23 / 43
三章
23.神流先輩の部屋(前)
しおりを挟む
というわけで神流先輩の家なんだが、これがまたでかい。屋敷というか、なんだか小さな城にすら思えてきたぞ。
神流先輩の親は何をしてこんなに富を得たんだよ。
神流先輩も、さすがに言葉だけじゃ道は伝わらないと思ったらしく、部屋まで案内してくれた。
「おぉ、一体どんな悪いことをすればこんな余分な土地を──」
「やめろ歩香。それ以上はまずい」
元ネタを知ってる人がいるかは分からないが、とにかくそれ以上はまずい。
「確かあの台詞って二パターンくらいありますよね」
琴音ちゃん知ってるのか。
「でも、それを言った人は同じなのよね」
神流先輩まで知ってたか。やはりあの作品は偉大なんだな。
「ところで先輩の親って何の仕事をしてるんですか?」
悪いことじゃなければいいんだけど。
「私にも教えてくれないのよね。堅気じゃないことだけはやってないとは思うのだけれど」
その言い回しもどうかとは思いますがね。
そうした話をしているうちに部屋についたようだ。
「はい、ここが私の部屋よ。ちょっと飲み物持ってくるわ」
なんというか、予想はしてたけど、広い。しかも明らかに家の外見とは正反対の洋室だった。
バタン、と神流先輩が扉を閉めて飲み物を取りにいった途端に歩香が、
「さて、何か面白いものないかな~」
早速やりやがったか。まぁ、多分先輩のことだから見られて困る物は片付けられてるんだろうけど。しかし、止めた方が良いよな。タンスとか開けちゃってるし。
「おい歩香、さすがに止め──」
「──おぉ、何だこれ!」
時既に遅し。というか何か見つけんの早すぎだろ。
しかもそれ······
『何で縄······?』
全員で困惑せざるを得なかった。
やっぱりあれだろうか。ペットだろうか。
「おぉ、結構長いですよ、この縄!」
いや琴音ちゃん、広げたらまずいだろ。これ神流先輩戻ってきたらどうすんだよ。
「ほら、早いとこ元に戻してくれ。バレたらまずいことになる」
あの見た目だからな。鞭とか取り出しても違和感はない。いや、それ用の縄なのか? だとしてもとりあえず怖いから戻してほしいんだが。
「でもこれ、戻すも何もタンスの裏にあったんだけど」
それ本格的にやばい物じゃないのか? いやでも、神流先輩がそんな高校生のエロ本みたいな隠し方なんてするか? ダメだ。よくわからん。考えるのはやめよう。
「とりあえずあった場所に戻せ。それで問題ないはずだ」
「遅い! もう戻した!」
威張って言うことじゃないよな。まぁ、戻したなら何も言うまい。
そして、戻してから間もなく神流先輩が帰ってきた。
「遅くなったわね。お茶で良かったかしら」
「あ、はい」
割りとタイミングが良くて驚いてたりする。
「あら、座って良いのよ?」
どうして立っているのか、みたいに言われたけど、まぁ、戻した直後だし、仕方ない。
「さて、何する? ボードゲームもあるし、テレビゲームもあるわよ?」
意外だった。神流先輩ゲームするのか。
「何よその意外そうな目。私だってゲームくらいするわよ」
まぁ、そりゃそうか。あの作品知ってるんだもんな。
「ボードゲームって何がある──」
言ったところで、動けなくなった。
実は今、神流先輩は例のタンスを背に座ってるわけなんだが、そのタンスの上で件の縄がふよふよ浮いている。完全にアウトだった。
これ、完全に琴音ちゃんの能力じゃないか!
二人も同じものを見つけたらしく、汗がだらだら流れている。
「どうしたのよ三人して、何かおかしなものでもあった?」
ありましたね、はい。宙に浮く縄という、とてもおかしなものが、えぇ。
「三人ともどこを見てるのよ」
遂に神流先輩が後ろを振り向いて──
神流先輩の親は何をしてこんなに富を得たんだよ。
神流先輩も、さすがに言葉だけじゃ道は伝わらないと思ったらしく、部屋まで案内してくれた。
「おぉ、一体どんな悪いことをすればこんな余分な土地を──」
「やめろ歩香。それ以上はまずい」
元ネタを知ってる人がいるかは分からないが、とにかくそれ以上はまずい。
「確かあの台詞って二パターンくらいありますよね」
琴音ちゃん知ってるのか。
「でも、それを言った人は同じなのよね」
神流先輩まで知ってたか。やはりあの作品は偉大なんだな。
「ところで先輩の親って何の仕事をしてるんですか?」
悪いことじゃなければいいんだけど。
「私にも教えてくれないのよね。堅気じゃないことだけはやってないとは思うのだけれど」
その言い回しもどうかとは思いますがね。
そうした話をしているうちに部屋についたようだ。
「はい、ここが私の部屋よ。ちょっと飲み物持ってくるわ」
なんというか、予想はしてたけど、広い。しかも明らかに家の外見とは正反対の洋室だった。
バタン、と神流先輩が扉を閉めて飲み物を取りにいった途端に歩香が、
「さて、何か面白いものないかな~」
早速やりやがったか。まぁ、多分先輩のことだから見られて困る物は片付けられてるんだろうけど。しかし、止めた方が良いよな。タンスとか開けちゃってるし。
「おい歩香、さすがに止め──」
「──おぉ、何だこれ!」
時既に遅し。というか何か見つけんの早すぎだろ。
しかもそれ······
『何で縄······?』
全員で困惑せざるを得なかった。
やっぱりあれだろうか。ペットだろうか。
「おぉ、結構長いですよ、この縄!」
いや琴音ちゃん、広げたらまずいだろ。これ神流先輩戻ってきたらどうすんだよ。
「ほら、早いとこ元に戻してくれ。バレたらまずいことになる」
あの見た目だからな。鞭とか取り出しても違和感はない。いや、それ用の縄なのか? だとしてもとりあえず怖いから戻してほしいんだが。
「でもこれ、戻すも何もタンスの裏にあったんだけど」
それ本格的にやばい物じゃないのか? いやでも、神流先輩がそんな高校生のエロ本みたいな隠し方なんてするか? ダメだ。よくわからん。考えるのはやめよう。
「とりあえずあった場所に戻せ。それで問題ないはずだ」
「遅い! もう戻した!」
威張って言うことじゃないよな。まぁ、戻したなら何も言うまい。
そして、戻してから間もなく神流先輩が帰ってきた。
「遅くなったわね。お茶で良かったかしら」
「あ、はい」
割りとタイミングが良くて驚いてたりする。
「あら、座って良いのよ?」
どうして立っているのか、みたいに言われたけど、まぁ、戻した直後だし、仕方ない。
「さて、何する? ボードゲームもあるし、テレビゲームもあるわよ?」
意外だった。神流先輩ゲームするのか。
「何よその意外そうな目。私だってゲームくらいするわよ」
まぁ、そりゃそうか。あの作品知ってるんだもんな。
「ボードゲームって何がある──」
言ったところで、動けなくなった。
実は今、神流先輩は例のタンスを背に座ってるわけなんだが、そのタンスの上で件の縄がふよふよ浮いている。完全にアウトだった。
これ、完全に琴音ちゃんの能力じゃないか!
二人も同じものを見つけたらしく、汗がだらだら流れている。
「どうしたのよ三人して、何かおかしなものでもあった?」
ありましたね、はい。宙に浮く縄という、とてもおかしなものが、えぇ。
「三人ともどこを見てるのよ」
遂に神流先輩が後ろを振り向いて──
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる