300文字以内小説集

book bear

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家族

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朝、朝食の香りで目が覚めた僕はカーテンから差し込む光に目を細め、大きなあくびをしながら背伸びをした。

リビングに降りていくと先に起きていた息子と娘が定位置に座っている。

僕も席につくと妻も目の前の席に着いた。

四人で手を合わせ、いただきますと言ったあと各々食事を食べ始めた。

テレビでは今日の運勢占いで運勢のいい順番に星座がランキング化されている。

僕の運勢は最下位だったが、朝から幸せな食卓を囲んでいる僕の運勢が悪いわけがないとぼんやりと考えながら味噌汁をすする。

朝食を終え、支度をして玄関へと向かった僕を見送りに妻が玄関まで来てくれる。

「行ってきまーす」

僕の声は誰もいない静かな家に消えていく。
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