3 / 39
Ep.03 昼下がりの再会(前)≪晴れ時々曇り≫
しおりを挟む
朝六時半の台所は、冷蔵庫の微かな唸りと、包丁がまな板を叩く音だけが響いていた。
卵を割る。白身を断ち切るように菜箸を回して、砂糖をふたつまみ、塩は指先ほど。巻くたび、甘い匂いが立つ。青じそはくるくる丸めて細く刻み、赤、黄、緑と弁当箱の中に信号機みたいに彩りを配置していく。こういうのは静かでいい。思考が整うから。
『オレも食える?』
テーブルの端から半分眠そうな蛙が顔を出した。ケロスケは最近人間食に興味津々で、今日はプチトマトに目を付けている。吸盤の指でちょい、と赤い玉をつつく。
『この赤いの、毒じゃない?』
「毒なんて盛らないよ。お前のは——胃じゃなくて心に効く方」
『心に効く毒は神代くんが担当では?』
「朝から思い出させるな……」
弁当箱に米を詰め、海苔を敷いて卵焼きを寄せる。昨夜の切り干しの煮物、ブロッコリー、ウインナーに切り込み。隙間ができたところにミニトマトを添えた。仕上げに白ごまをひとつまみ、手は勝手に動く。もう朝の動作は呼吸みたいなものだ。
母は夜勤明けで寝ている。二人暮らしの2LDK。この時間の生活音が小さいのは、もう習慣だ。静けさの中で鍋の金属音だけがよく響く。その響きが“平和”の音に聞こえる日もあれば、今朝みたいに“独りの音”に聞こえる日もある。
『手際いいな。プロの主夫みたい』
「男子高校生への褒め方じゃない」
『じゃあ、“未来の胃袋王子”』
「それじゃあ大食い代表みたいじゃん」
冗談を交わすたびに、空気の重さが少しだけ薄くなる。冷ましたお茶を水筒に移すと、自分の分とは別に母の分の小さい弁当も並べる。付箋に≪冷蔵庫のお味噌汁・温めてどうぞ≫と書いて置いておく。
窓の外は完全に晴れ、昨日の雨はきれいに消えていた。ベランダの物干し台からは、まだ湿り気のある風が入ってきて、台所の匂いをやわらかく薄めていく。
箸を置く。晴れてるのに、心の気圧だけは低い。
(行きたくない。いや、行くけど。行くしかないけど。でも、今日は——)
昨日のあの瞬間が頭をかすめる。乾いた音、傘が弾む音、神代の笑顔が一瞬だけ途切れた光景。
……終わってる。二年B組の平凡男子、隣のA組の王子様に暴言+ビンタ未遂。週刊校内ニュース行き。そんなものはないのに、脳内では創刊済みだ。
教室で神代とすれ違う可能性、職員室前の廊下で視線が合う確率はどのくらいだろうか。そんなことを想像するだけで胃がきゅうっと痛くなる。
「昨日のことは忘れる。普通の一日でいく」
『フラグ立てんの早くない?』
「違うから。やめて。ほんとにやめて」
(今日の俺は酸素。痕跡ゼロで帰る——たぶん。)
ケロスケは『けろ』と小さく鳴いて、テーブルの端に丸くなる。飴玉みたいな吸盤が木目にぺたり。朝の光が背中の斑を照らして、薄い水色に光った。
寝癖の跳ねた髪を手で押さえつけ、眼鏡をかけ直す。レンズが曇って、余計ぼやける。ため息ひとつで拭いた。玄関の鏡に映った顔は、まだ“昨日”の湿度を引きずっていた。
◇
通学路のアスファルトはまだ湿っていて、靴の底がぺたぺた鳴る。雨上がりの匂い(教科書では“ペトリコール”って呼ぶやつ)が鼻を抜けるたび、胸の奥が小さくざわつく。
家を出た時点では「普通の一日でいく」って言ったけど、学校が近づくにつれて足がどんどん重くなる。校門までの坂が、いつもより長く感じる。歩くたびに“昨日のこと”が頭を横切る。あの音、あの表情。
(校内指名手配とか出されてたらどうしよう。いや、そんな制度ないけど、あってもおかしくない気がする。生徒会棟前での不審者:雨宮 湊)
背中が勝手にこわばる。歩いているだけで、すれ違う誰かの視線が全部こっちを向いてる気がして、息が浅くなっていく。
そういえば昨日、神代の前で雨が降った。俺のせい……ではない。はず。そうであってくれ。近隣住民、予報外の雨ほんとすみません。
たまに俺の感情が揺れると空までつられて湿る——ケロスケいわく「気象バグ」。もし俺の機嫌で降るなら、空に申し訳ない。
やがて校門をくぐると、朝の騒がしさが戻ってくる。部活の掛け声、チャイムの前に慌ただしく走る足音。俺は人混みの端を選んで二年B組へ向かった。できるだけ壁際を歩き、視線の死角を縫うように。
教室に入ると、白河 透真が窓際の席で背伸びをしていた。柔らかい濃茶色の髪、機嫌のよさが顔に出るタイプ。俺の中学からの友人で、数少ない“事情を知ってる”人間のひとりだ。
白河の肩口に、灰白色の小さい影——文鳥のスイ——がとまっている。守護生物は“持っている人”にしか見えないはずだけど、スイは隠れるのが壊滅的に下手だ。今日も堂々と羽繕いしている。おまけに、よく鳴く。
“持っている者同士”なら、隠れてない守護生物の声は自然に言葉として聞こえる——ケロスケいわく仕様だ。
『おはよ』
「おはよう。昨日の雨、すごかったな」
「……あー、うん。そうだね」
「もしかして昨日の、……お前の?」
曖昧な俺の声色に白河がすぐ気づいた。そういう勘の良さ、ありがたいときもあるけど、今日は刺さる。
「“たまたま”ってのに、今日だけは賭けたい」
「どうもはっきりしないな。なんかあったか?」
「大丈夫!ほら、ホームルーム始まるよ」
声が少し裏返った。誤魔化すように椅子を引く。筆箱を開けると、ケロスケが肩からぴょんと飛び降り、消しゴムを枕にして丸まった。
お前、守護生物なのに寝る必要ある?心の中で突っ込むと、“必要”と小さく返事をした気がした。笑うところじゃないのに、口の端が少し緩む。
HRが終わって午前の授業が流れていく。板書、ノート、配られるプリント。日常は変わらないふりが上手い。俺も上手い側の人間だ。
とはいえ、最初の一時間目までは心臓がずっと落ち着かなかった。廊下の足音が響くたびに、反射的に顔を上げてしまう。隣の教室から人が出入りする気配があるたび、肩が勝手にこわばる。
何か言われるんじゃないか。昨日のこと、誰かが見てたんじゃないかと、そんな考えが頭の中を何度も往復して集中が続かない。
けれど、すでに午前の授業が終わりかけているが、特に何も起こらなかった。誰も俺を指ささないし、昨日の噂も流れていない。黒板のチョーク音と窓の外の風の音が、ただ淡々と続くだけ。
(……何もない、って、ありがたいけど。昨日のこと、気にしてないってことか?それとも——俺を誰も見てないから、何もないだけ?)
少しずつ呼吸が整っていく。警戒した分、拍子抜けするほど平和な午前だった。
ただ、休み時間に視線が窓の外へ吸い寄せられる。遠くの生徒会室棟。
そこに“蛇”がいる。
……いや、いるのは人間だ。人間に蛇がついてる。落ち着け。
そう言い聞かせても、視界の隅に白い残像がちらついた気がして、俺は思わずペンを強く握った。
◇
卵を割る。白身を断ち切るように菜箸を回して、砂糖をふたつまみ、塩は指先ほど。巻くたび、甘い匂いが立つ。青じそはくるくる丸めて細く刻み、赤、黄、緑と弁当箱の中に信号機みたいに彩りを配置していく。こういうのは静かでいい。思考が整うから。
『オレも食える?』
テーブルの端から半分眠そうな蛙が顔を出した。ケロスケは最近人間食に興味津々で、今日はプチトマトに目を付けている。吸盤の指でちょい、と赤い玉をつつく。
『この赤いの、毒じゃない?』
「毒なんて盛らないよ。お前のは——胃じゃなくて心に効く方」
『心に効く毒は神代くんが担当では?』
「朝から思い出させるな……」
弁当箱に米を詰め、海苔を敷いて卵焼きを寄せる。昨夜の切り干しの煮物、ブロッコリー、ウインナーに切り込み。隙間ができたところにミニトマトを添えた。仕上げに白ごまをひとつまみ、手は勝手に動く。もう朝の動作は呼吸みたいなものだ。
母は夜勤明けで寝ている。二人暮らしの2LDK。この時間の生活音が小さいのは、もう習慣だ。静けさの中で鍋の金属音だけがよく響く。その響きが“平和”の音に聞こえる日もあれば、今朝みたいに“独りの音”に聞こえる日もある。
『手際いいな。プロの主夫みたい』
「男子高校生への褒め方じゃない」
『じゃあ、“未来の胃袋王子”』
「それじゃあ大食い代表みたいじゃん」
冗談を交わすたびに、空気の重さが少しだけ薄くなる。冷ましたお茶を水筒に移すと、自分の分とは別に母の分の小さい弁当も並べる。付箋に≪冷蔵庫のお味噌汁・温めてどうぞ≫と書いて置いておく。
窓の外は完全に晴れ、昨日の雨はきれいに消えていた。ベランダの物干し台からは、まだ湿り気のある風が入ってきて、台所の匂いをやわらかく薄めていく。
箸を置く。晴れてるのに、心の気圧だけは低い。
(行きたくない。いや、行くけど。行くしかないけど。でも、今日は——)
昨日のあの瞬間が頭をかすめる。乾いた音、傘が弾む音、神代の笑顔が一瞬だけ途切れた光景。
……終わってる。二年B組の平凡男子、隣のA組の王子様に暴言+ビンタ未遂。週刊校内ニュース行き。そんなものはないのに、脳内では創刊済みだ。
教室で神代とすれ違う可能性、職員室前の廊下で視線が合う確率はどのくらいだろうか。そんなことを想像するだけで胃がきゅうっと痛くなる。
「昨日のことは忘れる。普通の一日でいく」
『フラグ立てんの早くない?』
「違うから。やめて。ほんとにやめて」
(今日の俺は酸素。痕跡ゼロで帰る——たぶん。)
ケロスケは『けろ』と小さく鳴いて、テーブルの端に丸くなる。飴玉みたいな吸盤が木目にぺたり。朝の光が背中の斑を照らして、薄い水色に光った。
寝癖の跳ねた髪を手で押さえつけ、眼鏡をかけ直す。レンズが曇って、余計ぼやける。ため息ひとつで拭いた。玄関の鏡に映った顔は、まだ“昨日”の湿度を引きずっていた。
◇
通学路のアスファルトはまだ湿っていて、靴の底がぺたぺた鳴る。雨上がりの匂い(教科書では“ペトリコール”って呼ぶやつ)が鼻を抜けるたび、胸の奥が小さくざわつく。
家を出た時点では「普通の一日でいく」って言ったけど、学校が近づくにつれて足がどんどん重くなる。校門までの坂が、いつもより長く感じる。歩くたびに“昨日のこと”が頭を横切る。あの音、あの表情。
(校内指名手配とか出されてたらどうしよう。いや、そんな制度ないけど、あってもおかしくない気がする。生徒会棟前での不審者:雨宮 湊)
背中が勝手にこわばる。歩いているだけで、すれ違う誰かの視線が全部こっちを向いてる気がして、息が浅くなっていく。
そういえば昨日、神代の前で雨が降った。俺のせい……ではない。はず。そうであってくれ。近隣住民、予報外の雨ほんとすみません。
たまに俺の感情が揺れると空までつられて湿る——ケロスケいわく「気象バグ」。もし俺の機嫌で降るなら、空に申し訳ない。
やがて校門をくぐると、朝の騒がしさが戻ってくる。部活の掛け声、チャイムの前に慌ただしく走る足音。俺は人混みの端を選んで二年B組へ向かった。できるだけ壁際を歩き、視線の死角を縫うように。
教室に入ると、白河 透真が窓際の席で背伸びをしていた。柔らかい濃茶色の髪、機嫌のよさが顔に出るタイプ。俺の中学からの友人で、数少ない“事情を知ってる”人間のひとりだ。
白河の肩口に、灰白色の小さい影——文鳥のスイ——がとまっている。守護生物は“持っている人”にしか見えないはずだけど、スイは隠れるのが壊滅的に下手だ。今日も堂々と羽繕いしている。おまけに、よく鳴く。
“持っている者同士”なら、隠れてない守護生物の声は自然に言葉として聞こえる——ケロスケいわく仕様だ。
『おはよ』
「おはよう。昨日の雨、すごかったな」
「……あー、うん。そうだね」
「もしかして昨日の、……お前の?」
曖昧な俺の声色に白河がすぐ気づいた。そういう勘の良さ、ありがたいときもあるけど、今日は刺さる。
「“たまたま”ってのに、今日だけは賭けたい」
「どうもはっきりしないな。なんかあったか?」
「大丈夫!ほら、ホームルーム始まるよ」
声が少し裏返った。誤魔化すように椅子を引く。筆箱を開けると、ケロスケが肩からぴょんと飛び降り、消しゴムを枕にして丸まった。
お前、守護生物なのに寝る必要ある?心の中で突っ込むと、“必要”と小さく返事をした気がした。笑うところじゃないのに、口の端が少し緩む。
HRが終わって午前の授業が流れていく。板書、ノート、配られるプリント。日常は変わらないふりが上手い。俺も上手い側の人間だ。
とはいえ、最初の一時間目までは心臓がずっと落ち着かなかった。廊下の足音が響くたびに、反射的に顔を上げてしまう。隣の教室から人が出入りする気配があるたび、肩が勝手にこわばる。
何か言われるんじゃないか。昨日のこと、誰かが見てたんじゃないかと、そんな考えが頭の中を何度も往復して集中が続かない。
けれど、すでに午前の授業が終わりかけているが、特に何も起こらなかった。誰も俺を指ささないし、昨日の噂も流れていない。黒板のチョーク音と窓の外の風の音が、ただ淡々と続くだけ。
(……何もない、って、ありがたいけど。昨日のこと、気にしてないってことか?それとも——俺を誰も見てないから、何もないだけ?)
少しずつ呼吸が整っていく。警戒した分、拍子抜けするほど平和な午前だった。
ただ、休み時間に視線が窓の外へ吸い寄せられる。遠くの生徒会室棟。
そこに“蛇”がいる。
……いや、いるのは人間だ。人間に蛇がついてる。落ち着け。
そう言い聞かせても、視界の隅に白い残像がちらついた気がして、俺は思わずペンを強く握った。
◇
13
あなたにおすすめの小説
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
コメント欄の向こう側
西野おぐ
BL
動画サイトで料理動画を配信している紺野夏月は、ある日、自分の動画に人気ゲーム実況配信者の冬海からコメントをもらったことがきっかけで、彼とお互いの動画のコメント欄でやり取りをするようになった。人気配信者同士のやり取りが、いつの間にかリスナーたちの目に止まって話題となっていく。
攻め:人気ゲーム実況配信者、受け:人気料理動画配信者です。両方の視点で進みます。動画サイトはYouTube、SNSはXがモチーフです。
本編は全30話
番外編(後日談)は他サイトにて公開しています!
表紙画像はXでいただきました♫
不幸連続コンボからの、猫と隣人に拾われてます
まと
BL
気付けば「不幸」が当たり前になっていた。
貴重な休みの日には、ベランダにふてぶてしい猫が。
ブラック企業気味の職場では、罪を押し付けられクビになり。
住んでいたアパートは火事になり。
本気で人生詰みました。
……けれど。
手を差し伸べてくれたのは、美しい隣人だった。
導かれるように始まった同居生活。
孤独で不器用なオレの人生は、拾われ、甘やかされ、そして――??
感想、コメントなどとても励みになります。いつもありがとうございます。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
先輩たちの心の声に翻弄されています!
七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。
ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。
最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。
乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。
見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。
****
三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。
ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️
聞いてた話と何か違う!
きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。
生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!?
聞いてた話と何か違うんですけど!
※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。
他のサイトにも投稿しています。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
