残念異能生活日記

紡未夏樹

文字の大きさ
22 / 43
三章

22.いつ健は消えるのだろう?

しおりを挟む
「今日何するー?」
健のやる気がない。いつもよりない。
「え? 何かやってたことありましたっけ?」
琴音ちゃん、それ言っちゃダメだよ。
「健を部室から追い出せるなら何かやる」
歩香、最近酷いな。露骨に追い出そうとしてるぞお前。
「何で俺が追い出される前提の話を自分でしなきゃなんないんだよ」
と、いつものように話していたところ、
──コンコン
部室の扉がノックされた。
「はい、なんですか?」
入って来たのは女性の教師だった。見た目的には神流先輩と被るな。黒髪ロングの眼鏡で有能そうで。
「平塚は居るか?」
「あ、はい。俺ですけど、何かありました?」
「何かありましたかじゃないだろう。部長は集まれと言われていたはずだが?」
「あれ? それってこの間終わったんじゃ?」
姫島を勧誘しに行った時のやつか。
「話を聞いていたか? 話は終わってない。早く来るんだ」
健は教師に連れていかれてしまった。結局退場か。
「最近ホントに平塚君、メインから外されかけてるわよねぇ」
外部からの圧力かな。
「結局健消えたが、どうする? 本当にすること無いぞ?」
「健の椅子を窓から投げたい」
「ただの陰湿なイジメだな」
「平塚先輩の私物で私の能力の訓練とかダメですか?」
「健の私物限定ってとこに引っ掛かるな。アイツなんか悪いことしたか」
「平塚君が帰って来る頃を見計らって帰るというのはどうかしら?」
「それもイジメに入るんじゃないですか」
どんだけ健をいじめたいんだよお前ら。
「マトモな意見、というか対象が健じゃないものはないのか」
アイツの扱いが日に日に悪くなってる気がするぞ。
「健いじり以外だと祐希のストーキングしかないけど、それで良いならやるよ?」
「お前の行動パターン少なすぎだろ」
「氷室先輩の私物を使うのでも良いですよ?」
「対象が健じゃないものってそういう意味じゃないからな? 俺が対象だから許されるわけじゃないからな?」
「じゃあ、今すぐ帰る? それも良いわよ?」
「帰る時間の問題でもないんですけどね」
「することないなら帰りましょうよ」
まぁ、それも一理あるっちゃあるんですけどね、そうじゃないんですよ。今日何するか聞いたのに何もせずに帰るってのはおかし──くないな。あれ? 俺はどこで間違ったんだ?
「······帰りますか」
「あら、帰るのね。本当にすることないなら皆私のうちにくる? 色々遊べるものはあるわよ?」
ふむ、先輩の家か。あの父親が居る家という意味でも興味あるな。
「先輩のおうちですか? 行きたいです!」
あぁ、琴音ちゃんが速攻で食い付いた。
「わたしも興味ある。お金持ちの家、色々ありそう」
「歩香、お前盗みでも働くつもりか」
「そんなことしないよ。物色だけ」
充分ダメな気もするがな。
「じゃあ、決まりね。帰るわよ」
あ、俺の意見は無くていいんですね。
いや、まぁ良いけど。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...