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第3章
69,鈍器スキル
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ジーナさんは軽く浄化の魔法がかけられている程度で擦過傷などはそのままのようだ。
森の中を走ってきたのだろうか、露出している手や顔なんかに葉や枝でついたような傷がたくさんある。
一先ずその辺の傷を初級魔法:体力回復で全て治しておいたがその程度の痛みでは彼女が起きることはなかった。
「お待たせ致しました」
「ご苦労様。そっか、装備品なんかは残るんだ。
ていうかその量はアイテムボックスの中身も?」
「答えは是。多少アイテムボックス拡張を行っていたようで収納袋や水などが入っておりました」
アルは男が装備していた奇跡的に無事だった下半身の装備や収納袋や水筒なんかを持って戻ってきた。
どうやら人を解体するとアイテムボックスの中身もその場に残るらしい。
拡張しまくってる人なんかはすごいことになるんだろうな……オレとか。
オレが死んで解体を使われたら服やら調理器具やら山ほど残るわけだ。なんかホラーだな。
「ワタリ様、こちらが固体認識証――タグになります」
「うん……」
一旦持ってきた装備類や袋を足元に置くとその中から銀色の小さなプレートを差し出す。
受け取ったプレートはオレの小さな手の平に収まる程度の大きさでギルドカードよりも小さい。
表面には読めない文字で何かが彫ってあるだけだ。
これでどうやって識別するのだろうか。まぁファンタジーだからきっと魔法の記憶媒体なんだろう。
「ワタリ様、タグに触れた状態で表示と念じますと、タグに記憶されている情報を閲覧可能でございます」
「あ、そうなんだ。専用の器具とかいるのかと思ったよ」
アルに言われた通り、『表示』と念じると御馴染みのステータスウィンドウが現れた。
メインウィンドウもアイテムもスキルもなしにステータスウィンドウのみが見れるようだ。
この人の最終的なステータスなのだろう。
名前はアーノルド。姓はないようだ。
Lvは23。中級レベルの冒険者のレベル帯だ。
ステータスやスキル取得具合からみて近接職のようだが、スキルに刀剣スキルLv2と飛び道具スキルLv1という見たこともないスキルがあった。
その他はステータス増加系スキルと気配察知Lv1程度だ。
状態が死亡となっているのが印象的だった。
「アーノルドさんか……。助けられなくてごめんなさい」
「ワタリ様、ワタリ様が謝罪される必要性はまったくございません。
冒険者とは己の命の管理も自己責任でございます」
「……そうだね」
確かにあの状況はとてもじゃないが助けることはできなかったし、彼も冒険者だろう。ならば偶然にせよ必然にせよあの凶悪な特殊進化個体に遭遇してしまったのが運の尽きだったのだろう。
運も実力のうちだ。
この世界での不慮の事故というものは、凶悪な特殊進化個体に遭遇することも含まれるのだ。
全員が全員オレみたいなチート持ちじゃないんだからたった2人の中級冒険者がアレに出会ったら逃げるしかないだろう。
オレが居なかったら結局は2人共死んでいただろうけど。
「むしろワタリ様はこちらの女性の命を救っております。
殺伐とした冒険者同士では依頼の獲物を求めて殺し合いをすることも多々あります。
もちろん助け合うこともあるでしょう。ですが、それが命がけとなると話は違ってきます。
ワタリ様は何憚ることなく誇れる立派なことをしたことをこのアルは理解しております」
「うん、ありがとう、アル」
やはりアルがいてくれてよかった。
目の前で人が悲惨な死に方をした。
その直後は特殊進化個体の対応で考える暇もなかったけど、今は落ち着いて考えることができる。
だがすでに死体もなく、現実感が乏しい。
確かに助けられなかったのが少々気がかりではあるが、どこかでアルが言ったように自己責任という言葉を考えていた。
死んだ男は知らない人だったし、こんなものなのだろうか。
ネーシャを初めて見たときに殺された男やあの下種の肩を貫いた時も大した感情は沸いてこなかった。
生前でも同じだっただろうか。いやきっと違う。
この世界に馴染んできた事を喜ぶべきなのか、悲しむべきなのかよくわからない。
「とりあえず装備類は少ないし収納袋に入りそうだから入れてオレのアイテムボックスに入れよう。
ジーナさんはまだ起きなさそうだし、悪いんだけどアルが担いでくれる?
いやだったら、その辺の木を切り倒して即席のソリでも作ろうと思うけど」
「そのようなワタリ様のお手を煩わせる必要はございません。私が責任を持って運ばせて頂きます」
「わかった。よろしくね」
特殊進化個体との戦闘でクレーターや採掘したような穴が各所にある林の前の広場をジーナさんを背負ったアルと共に後にした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
帰り道は複数転移が使えなかったので徒歩だ。
大人の歩幅で3時間くらいかかる距離なのでオレ達では4時間くらいだろうか。
少しでもアルの負担を減らす為に筋力強化Lv2と回復力強化Lv2を取得してかけている。
その代わり状態異常回復系を全部外してBaseLv5になって取得した分のポイントを使っている。
BaseLv5になったことにより取得したポイントは1Lv毎に3で12。
結構手に入ったので帰り道に強化のおかげで大分余裕のあるアルと相談しながら帰る事にした。
お昼を食べていなかったのでマスターのお弁当であるサンドイッチをぱくつく。
ジーナさんはお昼を食べる為に寝かせてあるが、起きる気配はない。
呼吸は正常のようだし、怪我らしい怪我もない。
結婚相手らしき人が死んだショックだろう。なので無理やり起こすのも忍びない。
相変わらずマスターのサンドイッチは美味しい。激しい戦闘の後だったからか余計に美味しく感じられた。
人が目の前で死ぬところを、それも上半身が消し飛ぶような凄惨な光景を見たというのに食欲が失せるようなことはなかった。むしろ肉塊を燃やした時の異臭の方がきつかったくらいだ。
麻痺するには人の死に慣れているとは思えない。ただ現実逃避しているだけだろうか。
思考に沈みがちになるのを振り払うようにアルと雑談して気分転換しつつ軽いお昼はすぐに終わった。
ラッシュの街に向かって歩きながらもオレはスキルウィンドウをいじっている。
アーノルドが持っていた見たこともないスキルに似た物がオレのスキルウィンドウにも出ていた。
鈍器スキルLv1。
どうやら使用している武器が関係しているようだ。
誘拐犯を倒した時には手に入っていなかったスキルだから、条件は魔物に使用することか、使用頻度か。
後者の場合、オレには成長率増加Lv10があるので少ない回数でも条件を満たすことができるだろう。
ちなみに取得に必要なポイントは1ポイント。
ちょうど残りポイントが1だったので取得してみたところ、取得と同時に鈍器の扱いに関する知識が流れ込んできた。
そして1つだけスキルと呼べるようなスキルが使えることがわかった。
「アルアル! 鈍器スキルLv1取ってみたんだけど、これすごいね!
鈍器に関する知識や扱い方なんかが一気にわかったよ! しかもちょっとみてて!」
スキル取得による知識の流入に興奮してこれまでの暗い気持ちを振り払うかのように一気にまくし立てるとアルから少し距離を取り、少し大きめの岩があるところまでいく。
「見ててねー!」
スキルの使い方は鈍器の知識と一緒に流れ込んできたので分かっている。
グレートコーンを振りかぶり、発動させた " フルスイング " で岩をぶったたく。
軽く叩いたのに、普通に叩きつけるよりも遥かに力強く加速されたソレは岩を粉々に打ち砕いた。
「おぉ~。でもグレートコーンの攻撃力自体が高いからフルスイング使わなくてもこれくらいは出来るかなぁ。
いやいやこれくらいやるには結構力入れないとだめだろう。
なるほど、スキルというだけはあるということだな!」
粉砕された岩を見て満足するとアルのところに戻る。
ジーナさんを背負っているのに優雅の一言に尽きる見事な一礼で出迎えるアルに満面の笑みで答えて感想を待つ。
「さすが我が主。このアルそのお力に言葉もございません」
「ありがと。結構軽く叩いたのにスキルの力で加速されてかなりの攻撃力になってたね。
本気でやったらもっとすごいんだろうね。これは使えるよ。
出来れば短剣のスキルも欲しいところだけど、始めの頃にラッシュの街までいくのに結構使ってたのに取得できなかったんだよなぁ。
使用頻度とかじゃなくて必要経験値なんだろうか」
「申し訳ありません、ワタリ様。私の知識内にはない情報にございます。
お許しいただけるのでございましたら、図書館での知識収集を許可頂きたく存じます」
「そうだねぇ。また行ってみようか」
「ありがとうございます、ワタリ様。このアル粉骨砕身知識の収集に努めさせていただきます」
「うん、頼りにしてるからね!」
まだまだ有用なスキルがたくさんありそうなので、入館料がかなり痛いけどまた図書館に行くことを心に決めてラッシュの街に向かって歩き始めた。
森の中を走ってきたのだろうか、露出している手や顔なんかに葉や枝でついたような傷がたくさんある。
一先ずその辺の傷を初級魔法:体力回復で全て治しておいたがその程度の痛みでは彼女が起きることはなかった。
「お待たせ致しました」
「ご苦労様。そっか、装備品なんかは残るんだ。
ていうかその量はアイテムボックスの中身も?」
「答えは是。多少アイテムボックス拡張を行っていたようで収納袋や水などが入っておりました」
アルは男が装備していた奇跡的に無事だった下半身の装備や収納袋や水筒なんかを持って戻ってきた。
どうやら人を解体するとアイテムボックスの中身もその場に残るらしい。
拡張しまくってる人なんかはすごいことになるんだろうな……オレとか。
オレが死んで解体を使われたら服やら調理器具やら山ほど残るわけだ。なんかホラーだな。
「ワタリ様、こちらが固体認識証――タグになります」
「うん……」
一旦持ってきた装備類や袋を足元に置くとその中から銀色の小さなプレートを差し出す。
受け取ったプレートはオレの小さな手の平に収まる程度の大きさでギルドカードよりも小さい。
表面には読めない文字で何かが彫ってあるだけだ。
これでどうやって識別するのだろうか。まぁファンタジーだからきっと魔法の記憶媒体なんだろう。
「ワタリ様、タグに触れた状態で表示と念じますと、タグに記憶されている情報を閲覧可能でございます」
「あ、そうなんだ。専用の器具とかいるのかと思ったよ」
アルに言われた通り、『表示』と念じると御馴染みのステータスウィンドウが現れた。
メインウィンドウもアイテムもスキルもなしにステータスウィンドウのみが見れるようだ。
この人の最終的なステータスなのだろう。
名前はアーノルド。姓はないようだ。
Lvは23。中級レベルの冒険者のレベル帯だ。
ステータスやスキル取得具合からみて近接職のようだが、スキルに刀剣スキルLv2と飛び道具スキルLv1という見たこともないスキルがあった。
その他はステータス増加系スキルと気配察知Lv1程度だ。
状態が死亡となっているのが印象的だった。
「アーノルドさんか……。助けられなくてごめんなさい」
「ワタリ様、ワタリ様が謝罪される必要性はまったくございません。
冒険者とは己の命の管理も自己責任でございます」
「……そうだね」
確かにあの状況はとてもじゃないが助けることはできなかったし、彼も冒険者だろう。ならば偶然にせよ必然にせよあの凶悪な特殊進化個体に遭遇してしまったのが運の尽きだったのだろう。
運も実力のうちだ。
この世界での不慮の事故というものは、凶悪な特殊進化個体に遭遇することも含まれるのだ。
全員が全員オレみたいなチート持ちじゃないんだからたった2人の中級冒険者がアレに出会ったら逃げるしかないだろう。
オレが居なかったら結局は2人共死んでいただろうけど。
「むしろワタリ様はこちらの女性の命を救っております。
殺伐とした冒険者同士では依頼の獲物を求めて殺し合いをすることも多々あります。
もちろん助け合うこともあるでしょう。ですが、それが命がけとなると話は違ってきます。
ワタリ様は何憚ることなく誇れる立派なことをしたことをこのアルは理解しております」
「うん、ありがとう、アル」
やはりアルがいてくれてよかった。
目の前で人が悲惨な死に方をした。
その直後は特殊進化個体の対応で考える暇もなかったけど、今は落ち着いて考えることができる。
だがすでに死体もなく、現実感が乏しい。
確かに助けられなかったのが少々気がかりではあるが、どこかでアルが言ったように自己責任という言葉を考えていた。
死んだ男は知らない人だったし、こんなものなのだろうか。
ネーシャを初めて見たときに殺された男やあの下種の肩を貫いた時も大した感情は沸いてこなかった。
生前でも同じだっただろうか。いやきっと違う。
この世界に馴染んできた事を喜ぶべきなのか、悲しむべきなのかよくわからない。
「とりあえず装備類は少ないし収納袋に入りそうだから入れてオレのアイテムボックスに入れよう。
ジーナさんはまだ起きなさそうだし、悪いんだけどアルが担いでくれる?
いやだったら、その辺の木を切り倒して即席のソリでも作ろうと思うけど」
「そのようなワタリ様のお手を煩わせる必要はございません。私が責任を持って運ばせて頂きます」
「わかった。よろしくね」
特殊進化個体との戦闘でクレーターや採掘したような穴が各所にある林の前の広場をジーナさんを背負ったアルと共に後にした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
帰り道は複数転移が使えなかったので徒歩だ。
大人の歩幅で3時間くらいかかる距離なのでオレ達では4時間くらいだろうか。
少しでもアルの負担を減らす為に筋力強化Lv2と回復力強化Lv2を取得してかけている。
その代わり状態異常回復系を全部外してBaseLv5になって取得した分のポイントを使っている。
BaseLv5になったことにより取得したポイントは1Lv毎に3で12。
結構手に入ったので帰り道に強化のおかげで大分余裕のあるアルと相談しながら帰る事にした。
お昼を食べていなかったのでマスターのお弁当であるサンドイッチをぱくつく。
ジーナさんはお昼を食べる為に寝かせてあるが、起きる気配はない。
呼吸は正常のようだし、怪我らしい怪我もない。
結婚相手らしき人が死んだショックだろう。なので無理やり起こすのも忍びない。
相変わらずマスターのサンドイッチは美味しい。激しい戦闘の後だったからか余計に美味しく感じられた。
人が目の前で死ぬところを、それも上半身が消し飛ぶような凄惨な光景を見たというのに食欲が失せるようなことはなかった。むしろ肉塊を燃やした時の異臭の方がきつかったくらいだ。
麻痺するには人の死に慣れているとは思えない。ただ現実逃避しているだけだろうか。
思考に沈みがちになるのを振り払うようにアルと雑談して気分転換しつつ軽いお昼はすぐに終わった。
ラッシュの街に向かって歩きながらもオレはスキルウィンドウをいじっている。
アーノルドが持っていた見たこともないスキルに似た物がオレのスキルウィンドウにも出ていた。
鈍器スキルLv1。
どうやら使用している武器が関係しているようだ。
誘拐犯を倒した時には手に入っていなかったスキルだから、条件は魔物に使用することか、使用頻度か。
後者の場合、オレには成長率増加Lv10があるので少ない回数でも条件を満たすことができるだろう。
ちなみに取得に必要なポイントは1ポイント。
ちょうど残りポイントが1だったので取得してみたところ、取得と同時に鈍器の扱いに関する知識が流れ込んできた。
そして1つだけスキルと呼べるようなスキルが使えることがわかった。
「アルアル! 鈍器スキルLv1取ってみたんだけど、これすごいね!
鈍器に関する知識や扱い方なんかが一気にわかったよ! しかもちょっとみてて!」
スキル取得による知識の流入に興奮してこれまでの暗い気持ちを振り払うかのように一気にまくし立てるとアルから少し距離を取り、少し大きめの岩があるところまでいく。
「見ててねー!」
スキルの使い方は鈍器の知識と一緒に流れ込んできたので分かっている。
グレートコーンを振りかぶり、発動させた " フルスイング " で岩をぶったたく。
軽く叩いたのに、普通に叩きつけるよりも遥かに力強く加速されたソレは岩を粉々に打ち砕いた。
「おぉ~。でもグレートコーンの攻撃力自体が高いからフルスイング使わなくてもこれくらいは出来るかなぁ。
いやいやこれくらいやるには結構力入れないとだめだろう。
なるほど、スキルというだけはあるということだな!」
粉砕された岩を見て満足するとアルのところに戻る。
ジーナさんを背負っているのに優雅の一言に尽きる見事な一礼で出迎えるアルに満面の笑みで答えて感想を待つ。
「さすが我が主。このアルそのお力に言葉もございません」
「ありがと。結構軽く叩いたのにスキルの力で加速されてかなりの攻撃力になってたね。
本気でやったらもっとすごいんだろうね。これは使えるよ。
出来れば短剣のスキルも欲しいところだけど、始めの頃にラッシュの街までいくのに結構使ってたのに取得できなかったんだよなぁ。
使用頻度とかじゃなくて必要経験値なんだろうか」
「申し訳ありません、ワタリ様。私の知識内にはない情報にございます。
お許しいただけるのでございましたら、図書館での知識収集を許可頂きたく存じます」
「そうだねぇ。また行ってみようか」
「ありがとうございます、ワタリ様。このアル粉骨砕身知識の収集に努めさせていただきます」
「うん、頼りにしてるからね!」
まだまだ有用なスキルがたくさんありそうなので、入館料がかなり痛いけどまた図書館に行くことを心に決めてラッシュの街に向かって歩き始めた。
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