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第2章
34.魔王城の会議②
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「勇者が魔国ジャングリラを調査するために、アルニラム神皇国を出たっす。皇国騎士団の4名が随行してるっす」
斥候としてアルニラム神皇国に潜入していた悪魔猫のナアマが言った。
猫耳、悪魔の角、蝙蝠の翼、先端が矢尻のように三角形をした尻尾を持つ中性的な容姿の美少女で、手には三又の槍を持っている。
諜報活動中は黒猫の姿をしているらしい。
魔王城の会議室には俺、リリス、ロキア、アモン、緋魅狐、バフォメットがいた。
「到着するまでに、どれくらいかかる?」
テーブルに広げた地図を見ながらバフォメットが訊く。
「軍馬を足にしていますから、最短コースで20日ってとこっすかね?」
「……サタンよ、どう対応するつもりじゃ?」
と、リリス。
「対話する。今の魔族は、人間に害を与える存在ではないことを知ってもらう」
「……信じるでしょうか?」
アモンがチラリと俺に目を向ける。
「ナアマ、勇者は黒い髪に黒い瞳の女性で、名前はアオイっていうんだったな?」
「その通りっす!」
「おそらく、勇者は俺と同じ異世界の日本という国からの召喚者だ。魔王が同郷の元人間だと知ったら、少なくとも耳は傾けてくれるさ」
一同は頷いた。
「不気味なのは、アストレア教団の方じゃな」
リリスが言った。
「そもそも、アルニラム神皇国は何で『悪魔憑き』とかいうデマを流して、魔人狩りなんか行ってるのかな?」
と、ロキア。
「支配層にとって都合の悪い情報を、大衆の目に触れさせないためでありんしょう。魔王様と、我ら魔族はスケープゴートにされている可能性が高い思いんす」
緋魅狐の目が怒りで燃えていた。
「……と、とりあえず一旦休憩にしようか!」
念話で、お茶と菓子を持ってくるように伝えると、魔王城の有能な料理長・セーラがワゴンを押して、アップルパイとアップルティーを運んできた。
彼女はホワイトエルフで、長く人間の国で治癒師として働いていたが、食と健康についての研究を始めたのをきっかけに、料理の魅力にドップリとはまりジョブチェンジをしたという経歴の持ち主だ。
珍しい食材を求めて、ソドムの森へ足を踏み入れる探究心。
ホーンラビットに襲われて死にそうになるくらい低い戦闘能力。
「たまたま通りかかったリリス様に、助けていただけなければ死んでいました」
あはははは、と呑気にセーラは笑う。
一命をとりとめたセーラは、以降、リリスと城で働く魔族のために腕を振るっている。
「ああ……これは、たまらんっすね! しゃきしゃきした酸味のあるリンゴ、バターの香りとシナモンの香り、サクサクしたパイ生地に、甘くて濃厚なカスタードクリーム……最高っす!」
ナアマが幸せそうな顔をする。
「酒もいいですが、スイーツもなかなか……」
バフォメットも、夢中でアップルパイを頬張っていた。
「これほどの短期間で、よくぞここまで国が豊かになったものよ……」
リリスが、しみじみとした口調で言う。
「ホント、ホント! こんな美味しい物が日常的に食べられるだなんて、少し前なら考えられなかったよ」
ロキアが同意した。
この国を……みんなの笑顔を守るためにも、アルニラム神皇国で暗躍している奴等は放置しておけない。
「ナアマ、引き続き情報収集を頼む。アルニラム神皇国で起こっている出来事の裏事情と黒幕を突き止めてくれ」
「アイアイサー!」
斥候としてアルニラム神皇国に潜入していた悪魔猫のナアマが言った。
猫耳、悪魔の角、蝙蝠の翼、先端が矢尻のように三角形をした尻尾を持つ中性的な容姿の美少女で、手には三又の槍を持っている。
諜報活動中は黒猫の姿をしているらしい。
魔王城の会議室には俺、リリス、ロキア、アモン、緋魅狐、バフォメットがいた。
「到着するまでに、どれくらいかかる?」
テーブルに広げた地図を見ながらバフォメットが訊く。
「軍馬を足にしていますから、最短コースで20日ってとこっすかね?」
「……サタンよ、どう対応するつもりじゃ?」
と、リリス。
「対話する。今の魔族は、人間に害を与える存在ではないことを知ってもらう」
「……信じるでしょうか?」
アモンがチラリと俺に目を向ける。
「ナアマ、勇者は黒い髪に黒い瞳の女性で、名前はアオイっていうんだったな?」
「その通りっす!」
「おそらく、勇者は俺と同じ異世界の日本という国からの召喚者だ。魔王が同郷の元人間だと知ったら、少なくとも耳は傾けてくれるさ」
一同は頷いた。
「不気味なのは、アストレア教団の方じゃな」
リリスが言った。
「そもそも、アルニラム神皇国は何で『悪魔憑き』とかいうデマを流して、魔人狩りなんか行ってるのかな?」
と、ロキア。
「支配層にとって都合の悪い情報を、大衆の目に触れさせないためでありんしょう。魔王様と、我ら魔族はスケープゴートにされている可能性が高い思いんす」
緋魅狐の目が怒りで燃えていた。
「……と、とりあえず一旦休憩にしようか!」
念話で、お茶と菓子を持ってくるように伝えると、魔王城の有能な料理長・セーラがワゴンを押して、アップルパイとアップルティーを運んできた。
彼女はホワイトエルフで、長く人間の国で治癒師として働いていたが、食と健康についての研究を始めたのをきっかけに、料理の魅力にドップリとはまりジョブチェンジをしたという経歴の持ち主だ。
珍しい食材を求めて、ソドムの森へ足を踏み入れる探究心。
ホーンラビットに襲われて死にそうになるくらい低い戦闘能力。
「たまたま通りかかったリリス様に、助けていただけなければ死んでいました」
あはははは、と呑気にセーラは笑う。
一命をとりとめたセーラは、以降、リリスと城で働く魔族のために腕を振るっている。
「ああ……これは、たまらんっすね! しゃきしゃきした酸味のあるリンゴ、バターの香りとシナモンの香り、サクサクしたパイ生地に、甘くて濃厚なカスタードクリーム……最高っす!」
ナアマが幸せそうな顔をする。
「酒もいいですが、スイーツもなかなか……」
バフォメットも、夢中でアップルパイを頬張っていた。
「これほどの短期間で、よくぞここまで国が豊かになったものよ……」
リリスが、しみじみとした口調で言う。
「ホント、ホント! こんな美味しい物が日常的に食べられるだなんて、少し前なら考えられなかったよ」
ロキアが同意した。
この国を……みんなの笑顔を守るためにも、アルニラム神皇国で暗躍している奴等は放置しておけない。
「ナアマ、引き続き情報収集を頼む。アルニラム神皇国で起こっている出来事の裏事情と黒幕を突き止めてくれ」
「アイアイサー!」
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