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4章 日食
遺書
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「……そんな、嘘だろ?」
僕は震える声でそう漏らすのが精一杯だった。栞は、見えない陽葵に言い聞かせるように、震える唇を動かして詳細を話し始めた。
「がっ…学校の近くにある。あの山で発見…されたらしいわ…。側には洞窟があって…陽葵のお母さんのスマホには、遺書のようなメッセージも残されていたみたい…。詳しい内容は、お父さんも教えてくれなかったけれど……」
栞はそこで一度言葉を切り、苦しげに視線を落とした。
「警察は……陽葵は、もう生きてはいないだろうって……そう判断したみたいよ」
血の気が引いていくのが分かった。心臓が嫌な音を立てて早鐘を打つ。僕は青ざめた顔で、隣にいるはずの陽葵の方をゆっくりと見た。
そこには、絶望という言葉を形にしたような表情で、陽葵が崩れ落ちるように座り込んでいた。大きな瞳からは、大粒の涙が次から次へと溢れ出している。
「陽葵……、待てよ、まだ決まったわけじゃ……」
僕が震える手を伸ばし、彼女に声をかけようとしたその瞬間。
『……いやっ!!』
陽葵は悲鳴のような声を上げると、弾かれたように立ち上がった。そして僕の手をすり抜け、狂ったような勢いでその場から走り去ってしまった。
「陽葵! 待て!」
叫び声は空しく響き、彼女の姿は校舎へと消えていく。残された僕と栞の間には、重く冷たい沈黙と、最悪の結末を予感させる空気だけが漂っていた。
陽葵を追いかけることもできず、その場に立ち尽くす僕に、栞は震える声でさらに詳細を語り出した。
「……警察は、二人が……お母さんとあの彼氏が、逃亡生活に疲れて自ら命を絶った可能性が高いと考えているみたい。たぶん洞窟で、追い詰められて……」
栞は推察を交えながら、残酷な現実を一つずつ紡いでいく。
「……そんなの、あんまりじゃないか。」
僕は地面を見つめたまま、絞り出すように言った。陽葵があんなに必死に思い出そうとしていた家族の形が、こんな最悪な結末で幕を閉じるなんて。
隣で話していた栞が、急に声を詰まらせた。見ると、彼女の瞳からは大粒の涙が溢れていた。
「……悠真くん、今一番傷ついているのは、陽葵なのよ。母親が、自分を殺して母親たちも死んだなんて……そんなの、耐えられるはずがないわ…。」
栞は僕の腕を強く掴み、涙ながらに僕の顔を見つめた。
「私には、あの子が見えない。どこへ行ったのかも、どんな顔をして泣いているのかも分からない……。でも、悠真くんなら、あの子を見つけられるでしょう? 陽葵が大好きな悠真くんが、今そばにいてあげなきゃダメじゃない!」
栞の叫びが、僕の胸を強く叩いた。そうだ。絶望に飲み込まれそうな彼女を救い出せるのは、今、
彼女の姿が見えている僕しかいない。
「……行ってくる、栞!」
「お願い、陽葵を……あの子を見つけて!」
栞の言葉を背に受け、昼休みで騒がしい校舎へと駆け出した。
僕は必死に陽葵の名前を心の中で叫びながら、校内を走り回った。
僕は震える声でそう漏らすのが精一杯だった。栞は、見えない陽葵に言い聞かせるように、震える唇を動かして詳細を話し始めた。
「がっ…学校の近くにある。あの山で発見…されたらしいわ…。側には洞窟があって…陽葵のお母さんのスマホには、遺書のようなメッセージも残されていたみたい…。詳しい内容は、お父さんも教えてくれなかったけれど……」
栞はそこで一度言葉を切り、苦しげに視線を落とした。
「警察は……陽葵は、もう生きてはいないだろうって……そう判断したみたいよ」
血の気が引いていくのが分かった。心臓が嫌な音を立てて早鐘を打つ。僕は青ざめた顔で、隣にいるはずの陽葵の方をゆっくりと見た。
そこには、絶望という言葉を形にしたような表情で、陽葵が崩れ落ちるように座り込んでいた。大きな瞳からは、大粒の涙が次から次へと溢れ出している。
「陽葵……、待てよ、まだ決まったわけじゃ……」
僕が震える手を伸ばし、彼女に声をかけようとしたその瞬間。
『……いやっ!!』
陽葵は悲鳴のような声を上げると、弾かれたように立ち上がった。そして僕の手をすり抜け、狂ったような勢いでその場から走り去ってしまった。
「陽葵! 待て!」
叫び声は空しく響き、彼女の姿は校舎へと消えていく。残された僕と栞の間には、重く冷たい沈黙と、最悪の結末を予感させる空気だけが漂っていた。
陽葵を追いかけることもできず、その場に立ち尽くす僕に、栞は震える声でさらに詳細を語り出した。
「……警察は、二人が……お母さんとあの彼氏が、逃亡生活に疲れて自ら命を絶った可能性が高いと考えているみたい。たぶん洞窟で、追い詰められて……」
栞は推察を交えながら、残酷な現実を一つずつ紡いでいく。
「……そんなの、あんまりじゃないか。」
僕は地面を見つめたまま、絞り出すように言った。陽葵があんなに必死に思い出そうとしていた家族の形が、こんな最悪な結末で幕を閉じるなんて。
隣で話していた栞が、急に声を詰まらせた。見ると、彼女の瞳からは大粒の涙が溢れていた。
「……悠真くん、今一番傷ついているのは、陽葵なのよ。母親が、自分を殺して母親たちも死んだなんて……そんなの、耐えられるはずがないわ…。」
栞は僕の腕を強く掴み、涙ながらに僕の顔を見つめた。
「私には、あの子が見えない。どこへ行ったのかも、どんな顔をして泣いているのかも分からない……。でも、悠真くんなら、あの子を見つけられるでしょう? 陽葵が大好きな悠真くんが、今そばにいてあげなきゃダメじゃない!」
栞の叫びが、僕の胸を強く叩いた。そうだ。絶望に飲み込まれそうな彼女を救い出せるのは、今、
彼女の姿が見えている僕しかいない。
「……行ってくる、栞!」
「お願い、陽葵を……あの子を見つけて!」
栞の言葉を背に受け、昼休みで騒がしい校舎へと駆け出した。
僕は必死に陽葵の名前を心の中で叫びながら、校内を走り回った。
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