幼女と執事が異世界で

天界

文字の大きさ
121 / 183
第6章

120,ランクD依頼

しおりを挟む
 人数を変えたり、無力化した雑魚を叩かせたり、石を投げさせたり、PT外の状態で同じ事をしたり様々なことをしつつ実験を繰り返した。
 結果としてシトポーの祝福はユーウイトさんの話通りにオレの効果が1番高く、レーネさんとアルの効果はほぼ同一だということがわかった。
 しかもシトポーの祝福持ち同士を同じPTにすると効果が飛躍的に上がるという結論にも達した。オレ達にとって非常に好都合だろう。
 逆に1人しか祝福をもっていないドリルさんはかなり差がついている。
 それ以前にオレ達の戦闘能力などから考えても差はついているんだけど。

 そんなこんなで実験と並行してたくさんの子供達のBaseLv上げは順調に終わり、あとのスキル取得に関しては全てエリザベートさん達にお任せだ。
 オレは金と場所を提供しただけで子供達の主はエリザベートさんに設定されているので奴隷のスキル取得の際の最終確認などは彼女の判断になる。
 もちろんオレが口を出せば要望はある程度叶うだろう。だが取得するスキルは生存率を高めるためだけの取得構成だから意味もない。
 今からオレ達のPTメンバーとして見繕って育てるという光源氏計画のようなものも思いついたがBaseLvを上げても腕がついてこないだろう。
 オレの場合は生前の知識があるのでなんとかなっている状態だ。

 それにオレ達が直に育てなくても今回のLv上げでオレやレーネさんの強さに憧れを持った子達が多く、戦闘訓練を受けたいという者が増えたそうな。
 ちなみに戦闘訓練は受けたい者だけが選択できる。これも青空教室や仕事と同一で専用ポイントがしっかりもらえる。
 ただ基礎はどうしても必要なので学校の体育の授業程度のことは全員にやってもらっている。もちろん体の弱い子などにはその辺を考慮してしっかり管理しているそうだ。

 これで孤児院エリザに関してはひと段落。
 オレ達は元の生活に戻ることになったわけだが、今の所目標が1つある。


「ランクをCまでさくっと上げて中級迷宮に挑みにいこう!」

「はぃ!」

「畏まりました」

「おー!」


 そう、もともとの目標はランクを上げてレーネさんが行きたかった中級以上の迷宮に挑むことだ。
 そのための効率的なランク上げのために行った先でドリルさんやユーウイトさんに出会ったりして色々あったわけだが……1人多い?


「これでやっと僕もランクCになれそうだよ。今まで運が悪くて酷いPTと組まされたり、籤運が悪くて難易度の高いのにあたったりして散々だったからね……」

「ランクCの試験はPT単位で受けるのが普通だもんね。でもエイド君がランクDだったなんてびっくり」

「ひどいなー。僕これでも結構頑張ってるんだよ?
 最近ではバテルトさんにぼこぼこにされる回数が1日8回にまで減ったんだから!」


 バテルトはエイド君の戦闘方法に似ている戦闘奴隷の人だ。
 エイド君も自分の参考になる人を選んで指南してもらっているらしい。しかし8回か。成長した……のか?


「そ、そうなんだ」

「そうなんだよ。聞いてよ、ワタリちゃん! 最近刀剣スキルがLv4になったんだよ!
 僕クラスでLv4ってすごく才能がいるんだよ!?」

「すごぃです……」

「ですよね!? あぁストリングスさんに褒められた!
 僕これからも頑張ります! ストリングスさんにもっと認めてもらえるように!」

「はぅ……」


 いつも通り真っ赤になって後ずさりするレーネさんに目をキラキラさせたエイド君がじりじり詰め寄っている。
 なんかこう微笑ましい光景だと思います。
 エイド君に一言だけでも何か言ってあげてる時点でレーネさんは大分成長したと思う。
 これなら一緒に試験を受けても大丈夫だろう。
 本当はレーネさんの反応次第ではエイド君は参加させない方向で行こうと思っていただけにこれなら安心だ。
 ちなみにまだ試験は受けられない。
 あと1つランクDの依頼をこなさないといけないのだ。
 エイド君はもう何度も受けているらしいので大丈夫だろう、多分。


「ほらほら、エイド君。レーネさんにはぐいぐいいっちゃダメって前も言ったでしょ?
 やっと一言程度なら言ってもらえるくらいにまでなったんだからじっくり行きなさい」

「もちろんだよ!
 ストリングスさん、僕頑張ります!」

「は、はぃ……」


 あんまりわかってないエイド君が興奮気味に訓練に戻っていった。
 でもすぐにバテルトにぼこされていた。
 本当にエイド君はなんというか、可愛い弟のような子だなぁ。ついつい手を差し伸べてあげたくなっちゃう。

 訓練ばかりしているからBaseLvやステータス自体はあまりあがっていないだろうがソレらに現れない技量というものは確かに上がっているだろう。
 彼の武器スキルは刀剣スキルというスキル分類だ。
 鈍器スキルがLv1のままのオレにはLv4がどの程度すごいのかよくわからないが、レーネさんも褒めていたので結構すごいのだろう。
 そういえばエイド君のBaseLvとか全然知らない。
 久しぶりに鑑定をしてみよう。


        ■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 エイド・バーンシュタイン BaseLv:23 年齢:16 職業:剣士Lv9

        ■□■□■□■□■□■□■□■□■□


 人を鑑定する時はMPの消費が上がる上に大した情報は得られない。
 それでも名前、BaseLv、年齢、職業と祝福や加護があったら備考に表示される。

 エイド君は冒険者のランクもDでCの試験を受ける程度には腕が立つ。
 BaseLvも20代前半だし、才能としては結構あるんだろう。
 職業Lvが低いのは転職でもしたのかな? 情報収集が趣味みたいだったし、元は違う職業に就いていてもおかしくない。
 でもやはり備考はないようで加護も祝福もない。

 鑑定で得られる情報にはステータスやスキルなんかはないので表面上のデータしか見れないから人相手にはあまり使わない。
 BaseLvが自分より高い相手には失敗するしせいぜいある程度の目安程度にしかならないし、加護や祝福を持っているかの確認程度が関の山だ。
 加護や祝福なんて持ってる人は早々いないし、強い人は纏っている雰囲気が常人のソレとは異なるのでわかる。まぁ強い人ほど上手く隠すみたいだけどBaseLvが上がってなんかわかるようになった。
 強そうだと思った人で上手く隠しているような人相手だと鑑定が失敗する場合が多い。
 とはいってもラッシュの街ではオレ以上のBaseLvの人は少数派だけど。


「さってと、行きましょうか」

「はぃ」


 赤いのがやっと取れてきたレーネさんを右側に、左側には手を繋いだアルと馬車まで向かうと冒険者ギルドへと出発するのだった。






      ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆








       ■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 クエスト名:デミオークの駆除
 ランク:D
 報酬:53000ラード+α

 内容:獣の窟を抜けた先にある岩場にデミオークが巣を作っていることが調査により判明。該当区域のデミオークの駆除を求む。
 最低20匹。それ以上は追加報酬。1匹につき2000ラード。
 オーククイーンの存在は未確認。


 備考:殲滅確認はしないため殲滅報酬はない。

       ■□■□■□■□■□■□■□■□■□


 掲示板を適当に眺めていて見つけた依頼だ。
 デミオークというのはオークの亜種のような魔物でオークよりも若干だが知能が高い。
 ランクDの依頼としては結構危険だが、オーククイーンが未確認のためにこのランクなのだろう。
 オーククイーンがもし確認されていた場合はランクがさらに上昇してB辺りになる。
 デミオークは通常のオークに見られない集団連携を取ってくるがそれでも2,3匹での連携が限界。
 しかしオーククイーンがいるとそれが5倍以上の10~15の集団で連携を取ってくるという厄介な存在に早代わりする。
 しかし巣を作る事自体があまりなく、せいぜい5匹程度の数でまとまっている事が多い。
 今回の依頼は巣を作ったために駆除の依頼が出たといったところ。
 放っておくとクイーンが生まれるらしい。

 デミオークはクイーンで、普通のオークはキングなのだそうだ。
 クイーンとキングが出会って子をなす場合もあるそうだが、その場合非常に厄介だという話だ。
 ただでさえ強いクイーンとキングが合流する事により大きな群となってしまう。
 そして生まれてくる子供はクイーンとキングの両方の性質を併せ持つ強力な個体となり、最初から魔結晶を持っている場合が多い。
 特殊進化個体モンスター化する場合も多く、オレが倒した狂豚鬼もクイーンとキングの子供ではないかと思われる。
 あんな化物が生まれるのは避けたい所だ。まぁ素材としても経験値としてもうまいけど危険だからね。


「じゃあこの依頼ということで」

【はい、問題ないと思います】


 ギルドにいるのでレーネさんは念話だ。
 レーネさん的にも特に問題ないようなのでコレを受ける事にする。
 なんかフラグ的にクイーンが居そうな気もするけどいても連携される前に殲滅すればどうってことないだろう。
 もしクイーンとキングが両方いて子供が生まれていても調査時からの時間経過を考慮に入れても特殊進化個体モンスターとなるほどの時間はないはずだ。
 そんなに簡単に特殊進化個体モンスターが生まれていては人類なんて滅亡しているだろうし。

 受付でさくっと受けると受付嬢の人からギルド員一同期待しております、といわれた。
 ギルドマスターを扱き使って職員の鬱憤晴らしをしたり、顎の事や一部しか知らないだろうけど祝福の事なんかもあり、どうやらオレは一目置かれているらしい。
 ソロ専門のレーネさんとPTを組んでいたりもするしね。

 受付嬢達の輝く笑顔に見送られてギルドを後にする。
 これでオレが普通の男の冒険者だったら周りから嫉妬の目線で射殺されるところだろうけど、生憎オレの外見は幼女なのだ!
 そんな幼女にやっかみの視線を向ければ他の女性冒険者なんかから白い目で見られる。
 しかもやっぱりレーネさんという存在が大きい。
 有名人のレーネさんに喧嘩を売ってくるようなバカはこのギルドにはいない。


「さぁさくっと終わらせよう!」

「はぃ!」

「はっ」


 一旦屋敷に戻って変えた超特急の馬車は目的地までひた走るのだった。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

処理中です...