腹痛との戦い 山のトイレ編完結

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山のトイレ編

3つ目の希望

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今日の俺はとことんついていなかった。

やっとの思いでたどり着いた個室。

しかしそこにも紙は無かった。

「くそ!」  

俺は悔しさで壁を殴った。
ドン、という音が山の中へ虚しく消えていった。

あらゆる手を考え俺はここまで戦ってきた。

しかし、本当にもうやれる事はやり尽くしてしまった。

俺はこのままトイレに籠り、二度と太陽を拝めないのだろうか。

もう、家族にも会えないんだろうか。

こんな所で人生を終えるなんてかっこ悪いにもほどがあるだろう。

やはり神には叶わないのか、所詮人間は神の下で希うしかないのだろうか。

神に喧嘩を売ること自体が間違っていたのだろう。
俺は自分を過信し過ぎていたようだ。

俺の負けだ。

俺は諦めて目を閉じた。

そのまま少しだけ眠っていたらしい、う○こも乾燥しきってしまっているだろう。

そんな中俺はある音で目が覚めた。
車の走る音だ!

しかもこちらへとやってくるではないか、この際恥をかいてもいいティッシュを恵んでもらおう!

車はトイレの前に止まった。
俺は助かる!

意識を壁の向こうの車へと向けた。

何故か降りてこない。

なんでだ?

もしかして休憩しているだけなのかもしれない。

まさか、このまま去っていかないよな?

流石に去る前にトイレを済ませていくだろう。

大丈夫だ、焦る必要はない。
俺は長時間トイレでひとりだったんだ、降りてくるのを待つくらいなんてことないだろう。


しかし、20分たっても降りてこない。
俺は焦り始めていた。
まさか本当に来ないなんてことはないよな?
頼むから来てくれ、一瞬でいいからトイレに来てくれ!

しかし俺の願いも虚しくさらに10分立った頃。
車内からこもった声が聞こえてきた。

目を閉じ、聴覚へ神経を集中させた。

女性の声が聞こえてきた。

そしてその声が矯声だと気づいた俺は察した。

これはだめだ。

そしてしばらくし車は去っていった。

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