陽葵の笑顔に僕は夢中だ。

そら

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5章 日月

アルバム

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 久しぶりに落ち着いて部屋を見渡すと、床には埃や紙屑が目立っていた。元々、部屋は綺麗にしていたほうだったが、ここ数日は手をつける余裕なんてなかった。陽葵がいなくなってから、僕はどこか自暴自棄になっていたんだと自嘲する。

 とりあえずゴミを拾い、掃除機をかけると、ようやく部屋は元の清潔さを取り戻した。

 ついでにリビングも掃除しようと部屋を出て、父さんの部屋の前を通りかかったとき、ふと足が止まった。この間、父さんが教えてくれた「母さんが逃げた」という話を思い出し、誘われるように父さんの部屋のドアを開けた。

 父さんの部屋に入ることは今までほとんどなかったので、少し興味深く周りを見渡す。すると、机の上に少しボロボロになったアルバムが置いてあった。

 アルバムはすべて埋まっているわけではなく、最初の数ページは白紙だったが、何枚か捲ると写真が現れた。

 そこに写っていたのは、生後間もない僕だった。そして、その僕を愛おしそうに抱きしめている女性。この人が、母さんなんだとすぐにわかった。
父さんと母さんが幸せそうに僕と一緒に写っている写真が、何枚も続く。

「……こんなに幸せそうなのに、どうして逃げたりしたんだよ」

 込み上げてくるのは、やるせなさと悔しさだった。

 さらにページを遡るように捲ると、父さんと母さんが付き合っていた頃の写真が出てきた。大学生の時、そして高校生の時。二人は随分と昔から一緒にいたんだな、と思う。

 アルバムの中の二人は、本当に仲が良さそうに見えた。

 けれど、妙な点に気づく。大学時代と高校時代のページには、何枚も写真を無理やり剥いだような跡が残っていた。

 そして、この写真…。母さんの笑顔が…。陽葵に似ているような気がした。
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