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一章
7.残念異能? な後輩が入部してきた
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放課後、教室にて。
「ねぇ、氷室君」
部室に向かおうとしていた俺は、クラスメイトの······名前は出てこないが、クラスメイトに引き留められた。
「実はさ、あたしの妹が一年にいるんだけど、まぁ、所謂ところの異能力? ってのを使えちゃったみたいなんだよね」
ほう、能力者がまた増えたか。
「そうか、それで、どうしたんだ?」
「えと、それがこの子なんだけど······」
クラスメイトが、廊下から小さな子を連れてきた。
初めて来た二年の教室を興味津々といった様子でキョロキョロしている。頭のアホ毛が、犬の尻尾のように揺れているのが特徴的だ。見た目はとても幼く、中一や中二と言われたら信じてしまいそうなほどだ。
······俺がこんな真面目に人の容姿を描写したのって始めてじゃないか? 褒めていいぞ?
「ふむ、この子がねぇ。ホントに高一? 中一の間違いじゃ?」
「いやいやいや、高一だから。あたしもちょっと怪しいと思うけど、高一だから」
「へぇ······?」
俺は懐疑的な目を向ける。いや、だってホントに高校生になんて見えないんだよ。
「お姉ちゃん! この人すっごく失礼だね! お姉ちゃんもだけど!」
おう、失礼なのは自覚していたが、目の前で女の子に失礼だと言われると、罪悪感が半端ないな。
「うん、失礼なのは解ってるけど、琴音はもうちょっと成長しようか?」
「くはっ! あたしちゃんとご飯食べてるもん!」
「ふむ、琴音ちゃんというのか」
「お姉ちゃん! 知らない人に個人情報知られちゃったよ!? どうするの!?」
どうやら琴音ちゃんは物の考え方がちょっとズレてるらしい。
「いや、別に知られても大丈夫だから。氷室君なら悪用しないって。多分だけど」
「さぁ、それはどうだろうな?」
「お姉ちゃん! この人やっぱり知られちゃダメな人だよ!」
「氷室君!? 何するつもりなの!?」
「いや、何もしねぇよ!? 自分の発言でここまで言われるとは思ってなかったよ!」
姉妹の連携は恐ろしいな。
「さすがに個人情報の悪用なんてしないから。冗談だから。話を続けてくれ」
「あ、うん。そうだね。とりあえず自己紹介してなかったから、自己紹介からかな」
「そうしてくれると助かる」
ついでに姉の方もしてくれると助かるんだが。
「ほら、琴音」
「はぁ~い」
琴音ちゃんが一歩前に進み出てきた。
「は、はじめまして! 姫島琴音といいます! えっと、最近触った物が浮くようになっちゃいました!」
ふむ、念動力の制御できないバージョンか。
「氷室って異能研でしょ?」
「あぁ、そうだな」
なるほど、異能研入部希望者といったところか。
「お姉ちゃん、イノーケンってなに? 伊納忠敬研究会?」
「それはピンポイント過ぎない!?」
まぁ、その人もある意味では普通の人じゃないわな。ところで、知らなかったということは入部希望者ではない?
姫島(姉)が『異能研について説明求む』みたいな目で見てきたので、仕方なく琴音ちゃんに、異能力研究会について説明をしてあげる
「琴音ちゃん、異能研ってのは、異能力研究会のことで、能力を持った人が集まってるんだ。部長は能力を持ってないけど、異能力が大好き過ぎて、能力者を見分けたりする、ある意味すごい人で、このクラスに居たはずなんだけど······多分真っ先に部室に向かったかなぁ」
「ほぇ~······」
何か琴音ちゃんが何も考えてなさそうな顔で話を聞いている。ホントに聞いているのか?
「で、琴音ちゃんは入部希望者なのか?」
「あ、え、えっと、希望というよりは、消去法といいますか······良いところがあるよってお姉ちゃんが······」
消去法? 消去法で、異能研が残るなんてことあるのだろうか。
「この子、触った物が良く浮いちゃうから、何かを作る部活みたいに、繊細な作業をする部活ができないんだって」
「なるほどな。で、他の能力者も居る異能研に入ろうとした、と」
ふむ、まぁ、能力を持ってると、スポーツはフェアじゃないとか言われそうだしな。それに能力見せろとかいう輩も良く現れる。そこで、異能研に避難したいというわけか。
「別に俺は良いぞ。部長も恐らく部員が増えると喜ぶはずだ。まぁ、一人問題があるやつもいるが、多分大丈夫だろう」
ちなみに問題があるのは歩香だ。
「問題ある人は居るのね」
「まぁ、あいつに害はほとんど無い」
「そっか、それなら良かった。ね、琴音」
「うん!」
「さて、俺はこの子を部室まで連れていけばいいのか?」
そろそろ部室に行かないと何か言われそうだし、早く行きたい。
「あ、今日はあたしもついていくよ。不安もあるだろうしね」
「そうか、じゃあ、ついてこい」
「はぁ~い」
これで、部員五人か。そのなかで能力者四人って、本当にすごいな。他の学校じゃ一人も居ないなんて、ざらにあることのはずなんだが······
まぁ、部員が増えるのはいいことだし、ただの偶然で済む程度の問題だな。
あ、そうそう。姫島(姉)の方だが、後で名前を聞いたら天音というそうだ。え? 異能研には入らないのかって? まぁ、姫島(姉)の方は元から何かの部活に入っているだろうしな。さすがに様子見に来る程度はあるだろうが、入部したりはしないはずだ。
「ねぇ、氷室君」
部室に向かおうとしていた俺は、クラスメイトの······名前は出てこないが、クラスメイトに引き留められた。
「実はさ、あたしの妹が一年にいるんだけど、まぁ、所謂ところの異能力? ってのを使えちゃったみたいなんだよね」
ほう、能力者がまた増えたか。
「そうか、それで、どうしたんだ?」
「えと、それがこの子なんだけど······」
クラスメイトが、廊下から小さな子を連れてきた。
初めて来た二年の教室を興味津々といった様子でキョロキョロしている。頭のアホ毛が、犬の尻尾のように揺れているのが特徴的だ。見た目はとても幼く、中一や中二と言われたら信じてしまいそうなほどだ。
······俺がこんな真面目に人の容姿を描写したのって始めてじゃないか? 褒めていいぞ?
「ふむ、この子がねぇ。ホントに高一? 中一の間違いじゃ?」
「いやいやいや、高一だから。あたしもちょっと怪しいと思うけど、高一だから」
「へぇ······?」
俺は懐疑的な目を向ける。いや、だってホントに高校生になんて見えないんだよ。
「お姉ちゃん! この人すっごく失礼だね! お姉ちゃんもだけど!」
おう、失礼なのは自覚していたが、目の前で女の子に失礼だと言われると、罪悪感が半端ないな。
「うん、失礼なのは解ってるけど、琴音はもうちょっと成長しようか?」
「くはっ! あたしちゃんとご飯食べてるもん!」
「ふむ、琴音ちゃんというのか」
「お姉ちゃん! 知らない人に個人情報知られちゃったよ!? どうするの!?」
どうやら琴音ちゃんは物の考え方がちょっとズレてるらしい。
「いや、別に知られても大丈夫だから。氷室君なら悪用しないって。多分だけど」
「さぁ、それはどうだろうな?」
「お姉ちゃん! この人やっぱり知られちゃダメな人だよ!」
「氷室君!? 何するつもりなの!?」
「いや、何もしねぇよ!? 自分の発言でここまで言われるとは思ってなかったよ!」
姉妹の連携は恐ろしいな。
「さすがに個人情報の悪用なんてしないから。冗談だから。話を続けてくれ」
「あ、うん。そうだね。とりあえず自己紹介してなかったから、自己紹介からかな」
「そうしてくれると助かる」
ついでに姉の方もしてくれると助かるんだが。
「ほら、琴音」
「はぁ~い」
琴音ちゃんが一歩前に進み出てきた。
「は、はじめまして! 姫島琴音といいます! えっと、最近触った物が浮くようになっちゃいました!」
ふむ、念動力の制御できないバージョンか。
「氷室って異能研でしょ?」
「あぁ、そうだな」
なるほど、異能研入部希望者といったところか。
「お姉ちゃん、イノーケンってなに? 伊納忠敬研究会?」
「それはピンポイント過ぎない!?」
まぁ、その人もある意味では普通の人じゃないわな。ところで、知らなかったということは入部希望者ではない?
姫島(姉)が『異能研について説明求む』みたいな目で見てきたので、仕方なく琴音ちゃんに、異能力研究会について説明をしてあげる
「琴音ちゃん、異能研ってのは、異能力研究会のことで、能力を持った人が集まってるんだ。部長は能力を持ってないけど、異能力が大好き過ぎて、能力者を見分けたりする、ある意味すごい人で、このクラスに居たはずなんだけど······多分真っ先に部室に向かったかなぁ」
「ほぇ~······」
何か琴音ちゃんが何も考えてなさそうな顔で話を聞いている。ホントに聞いているのか?
「で、琴音ちゃんは入部希望者なのか?」
「あ、え、えっと、希望というよりは、消去法といいますか······良いところがあるよってお姉ちゃんが······」
消去法? 消去法で、異能研が残るなんてことあるのだろうか。
「この子、触った物が良く浮いちゃうから、何かを作る部活みたいに、繊細な作業をする部活ができないんだって」
「なるほどな。で、他の能力者も居る異能研に入ろうとした、と」
ふむ、まぁ、能力を持ってると、スポーツはフェアじゃないとか言われそうだしな。それに能力見せろとかいう輩も良く現れる。そこで、異能研に避難したいというわけか。
「別に俺は良いぞ。部長も恐らく部員が増えると喜ぶはずだ。まぁ、一人問題があるやつもいるが、多分大丈夫だろう」
ちなみに問題があるのは歩香だ。
「問題ある人は居るのね」
「まぁ、あいつに害はほとんど無い」
「そっか、それなら良かった。ね、琴音」
「うん!」
「さて、俺はこの子を部室まで連れていけばいいのか?」
そろそろ部室に行かないと何か言われそうだし、早く行きたい。
「あ、今日はあたしもついていくよ。不安もあるだろうしね」
「そうか、じゃあ、ついてこい」
「はぁ~い」
これで、部員五人か。そのなかで能力者四人って、本当にすごいな。他の学校じゃ一人も居ないなんて、ざらにあることのはずなんだが······
まぁ、部員が増えるのはいいことだし、ただの偶然で済む程度の問題だな。
あ、そうそう。姫島(姉)の方だが、後で名前を聞いたら天音というそうだ。え? 異能研には入らないのかって? まぁ、姫島(姉)の方は元から何かの部活に入っているだろうしな。さすがに様子見に来る程度はあるだろうが、入部したりはしないはずだ。
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