1 / 14
〜余興〜1日目
しおりを挟む
今日は、晴れてるのか曇ってるのかよく分からない天気らしい。
私はゴロゴロしながら妹の話を聞いていた。
妹の冬菜はいつもの様に、部屋のカーテンを開けて何やらブツブツ言っている。ふわぁあ、眠くなってきちゃった...私は夜?いや、朝方までやってた考察系のゲームを付けっぱなしにしたまま、妹のそれを子守唄に寝てしまった。
───この時、もう少し妹の話を聞いてあげていたらなって思うのは、普通を壊された後なんだろう。
知らない場所、知らない人、見た事のないドレス……。はぁ…と、ため息をつく。
夢にまでゲームかよ…廃人って呼ばれる理由が分かったような?
「お姉さん、ため息つくと幸せなくなるよ?」
誰かの声、それに結構幼稚い感じだ…
「あ!僕ね、洋仁(ひろと)って言うんだ!ここ、凄い所だね!初めて見た」
そういう洋仁は、目を輝かせて言っていたが私はこんな所に来れた喜びが出来る洋仁は凄いと思う…
急にブォンという大きな音と、辺りのモニター画面がついた。
すごく、嫌な予感がする。
『皆様、目を覚ましたみたいですね。では、単刀直入に言います。
皆様は、プレイングカードになってもらいます。』
なにを馬鹿な事を言ってるんだ。
私は、その機械音のする人間味のない言葉に対して、思った。
いくら夢だとしても、そういうのは可笑しすぎるだろ。
『そんなに動揺しないで下さい。それに、夢だと思ってる方?騎士として、みっともないですね。』
そう言うと、ジリジリと左手首に付けられている灰色の機械みたいな腕輪から炙られる様な痛さに泣き叫ぶ。
辺りから不安の声と、パニックになった様な悲鳴や怒鳴り声が聞こえる。
腕から神経を通って頭にまで痛さが伝わる。考える事が全然出来ない。
『今からプレイするのは悪魔付きゲームです。
簡単に言えば、ジジ抜きと似ていますね。
ですが、皆様の首に番号と顔のどこかにスートが書いてるので後でご自分で確かめて下さい。』
痛みは消えたが、余韻が凄い…。洋仁が心配そうに涙を浮かべて、「大丈夫…?」なんて言うから大丈夫って言い返して、よしよしと撫でた。
淡々と喋る電子音の声は、私の頭に響いたけど現実味がしなかったが、確かに本気で言ってるのは分かった。
モニターには、分かりやすく映像も映されていて洋仁の様な小さな子も分かるような映像だ。
『カードと同じ番号とスートの方は、カードが揃って外された者同士で殺し合いをしてもらいます。
殺し合いをして、勝った方は奥の部屋に行ってもらいます。
ただ、脱出用の部屋ではないので安心して下さい。』
何が安心だ。それじゃまるで、52人は確実に死ぬみたいだ…
それに、死ぬとかふざけた事を言わないで欲しい…。でも、その声は嘘をついている様な雰囲気じゃなかった。
『では、皆様良い夜を…teiku a sleep』
そういうと、またブォンと大きな音を立ててモニターの画面は真っ黒になった。
周りは一斉に不安の声で響いた。今気づいたが、皆年齢や雰囲気はバラバラに見える。
「ね、ねぇお姉さんさっきのは、嘘なんだよね?
殺し合いとか、しなくていいんだよね?怖いよ…」
明らかに動揺している。今は、安心させないと…。
洋仁の右の頬には、ハートのマークがあった。多分、スートと言ってたのはマークの事だろう。
首には、3と書いてあった。
「………わ、私は鈴(りん)って言うんだ。えっと……」
段々小さくなっていく声に被せて
「鈴って呼ぶね!鈴はスペードなんだね!」
へ?!と、マヌケな声が出てしまった。
ていうか、呼び捨てはちょっと恥ずかしい…
「僕の事は、洋仁って呼んでいいからね!」
完全に押されてる…。さっきの動揺した声と顔はどこに行ったんだ。
「じゃあ、洋仁。洋仁のはハートで3だよ」
よし!ちゃんと微笑むの出来てたはず!
周りは、鏡の方に行って確かめてる人もいるし、まだこの状況を呑めてない人も居てバラバラだ。
今鏡の方に行っても、いくら色んな所に鏡があったとしても人が多すぎて、私が死ぬ…絶対に死ぬ。
よし、こうなれば…
「……私のはどんな数字かな?」
そう言って、洋仁が見える位置までしゃがむと洋仁はじっ…と見て。花が周りに飛んでそうなほど、私に笑う。
「えっとね!鈴のは、Jって書いてあった!
いいなー!僕よりも数が多い」
少し悔しそうにしていた洋仁に、そうかな~?って笑いながら言っていた。
モニターの画面がまた明るくなって、けたたましい音が鳴り響く。
『これより、悪魔付きゲームを開始します!プレイヤーは4人です。
今日は、揃ったカードをまとめるので殺し合いは明日の朝になります。
言い忘れていましたが、殺し合いは朝と夜。すなわちプレイヤーがカードを取るのは朝と夜になるので、基本この館で何をしても大丈夫です。
皆様の部屋は用意されているので、そこでゆっくりとお過ごし下さい。teiku a sleep』
機械音の声を聴きながら、モニターはこの館の写真とかが映されていて、まるでお城みたいな大きさだな…と、思うほどだった。
皆、殺し合いと聞くと緊張の空気が流れて変な空気だった。
洋仁は私の手を握って、陰に隠れながらモニターを見ていた。
────明日、目を覚ましたらいつものように冬菜にぶつぶつと言われて、それを子守歌代わりにベッドで眠る…私の日常が、普通が訪れるのを期待して目を閉じた。
私はゴロゴロしながら妹の話を聞いていた。
妹の冬菜はいつもの様に、部屋のカーテンを開けて何やらブツブツ言っている。ふわぁあ、眠くなってきちゃった...私は夜?いや、朝方までやってた考察系のゲームを付けっぱなしにしたまま、妹のそれを子守唄に寝てしまった。
───この時、もう少し妹の話を聞いてあげていたらなって思うのは、普通を壊された後なんだろう。
知らない場所、知らない人、見た事のないドレス……。はぁ…と、ため息をつく。
夢にまでゲームかよ…廃人って呼ばれる理由が分かったような?
「お姉さん、ため息つくと幸せなくなるよ?」
誰かの声、それに結構幼稚い感じだ…
「あ!僕ね、洋仁(ひろと)って言うんだ!ここ、凄い所だね!初めて見た」
そういう洋仁は、目を輝かせて言っていたが私はこんな所に来れた喜びが出来る洋仁は凄いと思う…
急にブォンという大きな音と、辺りのモニター画面がついた。
すごく、嫌な予感がする。
『皆様、目を覚ましたみたいですね。では、単刀直入に言います。
皆様は、プレイングカードになってもらいます。』
なにを馬鹿な事を言ってるんだ。
私は、その機械音のする人間味のない言葉に対して、思った。
いくら夢だとしても、そういうのは可笑しすぎるだろ。
『そんなに動揺しないで下さい。それに、夢だと思ってる方?騎士として、みっともないですね。』
そう言うと、ジリジリと左手首に付けられている灰色の機械みたいな腕輪から炙られる様な痛さに泣き叫ぶ。
辺りから不安の声と、パニックになった様な悲鳴や怒鳴り声が聞こえる。
腕から神経を通って頭にまで痛さが伝わる。考える事が全然出来ない。
『今からプレイするのは悪魔付きゲームです。
簡単に言えば、ジジ抜きと似ていますね。
ですが、皆様の首に番号と顔のどこかにスートが書いてるので後でご自分で確かめて下さい。』
痛みは消えたが、余韻が凄い…。洋仁が心配そうに涙を浮かべて、「大丈夫…?」なんて言うから大丈夫って言い返して、よしよしと撫でた。
淡々と喋る電子音の声は、私の頭に響いたけど現実味がしなかったが、確かに本気で言ってるのは分かった。
モニターには、分かりやすく映像も映されていて洋仁の様な小さな子も分かるような映像だ。
『カードと同じ番号とスートの方は、カードが揃って外された者同士で殺し合いをしてもらいます。
殺し合いをして、勝った方は奥の部屋に行ってもらいます。
ただ、脱出用の部屋ではないので安心して下さい。』
何が安心だ。それじゃまるで、52人は確実に死ぬみたいだ…
それに、死ぬとかふざけた事を言わないで欲しい…。でも、その声は嘘をついている様な雰囲気じゃなかった。
『では、皆様良い夜を…teiku a sleep』
そういうと、またブォンと大きな音を立ててモニターの画面は真っ黒になった。
周りは一斉に不安の声で響いた。今気づいたが、皆年齢や雰囲気はバラバラに見える。
「ね、ねぇお姉さんさっきのは、嘘なんだよね?
殺し合いとか、しなくていいんだよね?怖いよ…」
明らかに動揺している。今は、安心させないと…。
洋仁の右の頬には、ハートのマークがあった。多分、スートと言ってたのはマークの事だろう。
首には、3と書いてあった。
「………わ、私は鈴(りん)って言うんだ。えっと……」
段々小さくなっていく声に被せて
「鈴って呼ぶね!鈴はスペードなんだね!」
へ?!と、マヌケな声が出てしまった。
ていうか、呼び捨てはちょっと恥ずかしい…
「僕の事は、洋仁って呼んでいいからね!」
完全に押されてる…。さっきの動揺した声と顔はどこに行ったんだ。
「じゃあ、洋仁。洋仁のはハートで3だよ」
よし!ちゃんと微笑むの出来てたはず!
周りは、鏡の方に行って確かめてる人もいるし、まだこの状況を呑めてない人も居てバラバラだ。
今鏡の方に行っても、いくら色んな所に鏡があったとしても人が多すぎて、私が死ぬ…絶対に死ぬ。
よし、こうなれば…
「……私のはどんな数字かな?」
そう言って、洋仁が見える位置までしゃがむと洋仁はじっ…と見て。花が周りに飛んでそうなほど、私に笑う。
「えっとね!鈴のは、Jって書いてあった!
いいなー!僕よりも数が多い」
少し悔しそうにしていた洋仁に、そうかな~?って笑いながら言っていた。
モニターの画面がまた明るくなって、けたたましい音が鳴り響く。
『これより、悪魔付きゲームを開始します!プレイヤーは4人です。
今日は、揃ったカードをまとめるので殺し合いは明日の朝になります。
言い忘れていましたが、殺し合いは朝と夜。すなわちプレイヤーがカードを取るのは朝と夜になるので、基本この館で何をしても大丈夫です。
皆様の部屋は用意されているので、そこでゆっくりとお過ごし下さい。teiku a sleep』
機械音の声を聴きながら、モニターはこの館の写真とかが映されていて、まるでお城みたいな大きさだな…と、思うほどだった。
皆、殺し合いと聞くと緊張の空気が流れて変な空気だった。
洋仁は私の手を握って、陰に隠れながらモニターを見ていた。
────明日、目を覚ましたらいつものように冬菜にぶつぶつと言われて、それを子守歌代わりにベッドで眠る…私の日常が、普通が訪れるのを期待して目を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる