残念異能生活日記

紡未夏樹

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番外編

10.5.これを知られてしまったら私は──

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「全く······どこから見付けてきたのかしら······」
父さんが部活に乱入してから数十分後。私こと、神流美夜子は、自宅の自室へ戻り、父さんが持ってきた首輪を眺めていた。
うちは所謂お金持ちで、私にもある程度広い部屋が与えられている。つまり、隠し場所には困らない──と、思っていた。
「場所を変えた方が良いのかしら······」
新たな隠し場所を求めて部屋を彷徨うろつくが、良い場所が見付からない。
私が部屋でどうするべきか悩んでいると、ふと、姿見に映った自分の姿が目に入った。
長い黒髪、赤い縁の眼鏡、学校の制服。そして首輪。
──そういえば、試していない事があったわね。
首輪の留め具を外し、自身の首へと巻き付ける。
今まで、私服で首輪を着けたことはあった。しかし制服という、学生を意識させるような格好では初めてだ。
背徳感に背筋が震える。微弱な電流が身体に流れているかのように心地よい。
頬が紅潮しているのが鏡を見なくても分かってしまう。

そのままヘタりこんで数十分が経った。
さすがに我に返った私は、改めて部屋を彷徨いて、首輪の隠し場所として、相応しい所を探し始めた。
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