の手からするりと抜ける。そのまま通路につまみ出された。
煤竹色の着物の肩を大きくゆっくりと上下させ、女将が深い息を吐き出した。身体の前で手を重ね、頭上から糸ですっと引き上げられたような立ち姿。恐ろしく、美しい。
「潤さん」
いつものように厳しい声を発した女将を、すぐに追ってきた誠二郎が低い声で制する。
「女将、突然なにをするんです」
非議を孕んだその声に、彼女はまったく動じない。
「……誠二郎」
だが息子の名を口にするとき、一瞬だけ伏せられたその切れ長の目には底深い哀しみが映っているように見えた。
「ここはお客様に愉しんでいただく場。あなたが私利私欲のために利用してよい場所ではありません。あなたはあの人から、野島屋主人としての資質を受け継がなかったようね」
誠二郎は眉をひそめてなにかを言いかけたが、それをやめて片側の口角だけをつり上げ、ふんと鼻で笑った。
「それで発破をかけたつもりか。親父の性格を受け継いだのは、死んだ兄貴のほうだと?」
「資質と性格の違いがわからないようね。言葉を知らないから、言葉の選び方を間違えるのよ」
「そんな些細なことを気にするのは母さんだけさ。結局、親父に似ている兄貴のほうが野島屋主人にふさわしいってことだろう」
「いいえ。性格だけでいえば、晃一よりあなたのほうにあの人らしさが色濃く表れている。だからあなたは今ここにいる」
「……なにをわけのわからないことを」
冷酷さを増した誠二郎の表情と声、それに対峙する女将から放たれる不穏な空気。潤は自分がどこにいるのかわからなくなり、その場に立っているのがやっとだった。
しばらく続けられた沈黙の睨み合いは、誠二郎のわざとらしいため息に破られた。
「もういい。俺ひとりで挨拶しにいく」
彼は女将に向かってそう言い捨てると、潤にはわずかに失望を示すまなざしを投げてから背を向け、宴会場に戻っていった。
「……潤さん、顔色が悪いわ」
かすかに怒気を抑えた声色で女将が言った。
「もう帰りなさい」
「で、でも」
「そんな顔を向けられるお客様の身にもなりなさい。かえって迷惑です」
「はい……すみません」
女将の鋭い視線から逃れるように頭を下げると、引いていた涙がふたたび溢れ視界を覆う。まばたきとともにこぼれた涙が床に落ちたとき、無機質な声が降った。
「野島屋には、もう来なくてよい」
全身を支配する絶望感に押しつぶされそうになりながら、潤はゆっくりと頭を上げた。
哀愁と固い決意が入り交じる目つきで女将がこちらを見据えている。
「どうして……」
潤は無意識に呟いた。意図せず唇が震える。
「女将は、どうして私を隠すのですか」
若女将として認められたかったわけではない。それでも、野島屋の人間ではなくあくまで仲居のひとりとして客の前に立つのを徹底されることに少なからず不安を覚えていた。いつか何事もなかったように追い出されるのではないかと。
「潤さん。……ここは、あなたには向いていない」
それが今、現実になった。残酷な事実が突きつけられて。
女将はふと目を伏せると、すっと後ろを向いて会場内に歩いていってしまった。やがて、女将の登場を歓迎する客たちの声が聞こえてきた。
瞬間、頭がぐらりと揺れ、視界が白くぼやけた。
潤は近くにある壁にもたれかかり、手のひらで顔を覆った。肩で息をしながら、込み上げる吐き気に耐える。
そばを通る仲居の誰もが殺伐とした空気を察しながらも、決して歩み寄ってはこない。あたりには右往左往する足音が行き交うだけで、それはみなが潤の異変に気づいたうえで仕事を優先させていることを示していた。
歪む意識の中、潤は思った。若旦那の妻でありながらほかの従業員たちと同じ立場として働く自分は、仲居たちにとってはかえって扱いづらい存在だったに違いない。考えてみれば仲居たちの中で分け隔てなく接してくれたのは美代子だけだった、と。
しばらくそのままの状態で息を整えてから、潤は壁を伝ってゆっくりとその場を離れた。
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