腹痛との戦い 山のトイレ編完結

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山のトイレ編

2つ目の希望

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勝利を確信した途端に、また振り出しに戻ってしまった。

神よ俺は必ずにお前に勝つ!


さて、どうしたものか。
使える紙はもうさっきので使い終わってしまった。
どう考えてももう手は無い。

そんな窮地に立たされた俺は自分の左手を眺めた。
もうこれで拭くしかないのか。

左手で拭き取ったあと水を流し、貯水タンクに流れる流水で手を洗う。

これが最善の策に思えた。

俺は覚悟を決め、左手をお尻へと持っていく、躊躇いの気持ちが左手の動きを鈍くさせる。

左手がいよいよう○こに触れようとしたとき、またもや俺の頭に電撃が走った。

待て!早まるんじゃない、よく考えてみろ個室が一つしかないトイレなんてそうそうないだろう。

つまり隣にも個室があるはずだ!

そこに紙がある可能性が高い。
流石に個室の紙が全滅ということはないだろう。

ただ気をつけなければいけないことが一つだけあった。

う○このついた状態では下着を履けない、つまり下半身丸出しで隣に移らなければならない。

幸いここは山のトイレで人も少ないから誰かと鉢合わせる可能性も低いと思われる。

しかし、油断は禁物だ。
油断しそうな状況ほど気を引き締めなければならない。

俺は個室から外の気配を探る。
物音一つしない、おそらく誰もいないはずだ。

俺はお尻を突き出すように腰を曲げ(長いので今後この体制を腰曲げと呼ぶ)鍵を開けた。

まるで腰の曲がった老人がトイレから出ようとしているように見える。

ゆっくりと扉を開け目視で周りを確認した。
よし、人の気配はない。

今だ!

俺は急ぎ足で隣へ移動を始めた。
しかし、ずり降ろされているズボンが足首を固定し、思うように前に進まない。

腰を曲げの状態でちょこまかと移動する様はさぞ間抜けだっただろう。

早く移らなければという気持ちと、焦れば汚い床に転げてしまうという慎重な気持ちがせめぎ合う中、無事に隣の個室へとたどり着いた。

やった!俺はやったんだ!

次こそ俺の勝ちだ!

俺はゆっくりとペーパーカバーに手をかけ持ち上げた。

俺は言葉を失った。

ここにもトイレットペーパーは無かった。
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