腹痛との戦い 山のトイレ編完結

山のトイレ編

最後の希望

またもや俺は天から見放されてしまった。

気分の起伏にそろそろ疲れてきた。
俺は腹痛でこんなにも振り回されたのは初めてだった。

高校の時の通学中、人身事故で停車した電車の中での腹痛も中々だったが正直今のほうが個人的に辛かった。

さっきの車が最後のチャンスだったのかな。

このとき俺の頭に最後の電撃が走った。

そうだ！車にボックスティッシュがあるじゃないか！

自分の馬鹿さに呆れつつも、救われる喜びの方が勝っていた。

頭の中でシュミレーションを始めた。

今の状態では下着を履けない、つまり下半身は丸裸の状態で車にたどり着く必要がある。

たとえ山中とはいえさっきも人が来たんだから気は抜けない。

そして今回は下着とズボンを一旦脱ぎ捨て走りやすい状態で車へ向かうことにした。

そうすることによって時間短縮され、人目につくリスクは格段に下がる。

完璧だ！

俺は個室を飛び出し車まで走った、これで救われる。
車の扉をを開けティッシュを取る、そのままトイレに戻ろうとした時。

一台の車が入ってきた。

どうやらトイレ清掃の人らしい、このまま出るのはまずいので車でやりすごすことにした。


しばらくして清掃員が去っていった。

そしておれはそのまま個室へと戻った。
よし！やっとトイレから開放される！
喜びもつかの間
個室の中をみて俺の頭は真っ白になった。
勝利を掴んだと思ったのだが俺はまた負けるのか・・・・。

さっき抜いだズボンと下着がない。

きっとさっきの清掃員が捨ててしまったのだろう。

こんな結末があるだろうか、やっとの思いでおしりを拭けたのに最後は下着とズボンを持っていかれてしまった。

くそ！両手で勝ち取った勝利は水のように手の隙間から流れ落ちてしまった。

そして俺は泣きながら下半身丸裸のまま車で帰宅したのであった。

完