陽葵の笑顔に僕は夢中だ。

そら

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3章 太陽の輝き…

無力

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 一睡もできないまま迎えた朝、僕は泥と雨に汚れたボロボロの格好で、引きずられるようにして学校へ向かった。
 頭の中にあるのは、雨の中に消えた陽葵の泣き声だけだった。

「悠真くん……!? その格好、どうしたの……」
 
 登校した僕の姿を見るなり、栞が青ざめた顔で駆け寄ってきた。震える僕の手を引き、彼女は周囲の目を避けるようにして僕を保健室へと連れて行った。
 
 カーテンで仕切られたベッドの端に座らされ、栞が濡れたタオルで僕の顔や手の汚れを拭う。

「栞、陽葵はどうなった……!? お父さん、警察に連絡してくれたんだろ?」

 僕の問いに、栞は苦しげに視線を落とした。

「お父さんは連絡してくれたわ。でも……証言しているのが子供…だってことで、警察の動きがすごく遅かったみたい。夜のうちには動いてくれなくて…今朝、確認に行くって言っていたわ…。」

「今朝!? ふざけるな! 包丁を持って追いかけてたんだぞ、死んでるかもしれないんだぞ!」

 怒りで立ち上がろうとする僕の肩を、栞は必死に抑えつけた。

「わかってる、悠真くん。でも今は、警察に任せるしかないの……私たちが動いても、昨夜みたいに見つからないだけよ」
 
 絶望的な沈黙のまま、昼休みを迎えた。栞のスマートフォンに、彼女の父親から連絡が入る。
 
 スピーカー越しに聞こえてきたのは、あまりに無機質で残酷な「日常」の報告だった。

『警察が陽葵さんの自宅を訪問したそうだ。母親が対応したが、確かに昨夜は親子喧嘩をしたと認めている。……だが、よくある家庭内の揉め事だと言っているらしい。前にも家出をした前科があるから、またどこかで頭を冷やしているんだろう、と。警察は母親に捜索願を出させ、周辺のパトロールを強化することで引き上げたそうだ』

「…………っ!!」
 
 本能のまま叫びたい…。
 けれど、声にはならなかった。
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