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5章 日月
クマさん
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すっかり暗くなった夜道を、僕はひたすら走り続けた。肺が焼けるように熱いけれど、足は止めなかった。
やがて闇の中に校舎のシルエットが見えてくると、僕はすぐにスマホのライトを点灯させ、大きく左右に振って合図を送った。
しばらくすると、校舎の方から陽葵がふわりと駆け寄ってきた。
『悠真くん……! よかった、無事だったんだね……!』
僕の姿を確認すると、彼女は崩れ落ちるように安堵の表情を浮かべた。
「……ああ。最初は敷地に入ろうとした瞬間、昨日の警察官に見つかって、もうダメかと思った。でも、その人が協力してくれて……なんとか、この子を連れてくることができたよ」
僕は上着の中から、あのクマのぬいぐるみを取り出した。
「佐藤さん……あの警察官が止めてくれなかったら、僕は今頃、本当に犯罪者になってたかもしれなかった」
自分の向こう見ずな行動を反省し、肩を落とす僕を見て、陽葵は涙目で僕の顔を覗き込んだ。
『佐藤さんには、本当に感謝だね……。でも悠真くん、もうあんな危ないことはしないで。私のせいで悠真くんが捕まっちゃうなんて、そんなの絶対に嫌だよ……』
「……ごめん。次はもっと気をつけるよ」
僕は彼女を安心させるように小さく笑い、ぬいぐるみを彼女の前に差し出した。
「とにかく、試してみよう。これなら、入れるかもしれない」
陽葵は少し緊張した面持ちで頷くと、愛おしそうにぬいぐるみに手を伸ばした。彼女の体がゆっくりと吸い込まれるように、ぬいぐるみの中へと消えていく。
「……陽葵? 成功したのか?」
問いかけるが、返事がない。動く気配もなく、ただのぬいぐるみがそこに座っているだけだ。
「陽葵! 返事をしてくれ!」
僕が慌ててぬいぐるみに駆け寄ろうとしたその時。
『……ぷはーっ!』
陽葵が勢いよくぬいぐるみの中から顔を出した。
『びっくりした? ……やっぱり、ぬいぐるみの中には入れたよ! でも、入ってる間は喋ることができないみたい。……これなら、悠真くんと一緒に外に出られるかな?』
そう言って陽葵は、いたずらっぽく、けれど嬉しそうに微笑んだ。
やがて闇の中に校舎のシルエットが見えてくると、僕はすぐにスマホのライトを点灯させ、大きく左右に振って合図を送った。
しばらくすると、校舎の方から陽葵がふわりと駆け寄ってきた。
『悠真くん……! よかった、無事だったんだね……!』
僕の姿を確認すると、彼女は崩れ落ちるように安堵の表情を浮かべた。
「……ああ。最初は敷地に入ろうとした瞬間、昨日の警察官に見つかって、もうダメかと思った。でも、その人が協力してくれて……なんとか、この子を連れてくることができたよ」
僕は上着の中から、あのクマのぬいぐるみを取り出した。
「佐藤さん……あの警察官が止めてくれなかったら、僕は今頃、本当に犯罪者になってたかもしれなかった」
自分の向こう見ずな行動を反省し、肩を落とす僕を見て、陽葵は涙目で僕の顔を覗き込んだ。
『佐藤さんには、本当に感謝だね……。でも悠真くん、もうあんな危ないことはしないで。私のせいで悠真くんが捕まっちゃうなんて、そんなの絶対に嫌だよ……』
「……ごめん。次はもっと気をつけるよ」
僕は彼女を安心させるように小さく笑い、ぬいぐるみを彼女の前に差し出した。
「とにかく、試してみよう。これなら、入れるかもしれない」
陽葵は少し緊張した面持ちで頷くと、愛おしそうにぬいぐるみに手を伸ばした。彼女の体がゆっくりと吸い込まれるように、ぬいぐるみの中へと消えていく。
「……陽葵? 成功したのか?」
問いかけるが、返事がない。動く気配もなく、ただのぬいぐるみがそこに座っているだけだ。
「陽葵! 返事をしてくれ!」
僕が慌ててぬいぐるみに駆け寄ろうとしたその時。
『……ぷはーっ!』
陽葵が勢いよくぬいぐるみの中から顔を出した。
『びっくりした? ……やっぱり、ぬいぐるみの中には入れたよ! でも、入ってる間は喋ることができないみたい。……これなら、悠真くんと一緒に外に出られるかな?』
そう言って陽葵は、いたずらっぽく、けれど嬉しそうに微笑んだ。
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