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第二章
灰色の戦場
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翌朝、健介はいつもと同じ時間に満員電車に揺られていた。
湿った革靴の匂い、誰かの柔軟剤の甘い香り、そして人々の疲労が発する澱んだ空気が、閉め切られた車両に充満している。ガタン、ゴトンと規則正しく刻まれるレールの響きは、まるで巨大な機械の歯車に組み込まれた自分の、無力な心音のようだった。健介は吊り革を握る自分の左手に目を落とす。スーツの袖の下で、あの黒い茨の紋様が静かに息づいている。この腕には、もはや自分ではない何かが棲んでいる。
『……この圧迫感、不快極まりない。意思のない魂がただひしめき合っておる。聞くに堪えん精神の騒音じゃ』
ダリアの声が、侮蔑を隠しもせず脳内に響く。その声は、思考の隙間に冷たい電流のように流れ込んできて、健介自身の思考を麻痺させた。
「……これが普通なんだ」
健介は心の中でだけ、か細く反論した。声に出せば、このぎゅうぎゅう詰めの空間で、独り言を呟く不審者になってしまう。
会社に到着し、自分のデスクにつく。フロアに広がるのは、煮詰まったコーヒーの匂いと、サーバーやPCのファンが発する単調なノイズ。誰もが死んだような目でモニターに向かい、キーボードを叩いている。彼の戦場であるオフィスは、いつも通りの、活気のない無機質な喧騒に満ちていた。
健介は、必死に意識を仕事に向けようとした。山積みの書類、返信を求めるメールの山。日常業務という名の麻酔に身を委ねれば、この悪夢のような現実を、ほんの少しでも忘れられるかもしれない。
「あ、小林さーん、すいませーん」
その平穏を破ったのは、同じチームの後輩、渡辺だった。悪気はないが、常に要領よく立ち回り、面倒な作業は先輩に押し付けるのが上手い男だ。彼は健介のデスクに馴れ馴れしく寄りかかりながら、ファイルの束を差し出した。
「このデータ入力、急ぎなんですけど、ちょっと他で手一杯で。お願いできませんかね?」
いつものことだ。健介は口を開きかけた。「ああ、いいよ」と、そう言うはずだった。
『ふん、この若造が……』
ダリアの声が、冷ややかに響く。
『ケンスケ、貴様、なぜ黙ってそれを受け入れる? 貴様はそ奴の召使いではないぞ。それとも、この世界の序列では、お主はあの若造よりも下なのか?』
その声に突き動かされるように、健介の口から、自分でも予期せぬ刃のような言葉が飛び出した。
「自分でやれ」
しん、と周囲が静まり返った。
渡辺は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で固まっている。近くの席の同僚が、驚いてこちらを一瞥し、慌てて視線を逸らしたのが分かった。健介自身、自分の発言に最も心臓が跳ね上がっていた。
「あ、いや、すまん……。今、ちょっと立て込んでて、手が離せないだけだ」
慌てて取り繕うが、一度放たれた言葉は元には戻らない。渡辺は一瞬、信じられないという顔で健介を見つめ、やがて「……そ、そうすか。じゃあ、また後で……」と歯切れ悪く言うと、そそくさと自分の席に戻っていった。
健介は心臓が早鐘を打つのを感じながら、椅子に深く座り直した。言ってしまった。いつもなら絶対に言えない言葉を。左腕に宿るダリアが『フン、それでよい。ああいう輩には、己の立場というものを時折教えてやらねばならん』と満足げに呟くのが聞こえる。だが健介の心は、ほんの小さな爽快感と、それを遥かに上回る恐怖と後悔でいっぱいだった。午前中、健介は周囲のひそやかな視線を背中に感じながら、逃げるようにモニターの数字だけを追い続けた。
そんな最悪の精神状態で、昼過ぎには、関係部署との合同会議が待っていた。
大きな長テーブルが置かれただけの、殺風景な会議室。そこでは営業部の伊藤部長が、健介のチームが提出した企画案を、まるで個人的な恨みでもあるかのように執拗に攻撃していた。
「こんな数字の羅列では、説得力に欠けると言っているんです。これはただの願望でしょう。我々は事業をやっているのであって、お祈りをしているわけじゃないんですよ?」
健介は冷静に、データに基づいた反論を試みようとした。だが、ダリアは伊藤の言葉を、純粋な「敵意」として受信していた。
『ケンスケ』
ダリアの声が、氷のように研ぎ澄まされ、健介の意識を貫く。
『あの男、お主に対して明確な敵意を放っておるな。命令しろ。指一本で、あのやかましい喉を永遠に黙らせてやる』
(やめろ! これは議論だ、戦いじゃないんだ!)
健介は心の中で絶叫する。ダリアをなだめようとすればするほど、伊藤の話が頭から抜け落ちていく。額から、玉のような汗が流れ落ち、Yシャツの襟を濡らした。
「……聞いてるのかね、小林君! 顔色が悪いようだが、体調管理も仕事のうちだぞ!」
伊藤の怒声で、健介ははっと我に返った。会議室の全員が、訝しげに、あるいは嘲るように彼を見ている。健介は、しどろもどろに何かを答えたが、何を言ったか自分でも覚えていなかった。
会議が終わる頃には、健介は精神的に絞りかすのようになっていた。
自分のデスクに戻り、ぐったりと椅子に背を預ける。ダリアという存在は、ただそこにいるだけで、彼の日常の歯車を少しずつ、しかし確実に狂わせていく。
その、心身ともに弱り切ったタイミングを狙ったかのように、最悪の声がかかった。
「おい、小林君」
粘つくような声。高橋部長だった。腹の出た中年男は、勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
「昨日提出されたこの企画書だがね。小学生の読書感想文かね、これは?」
高橋は、健介が徹夜で仕上げた企画書を、指先で汚いものでも摘むかのように持ち上げ、ページをこれ見よがしにパラパラとめくり、デスクの上に放り投げた。
一日中続いたストレスと、ダリアの存在に苛まれていた健介の心の防御壁は、もはや砂上の楼閣だった。
『また小物か! ケンスケ、もう我慢ならん! このような侮辱、かつての我であれば一族郎党、根絶やしにしてくれるところを!』
ダリアの怒りが、脳内で灼熱の奔流となって渦巻く。
健介は、最後の理性を振り絞り、椅子から立ち上がった。
「申し訳ありません……」
頭を下げようとした、その時。
「まあ、君に期待した私が馬鹿だったというわけだ。給料分の働きもできないようじゃ、ここにいる価値もないんじゃないかねぇ?」
高橋は、下卑た笑みを浮かべながら、丸めた企画書で健介の肩を、嘲るようにポン、ポンと叩いた。
健介自身は、その最後の侮辱に耐えるつもりだった。目を閉じ、この嵐が過ぎ去るのを待つはずだった。
だが、ダリアは許さなかった。
『――その汚い手を、ケンスケからどけろと言っておるのだ!!!』
思考ではない。それは、ダリアの直接的な絶叫だった。
健介の意思とは全く無関係に、左腕が灼けつく。
全身の血液が左腕に集中し、黒い紋様がスーツの下で禍々しく発光するような錯覚。
次の瞬間、彼の左拳が、まるで空間そのものを切り裂くかのように、振り抜かれた。
パァンッ!!
空気が破裂するような、鈍く、それでいて鋭い音がオフィスに響き渡った。
静寂。
全ての音が死んだ。キーボードのタイプ音も、電話の呼び出し音も、人々の囁きも。オフィスにいた全員の動きが止まり、その視線が一点に集中する。
高橋部長は、何が起きたか理解できないという顔で、数秒間その場に立ち尽くし、やがて糸の切れた操り人形のように、ゆっくりと床に崩れ落ちた。その頬は不自然なほど赤く腫れ上がり、口の端から一筋、血が流れていた。
健介は、自分の左の拳を見下ろした。
痛みは全くない。ただ、自分の体の一部ではないような、奇妙な熱だけがそこにあった。スーツの袖に隠れた黒い紋様が、戦いを終えた獣の心臓のように、満足げに、そして静かに脈打っているのが分かった。
「あ……お、れが……?」
灰色の戦場に、健介の呆然とした呟きだけが、小さく、あまりにも小さく響いた。
湿った革靴の匂い、誰かの柔軟剤の甘い香り、そして人々の疲労が発する澱んだ空気が、閉め切られた車両に充満している。ガタン、ゴトンと規則正しく刻まれるレールの響きは、まるで巨大な機械の歯車に組み込まれた自分の、無力な心音のようだった。健介は吊り革を握る自分の左手に目を落とす。スーツの袖の下で、あの黒い茨の紋様が静かに息づいている。この腕には、もはや自分ではない何かが棲んでいる。
『……この圧迫感、不快極まりない。意思のない魂がただひしめき合っておる。聞くに堪えん精神の騒音じゃ』
ダリアの声が、侮蔑を隠しもせず脳内に響く。その声は、思考の隙間に冷たい電流のように流れ込んできて、健介自身の思考を麻痺させた。
「……これが普通なんだ」
健介は心の中でだけ、か細く反論した。声に出せば、このぎゅうぎゅう詰めの空間で、独り言を呟く不審者になってしまう。
会社に到着し、自分のデスクにつく。フロアに広がるのは、煮詰まったコーヒーの匂いと、サーバーやPCのファンが発する単調なノイズ。誰もが死んだような目でモニターに向かい、キーボードを叩いている。彼の戦場であるオフィスは、いつも通りの、活気のない無機質な喧騒に満ちていた。
健介は、必死に意識を仕事に向けようとした。山積みの書類、返信を求めるメールの山。日常業務という名の麻酔に身を委ねれば、この悪夢のような現実を、ほんの少しでも忘れられるかもしれない。
「あ、小林さーん、すいませーん」
その平穏を破ったのは、同じチームの後輩、渡辺だった。悪気はないが、常に要領よく立ち回り、面倒な作業は先輩に押し付けるのが上手い男だ。彼は健介のデスクに馴れ馴れしく寄りかかりながら、ファイルの束を差し出した。
「このデータ入力、急ぎなんですけど、ちょっと他で手一杯で。お願いできませんかね?」
いつものことだ。健介は口を開きかけた。「ああ、いいよ」と、そう言うはずだった。
『ふん、この若造が……』
ダリアの声が、冷ややかに響く。
『ケンスケ、貴様、なぜ黙ってそれを受け入れる? 貴様はそ奴の召使いではないぞ。それとも、この世界の序列では、お主はあの若造よりも下なのか?』
その声に突き動かされるように、健介の口から、自分でも予期せぬ刃のような言葉が飛び出した。
「自分でやれ」
しん、と周囲が静まり返った。
渡辺は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で固まっている。近くの席の同僚が、驚いてこちらを一瞥し、慌てて視線を逸らしたのが分かった。健介自身、自分の発言に最も心臓が跳ね上がっていた。
「あ、いや、すまん……。今、ちょっと立て込んでて、手が離せないだけだ」
慌てて取り繕うが、一度放たれた言葉は元には戻らない。渡辺は一瞬、信じられないという顔で健介を見つめ、やがて「……そ、そうすか。じゃあ、また後で……」と歯切れ悪く言うと、そそくさと自分の席に戻っていった。
健介は心臓が早鐘を打つのを感じながら、椅子に深く座り直した。言ってしまった。いつもなら絶対に言えない言葉を。左腕に宿るダリアが『フン、それでよい。ああいう輩には、己の立場というものを時折教えてやらねばならん』と満足げに呟くのが聞こえる。だが健介の心は、ほんの小さな爽快感と、それを遥かに上回る恐怖と後悔でいっぱいだった。午前中、健介は周囲のひそやかな視線を背中に感じながら、逃げるようにモニターの数字だけを追い続けた。
そんな最悪の精神状態で、昼過ぎには、関係部署との合同会議が待っていた。
大きな長テーブルが置かれただけの、殺風景な会議室。そこでは営業部の伊藤部長が、健介のチームが提出した企画案を、まるで個人的な恨みでもあるかのように執拗に攻撃していた。
「こんな数字の羅列では、説得力に欠けると言っているんです。これはただの願望でしょう。我々は事業をやっているのであって、お祈りをしているわけじゃないんですよ?」
健介は冷静に、データに基づいた反論を試みようとした。だが、ダリアは伊藤の言葉を、純粋な「敵意」として受信していた。
『ケンスケ』
ダリアの声が、氷のように研ぎ澄まされ、健介の意識を貫く。
『あの男、お主に対して明確な敵意を放っておるな。命令しろ。指一本で、あのやかましい喉を永遠に黙らせてやる』
(やめろ! これは議論だ、戦いじゃないんだ!)
健介は心の中で絶叫する。ダリアをなだめようとすればするほど、伊藤の話が頭から抜け落ちていく。額から、玉のような汗が流れ落ち、Yシャツの襟を濡らした。
「……聞いてるのかね、小林君! 顔色が悪いようだが、体調管理も仕事のうちだぞ!」
伊藤の怒声で、健介ははっと我に返った。会議室の全員が、訝しげに、あるいは嘲るように彼を見ている。健介は、しどろもどろに何かを答えたが、何を言ったか自分でも覚えていなかった。
会議が終わる頃には、健介は精神的に絞りかすのようになっていた。
自分のデスクに戻り、ぐったりと椅子に背を預ける。ダリアという存在は、ただそこにいるだけで、彼の日常の歯車を少しずつ、しかし確実に狂わせていく。
その、心身ともに弱り切ったタイミングを狙ったかのように、最悪の声がかかった。
「おい、小林君」
粘つくような声。高橋部長だった。腹の出た中年男は、勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
「昨日提出されたこの企画書だがね。小学生の読書感想文かね、これは?」
高橋は、健介が徹夜で仕上げた企画書を、指先で汚いものでも摘むかのように持ち上げ、ページをこれ見よがしにパラパラとめくり、デスクの上に放り投げた。
一日中続いたストレスと、ダリアの存在に苛まれていた健介の心の防御壁は、もはや砂上の楼閣だった。
『また小物か! ケンスケ、もう我慢ならん! このような侮辱、かつての我であれば一族郎党、根絶やしにしてくれるところを!』
ダリアの怒りが、脳内で灼熱の奔流となって渦巻く。
健介は、最後の理性を振り絞り、椅子から立ち上がった。
「申し訳ありません……」
頭を下げようとした、その時。
「まあ、君に期待した私が馬鹿だったというわけだ。給料分の働きもできないようじゃ、ここにいる価値もないんじゃないかねぇ?」
高橋は、下卑た笑みを浮かべながら、丸めた企画書で健介の肩を、嘲るようにポン、ポンと叩いた。
健介自身は、その最後の侮辱に耐えるつもりだった。目を閉じ、この嵐が過ぎ去るのを待つはずだった。
だが、ダリアは許さなかった。
『――その汚い手を、ケンスケからどけろと言っておるのだ!!!』
思考ではない。それは、ダリアの直接的な絶叫だった。
健介の意思とは全く無関係に、左腕が灼けつく。
全身の血液が左腕に集中し、黒い紋様がスーツの下で禍々しく発光するような錯覚。
次の瞬間、彼の左拳が、まるで空間そのものを切り裂くかのように、振り抜かれた。
パァンッ!!
空気が破裂するような、鈍く、それでいて鋭い音がオフィスに響き渡った。
静寂。
全ての音が死んだ。キーボードのタイプ音も、電話の呼び出し音も、人々の囁きも。オフィスにいた全員の動きが止まり、その視線が一点に集中する。
高橋部長は、何が起きたか理解できないという顔で、数秒間その場に立ち尽くし、やがて糸の切れた操り人形のように、ゆっくりと床に崩れ落ちた。その頬は不自然なほど赤く腫れ上がり、口の端から一筋、血が流れていた。
健介は、自分の左の拳を見下ろした。
痛みは全くない。ただ、自分の体の一部ではないような、奇妙な熱だけがそこにあった。スーツの袖に隠れた黒い紋様が、戦いを終えた獣の心臓のように、満足げに、そして静かに脈打っているのが分かった。
「あ……お、れが……?」
灰色の戦場に、健介の呆然とした呟きだけが、小さく、あまりにも小さく響いた。
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