漆黒の魔術師と金の聖女ー時空転移は永遠の出会いー

雛瀬智美

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第二章

番外「ブレス(☆)」

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ウィザードは魔法使い、ブレスはまんま吐息です。





 指の一本一本を撫でて、キスをされた。

 不思議な感覚に、思わず声を漏らしたら、

 クライヴは意味深に唇を吊り上げた。

「感じたのか」

 淡々と呟いた一言に、うつむく。

 恥ずかしくて、顔が真っ赤になっているに違いない。

 魔力で作られた庭園は、木々のざわめきも本物と変わらない。

 不気味なほど綺麗で現実感を伴わない光景だが、この場所が大好きだった。

 日が昇り、沈む。

 暗闇に支配された城の中で、一日の時の流れを

 感じることができる唯一の場所。

 クライヴの精神を保つために作ったというけれど、今は、

 二人で共に過ごす為の大切な場所になった。

 空を見上げれば、太陽は高い位置にあり昼間だというのが知れる。

 未だ午後を回ったばかりだというのに……。

「クライヴ、まだ明るいんですよ」

 本音を言えば厭ではない。

 けれど日の光が降り注ぐ中で、

 愛し合うことへの恥じらいが、歯止めをかける。

 それとも、私の想像力が逞しいのかしら。

 クライヴもまさかこれ以上先へ進めようと思ってはないのでは?

 ぐるぐる回る思考を止められない。

「……ルシア」

 手を握られて我に返る。

 間近でクライヴが顔を覗き込んでいた。慌てて椅子から立ち上がる。

 膝立ちの格好のクライヴは、そのまま私の行動にしたがい、

 立ち上がった。様子を見ているのだ。

 見つめられるのが気まずくなって、

 背を向けて、ぼそり。呟く。

「……クライヴ、ここって庭園ですよね」

「そうだな」

「ちょっと色々想像してしまったんですけど」

「何を想像したんだ」

「……言えません」

 どこか楽し気な声に、聞こえて、たじろぐ。

 顔を見ても表情では分かりづらいのがクライヴだ。

 クライヴからすれば、私はとても分かりやすいのだろう。

 しばらく、沈黙の気配がしたので胸をなでおろす。

「あ、お昼ご飯の支度でもします」

 そろそろお昼も回った時刻なので、まんざら嘘でもない逃げの口実だった。

 歩みを進めようとしたが、長い腕が

 腰に巻きついて、大きな体に包みこまれてしまった。

「では、想像通りか教えてくれ」

 間を置いたのは考えていたからなのか。

 こくり頷いた私は、甘い罠にかかったことを自覚していた。

 思えば少し焦らしてみたかったのかもしれない。

 クライヴと溶け合う瞬間をいつだって夢見てるのは、同じなのだから。

 体が宙に浮いて、横抱きにされる。

 ひとつ、息をつく間に、空間転移した。

 以前は空間が捻れるような理解不能な現象に頭がついていかなかった。

 今では、瞬時に移動する楽しみに心躍るほどだ。

 普通に生きていては体験できないことをいっぱい知っている。

 素敵なことだ。

「……クラ……!?」

「変な所で止めるな」

「部屋に移動してくれるんだと期待したんですけど」

 ……ここは浴室ではないか!

 さすがに許容できない。

「どうせ後で来ることになるだろ。

 最初からここにいた方が何もかも合理的だ」

「……確かに」

 って納得しちゃ思うつぼだけれど、言い返す文句が思いつかない。

 むっと睨んでみるけど、まるで効いていない。

 むしろ気にしていないようだ。

「……今日は一段と振り回されたが、そろそろ言うこときいてもらおうか」

 捨て台詞に息を飲む。

「あ……っ……」

 耳元に吹きかけられた息に、びくんと体が震えた。

 浴室の壁を指で掴むも、嫌な音を立てて爪がすべっていく。

 壁についたクライヴの手が束縛の檻を作っていた。

 手のひらは必然と床の上に置かれる。

 「本当に嫌なのか」

 切羽詰まった声音。

「……嫌なはずがないでしょう」

 かろうじて口にしたのだけれど、言葉になっていたかどうか。

 この状況を作りださなくても、

 最後は捕まるのに、クライヴは私をいじめるのが好きなのだ。

「……その言葉がききたかった」

 ささやかれたのは耳元。

 そのまま軽く耳たぶを噛まれた。 

 ぎゅっとクライヴの裾を掴んで、目を凝らす。

 情欲に濡れた瞳に高ぶりを覚えた。

  「転移の魔術は二通りある」

「……っ」

 耳に直接息が吹き込まれているから、彼の声が振動して伝わる。

 こちらの反応を見ながら、やけに真摯な口調だ。

「ひとつは、空間転移……いつも使っているから分かるな」

「あ……っん」

 そんなことを言いながらも、愛撫はおろそかにしない。

 ぺろり、舐められた耳の裏から、肌に電流が走った。

「もうひとつは、時空転移。お前はそれで、ここに呼びよせられた」

「……ふぅ……んっ」

 首筋に軽く歯を立てられて、体をくねらせる。

 もはや、ほとんど床に横たわった状態になった。

 クライヴは余裕だ。

 意識は、翻弄される体に向いていて、講義はまともに聞き取れない。

 無理もないことなのに。

「聞いているのか、ルシア?」

 彼は尊大に口元で笑った。

 こくこくと頷く。

 彼が満足するように。

「本当か」

「っ……や……ん」

 衣服の上から、頂きを摘ままれた。

「そうか、なら体に聞いてやろう」

 道理が合ってない。むちゃくちゃだ。

 私はなすがまま彼の心の赴くままに、今宵も体を開かれてゆくのだ。

 投げだした腕が、床に触れた。

 乱暴にならないぎりぎりの丁寧さで衣服が脱がされてゆく。

 破くことも、好きだったりする彼は、相当な変態だ。

 けれど指摘すると、仕返しされるからもう口にはしないことにしている。

 性急に進めたいのだろうけど、堪えているのだ。

 冷静な性格ゆえ。

 自らの衣服も綺麗に脱ぎ去って、抱きしめる。

 驚くほど熱い肌に、情熱を思い知る。

 お腹の辺りに、固くて存在を主張するものが触れて、

 こちらの肌の熱も上がる。

「う……っん……」

 舌で唇をなぞって侵入する。

 差し出された舌に自らも舌を絡めて応えた。

 愛しているから、伝えたい。すべてはそこからきているに過ぎない。

 互いの舌を吸って、吐息が混ざる。

 執拗なまでに貪っているその間にも、クライヴの手は、肌を下降していく。

 首筋から下をくまなく撫でてから胸元を捉える。

「固いな……」

 指先で頂きを弾いて、膨らみを揉みしだかれ始める。

 頂きごと指の間に挟まれ、両の胸がもみくちゃにされている。

 形を変える度、揺れるのが分かる。

 唇が、離れた時粘っこく糸をひいていた。

「ふぁ……っ」

 ちゅく、直接口に含まれて挟まれる。

 手で唇を押さえても漏れる声が、浴室に響く。

 揉まれて、きつく吸い上げられて、体の芯が、うずいた。

 ぼうっと、身を任せながら、意識を

 手放したくないと必死で自分に言い聞かせる。

 私を陥落させるクライヴの手練手管に負けそうで……だから、対抗する。

 ついていきたいの。

 強弱をつけながら、膨らみを吸われつつも、

 指が、おへその上を辿り、割れ目を一度往復した。

 途端、背が浮いた。

 確認するように、もどかしく指が動く。

 舌が頂きを転がしている。

 生理的な涙が勝手にこぼれる。

 感じて、今にも中から破裂しそうな何か。

「濡れすぎだな……確認しないと」

 ぞく。

 言葉を聞くだけでも駄目だ。

 足首から順番に、真ん中を目指して指と唇が進む。

 じれったい感覚に身震いするしかない。

 クライヴを受け入れたくて、自ら脚を絡ませてしまう。

「ルシア」

 唇をそっと啄んで見つめてくる。

「っ……ああっ」

 濡れた音は、紛れもなく自分が出しているのだ。

 外側から内側へ向けて蜜をこすりつけられ、また溢れる。

 浴室内では反響するから余計生々しい。

「こんなに絡みついている」

 淡々と呟き指を見せつけられて、叫び出したくなった。

 壁に備えつけの蜀台の灯りのせいで嫌でも、痴態が、露わになってしまう。

 多分、彼はこれが狙いだったのだ。

 見られていることに感じている私も私だから同罪だ。
 彼ばかり責められない。

 指が蜜を掻き出し、中に侵入した。

 浅くごつごつした場所でうごめく長い指。

 絶えず喘ぎが唇から漏れる。

 指を出し入れして、最後にひと突きされて、

 一際高い声を上げて、ついに達してしまった。





 うっすらとまぶたを押し開くと、

「あれでも我慢してたんだな」

 感心するクライヴに、きょとんとする。

 周囲を見渡せば、意識を飛ばしている時に場所が移動させられたのだろう。

 湯船の中だ。

 火照って高ぶっている肌のせいで、再び頭がぼうっとしてくる。

 やはり眠くてうとうとしてしまう……

 お湯は適温に調節されているから気持ちいい。

 クライヴの腕の中に収まっているから、

 包まれている心地よさも合わさっているのだ。

「そんな陶然とした顔で、……口まで半開きじゃないか」

 呆れている気配も気にならない。

 しっかり腰に回った腕が力強くて、

 クライヴに言われた通りうっとり瞳を閉じていた。

「このまま眠っていいと思っては、いないのだろう?」

「……ん」

「ふん、返事はできるようだ。いいだろう」

「俺を誘ったことの代償をたっぷり、払わせてやるよ。

 簡単には眠らせてなどやるものか」

 びくっと全身が反応した。

 その瞬間、意識が完全に目を覚ました。

 強気でこの上なく、甘く私を攻めたてる言葉によって。





 「あ……っふ」

 角度を変えながら、キスが繰り返される。

 手が膨らみと、秘部の両方をもて遊ぶ。

 腰が跳ねて、お湯が波を立てた。

 痛くて気持ちいい……まさにそれが正しい。

 既に一度達した体は、ささいな刺激にも敏感だ。

 体が、クライヴを求めて暴れ出す。

 さっきから、成長したクライヴ自身が、背中の下辺りで
うごめいていて、びくんと腰を揺らしてしまう。

「はあ……」

 息があがる。

 やめて、これ以上は、悪戯に追い詰めないで。

 斜め上を見上げても、クライヴの表情からは何も窺えないが、

 荒い息づかいからは、彼の理性も限界だと伝わってくる。

 腕の拘束から、そっと逃れると、

「クライヴ」

 名を呼んだ。

 切なく、焦がれる彼の名を。

 無邪気に欲しがる、私に、与えて欲しい。

 ごくり。

 その瞬間、息を飲む音が聞こえた。

 狂おしく見つめてくるクライヴが、いとしくて思いきり抱きついた。

「っは……」

 背中に腕を回した途端、クライヴが中に入ったのを感じた。

 苦しいほどの圧迫感。

 お互い、息を吐き出して、抱擁をする。

 見つめ合って、微笑みを交わす

 クライヴの上唇をかんで、舌を突き入れた。

 差し出した舌を突き合う。

 繋がっていても、身じろぎはしていないのに、

 どこまでも、一体感を感じる。

 私の中で感じる彼は、存在を主張してやまない。

 繋がっている状態で動いていないから、

 より一つになれていると感じるのかもしれない。

 クライヴの胸板に頬を寄せて心音を確かめたり、首筋にキスをしたり。

 たまにはこんな触れ合いもいい。

 時の流れも緩やかに感じられるし、気が急く感覚もなかった。

 このままでいれば、溶け合えると

 信じられる。離れなくてもいいと。

 体に広がる安らかな感覚に、小さく溜め息をついた。

「クライヴ……好き」







 甘い吐息が、俺を狂わせる。

 しどけなく開いた唇が、幾度も名を呼び、愛を告げる。

 頬を白い指先でなぞりながら、ルシアは微笑んだ。

「ああ」

 さらり、金の髪を梳いてやる。

 額に張りついた前髪から汗が堕ちる。

 決して、激しい行為をしているわけではない。

 ゆっくりと、普段考えられないほどじっくりと高め合っているだけなのに、

 これほどの一体感を感じたことが、今まであっただろうか。

 どうしようもなく、愛しい。

 それ以外の何物でもない。

 お互いの肌に手を滑らせて、確かめる。

 満ち足りた微笑みは、

 この高め合う行為は二人にとって意味があるものだと教えてくれた。

 自然と寄り添うルシアを、優しく抱きしめて、

 余りにも華奢で壊れそうな姿に胸を突かれる。

「……何か変な感じなんです。

 でも、クライヴが近くて、嬉しい」

「俺もだ」

 髪を梳いて、指を絡める。

 交わりの真の意味を理解した気がする。

 ずっと、このままで構わないと感じてしまうのだが……、

 ルシアの中で、俺自身が欲を吐き出したがっていた。

 大人しく宥めすかしていたつもりだったが、そろそろ限界だ。

「……ルシア、いいか」

「ええ」

 耳元でささやいたら、掠れた声が返る。

 長く居座っていたルシアの中からようやく抜け出す。

 体を離したら、名残惜しそうな視線とぶつかる。

 上目遣いの仕草に、どうしようもない焦燥を掻きたてられた。

 強く抱きよせて、奥まで貫いた。

「はあっ……」

「愛している」

 鋭く貫いて、腰を前後させる。

 抜き差ししていると、お湯ではない別の液体が、ねっとり絡んできた。

 潤いすぎているくらいだから、難なく行き来できる。

 動きとともに、湯の飛沫があがる。

 欲を全部、注ぎ込むように何度も腰を突き動かす。

 不自然に反る背中を抱きかかえ、胸元に歯を立てる。

 吐息ごと飲みこんでしまいたくて、唇を塞ぐ。

「イケよ……思う存分」

「っんふ……」

 唇の近さに、互いの息がかかる。

「全部、受け止めてやる。一番美しいお前を見せてくれ」

 ルシアを膝に乗せて、下から突き上げた。

 甘い啼き声が、浴室内でこだまする。

 ぐったりと、肩に倒れこんできた体を、腕の中でしっかりと抱きしめる。

 最後のケアは楽しみでもあって、思わず笑みが浮かぶ。

 ルシアを横抱きにして、浴槽から出ると、

 湯をかけて丁寧に洗い、庭園で咲いた花から作った香油を丹念に塗りこむ。

 柔らかな肌の感触を確かめることも忘れない。

 時折、愛撫に近い触れ方をすると、

 小さく唇から、愛らしい声が漏れる。

 意識は覚醒していないはずなのに、

 体は、反応するから、面白いのだ。

 本格的に、肌を貪ってしまうのは、キスで堪えた。

 隙間なく触れ合う唇に、瞼が押し開く。

 眠っていたルシアが、目を覚ました瞬間に浮かべたのは香るような微笑み。

 愛し合った後の色気が、滲み出た美しい姿だった。







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