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第二章
番外編「喉と首筋に欲求と執着のキス」(☆)
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甘い甘い夜が、訪れる。
契約を交わした日から、数ヶ月が過ぎ
クライヴとルシアのふたりはお互いの欲求に身を任せて、
溺れていた。
ルシアは、心の中で時々、黒い魔法使いと
クライヴを呼んでいた。黒魔術師はなんだか、
堅苦しいから、こっそり心の中では魔法使いと呼んでいる。
クライヴには内緒である。
陽の差す明るい庭園で、交わるふたりは、
時折微笑み、唇を重ねては、抱きしめ合う。
「だ、だめ……っ」
喉に食らいつく唇は、音を立てて首筋を吸い上げた。ちゅ、と音がたつ度甘痒い痛みが、
襲い、頤おとがいを反らせる。
明るい日差しの下で、首筋に、赤黒い
あざのようなものが、確認できた。
それは、ルシアへの執着を示している。
口には出さずとも、彼の行いが、雄弁に物語っていた。
(お前は、俺のものだ。誰にも渡さない)
耳もとに、囁きが落ちる。
熱い杭が、深くルシアを貫いていた。
出這入ではいり、されるたび、
体が揺れた。
木陰の下で、組み敷かれるなんて、気恥ずかしかったけれど、
受け入れることに躊躇いはなかった。
すべてを暴かれても、ここでは、彼しか見ていない。
ちくりと刺す痛みは、
繋がりの心地良さにかき消される。
一瞬、牙を立てられたかのように、感じた。
唇で吸い上げたあと、軽く歯を立てる。
喉には、首筋とは違う痕が残った。
ぞくり、と震える。
「あ……あなたになら、食べ尽くされてもいい」
「可愛いこと言われたら、本気にするだろ」
「うん、食べて」
胸の頂きを食まれる。指に挟まれちゅく、ちゅくと吸われて、胎内ナカが締まる。
太腿を伝う雫が、もどかしい気持ちにさせた。
ルシアの中から溢れたものとクライヴから、漏れ出たものが混ざりあったそれ。
収縮するたび、溢れるみだらな蜜。
「ルシア……あ、あ」
「クライヴ……っ」
唇を貪る。舌を絡めて唾液を啜って、
キスを交わすほど、ルシアのナカに、埋め込まれたクライヴ自身は重力を増した。
ずく、ずくと音を立てて絡み合っていても、
まだ終わりは来ない。
飽きるほど、奪い合う。
それでも、互いのすべてを知り合えたとは、
ふたりは感じていなかった。
肌を重ねても、心の奥の秘めた部分は
透かすことが出来ない。だから、求めてしまう。
今日は、何度となく繋がった。
膝の上で、抱き合い、大木に押しつけられて
足を待ちあげられて、溶け合った。
今はもう、これで最後だろうと、決めて、
ゆったりと寝そべり愛し合っている。
クライヴを逃さまいとルシアは、脚を絡めた。
眉をしかめた彼が、動きを早くして、
快楽を誘う。脳内が、白く爆ぜて、叫びだしそうになる。
甘く噛み跡を残された首筋がうずく。
本気で血を吸われてはいないから、
傷にはなっていないけれど、未知の刺激が、
身体の奥をざわめかせた。
どくん、どくんと心臓は早鐘を立てている。荒い息を吐き出す唇が、塞がれて、
鎖骨まで、唾液がしたたっていく。
「あ、……も、もう無理」
お腹の奥が、きゅんと疼いた。胎内ナカにいるクライヴ自身が、びくん、と跳ねてそれが、
刺激になる。朝を知らせる小鳥よりも、
高らかに啼いて、ルシアはクライヴの肩に爪痕を残す。
「……今日のお前は奔放でいつもより、
俺を狂わせているよ」
妖艶な表情と、吐息混じりの声。
愛を奏でる時のクライヴは、情熱的で、
本能的で、たまらないのだ。
大きく突き上げながら、ふくらみを荒く揉まれる。
うっとりと瞳を閉じたら、その瞬間は訪れた。
熱い飛沫が、胎内(ナカ)に注がれて、
ルシアは、堕ちた。
背中には、クライヴの長衣が敷かれているから、草の上でも痛みや傷はつかなかった。
ぎゅっと手を絡める。
藍色の瞳が、ルシアを見つめて閉じられたのを
見届けて、ルシアも瞳を閉じた。
クライヴの寝顔が、見られてルシアはとても幸せだった。
契約を交わした日から、数ヶ月が過ぎ
クライヴとルシアのふたりはお互いの欲求に身を任せて、
溺れていた。
ルシアは、心の中で時々、黒い魔法使いと
クライヴを呼んでいた。黒魔術師はなんだか、
堅苦しいから、こっそり心の中では魔法使いと呼んでいる。
クライヴには内緒である。
陽の差す明るい庭園で、交わるふたりは、
時折微笑み、唇を重ねては、抱きしめ合う。
「だ、だめ……っ」
喉に食らいつく唇は、音を立てて首筋を吸い上げた。ちゅ、と音がたつ度甘痒い痛みが、
襲い、頤おとがいを反らせる。
明るい日差しの下で、首筋に、赤黒い
あざのようなものが、確認できた。
それは、ルシアへの執着を示している。
口には出さずとも、彼の行いが、雄弁に物語っていた。
(お前は、俺のものだ。誰にも渡さない)
耳もとに、囁きが落ちる。
熱い杭が、深くルシアを貫いていた。
出這入ではいり、されるたび、
体が揺れた。
木陰の下で、組み敷かれるなんて、気恥ずかしかったけれど、
受け入れることに躊躇いはなかった。
すべてを暴かれても、ここでは、彼しか見ていない。
ちくりと刺す痛みは、
繋がりの心地良さにかき消される。
一瞬、牙を立てられたかのように、感じた。
唇で吸い上げたあと、軽く歯を立てる。
喉には、首筋とは違う痕が残った。
ぞくり、と震える。
「あ……あなたになら、食べ尽くされてもいい」
「可愛いこと言われたら、本気にするだろ」
「うん、食べて」
胸の頂きを食まれる。指に挟まれちゅく、ちゅくと吸われて、胎内ナカが締まる。
太腿を伝う雫が、もどかしい気持ちにさせた。
ルシアの中から溢れたものとクライヴから、漏れ出たものが混ざりあったそれ。
収縮するたび、溢れるみだらな蜜。
「ルシア……あ、あ」
「クライヴ……っ」
唇を貪る。舌を絡めて唾液を啜って、
キスを交わすほど、ルシアのナカに、埋め込まれたクライヴ自身は重力を増した。
ずく、ずくと音を立てて絡み合っていても、
まだ終わりは来ない。
飽きるほど、奪い合う。
それでも、互いのすべてを知り合えたとは、
ふたりは感じていなかった。
肌を重ねても、心の奥の秘めた部分は
透かすことが出来ない。だから、求めてしまう。
今日は、何度となく繋がった。
膝の上で、抱き合い、大木に押しつけられて
足を待ちあげられて、溶け合った。
今はもう、これで最後だろうと、決めて、
ゆったりと寝そべり愛し合っている。
クライヴを逃さまいとルシアは、脚を絡めた。
眉をしかめた彼が、動きを早くして、
快楽を誘う。脳内が、白く爆ぜて、叫びだしそうになる。
甘く噛み跡を残された首筋がうずく。
本気で血を吸われてはいないから、
傷にはなっていないけれど、未知の刺激が、
身体の奥をざわめかせた。
どくん、どくんと心臓は早鐘を立てている。荒い息を吐き出す唇が、塞がれて、
鎖骨まで、唾液がしたたっていく。
「あ、……も、もう無理」
お腹の奥が、きゅんと疼いた。胎内ナカにいるクライヴ自身が、びくん、と跳ねてそれが、
刺激になる。朝を知らせる小鳥よりも、
高らかに啼いて、ルシアはクライヴの肩に爪痕を残す。
「……今日のお前は奔放でいつもより、
俺を狂わせているよ」
妖艶な表情と、吐息混じりの声。
愛を奏でる時のクライヴは、情熱的で、
本能的で、たまらないのだ。
大きく突き上げながら、ふくらみを荒く揉まれる。
うっとりと瞳を閉じたら、その瞬間は訪れた。
熱い飛沫が、胎内(ナカ)に注がれて、
ルシアは、堕ちた。
背中には、クライヴの長衣が敷かれているから、草の上でも痛みや傷はつかなかった。
ぎゅっと手を絡める。
藍色の瞳が、ルシアを見つめて閉じられたのを
見届けて、ルシアも瞳を閉じた。
クライヴの寝顔が、見られてルシアはとても幸せだった。
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