6 / 15
ありがとうの言葉
しおりを挟む
次の日も次の日も毎日誰かがいる生活は僕にとって潤いだった。だって、誰かと話すのは楽しいしこんな事を思えたのはきっとニアのおかげだろう。
「……なんですか?その目は」
うん、ニアはちょっとツンツンしてるけど何かと気を遣ったり、僕に話しを持ちかけてくれたりとしてくれてる。多分この世で1番僕のことを気遣ってくれている。
「ううん。なんでもないよ」
食事中にじーーと見てたから不思議だったのだろう。僕はニアが来てから体調も良くなりつつあるし、この生活が続くように祈るばかりだ。
「ねぇ…後で歩く練習に付き合ってくれない?」
最近食事も少しずつだけど食べれるようになり今じゃティーカップ1杯分くらい食べれる。だから栄養が周り始めたのか喋るのが辛くない。とはいえ、慣れてないためあんまり喋ると疲れちゃうんだけどね。
「いいですよ。適度な運動は筋力を上げてくれますし無理のないようにお願いします」
僕が自ら歩いてみたいって言ったときはティーカップ1杯分くらい食べれるようになったらと断られてしまったけど今日は約束通り食べたから良いって。やったね!僕は食べ終わり、スプーンを置いた。ニアがすかさず薬とお水をおいてくれた。早業!さぁ、薬も飲んだし、立ち上がってみるぞ!
「う……うん…。結構きついね」
立ち上がれずにいた足腰が凄いプルプルしてる。えーとたったばかりの子鹿みたいと世間では言うんだっけ?あんな感じ。これ、1人じゃ歩けない壁伝いで練習するしか無いか…。
「暫くは部屋内で練習ですね。上手に歩けるようになったら離宮の中を歩きましょう」
的確に指示してくれた!ありがとう!お、おぉっと!?あ、ごめん……。気を抜いて倒れそうになった僕を片手で阻止してくれた。僕ってそんな軽いんだ……。もうちょっと重くなるように頑張ろっと。
「あ、ありがとうニア」
そう正直に言うとニアはフリーズし、10秒程して離してくれた。
「礼はいらないです。私のすることをしたまでなので」
そう…?コレが主従関係の普通なのかな?だったとしても僕は礼を言うよ?
「だとしても言いたかったから言ったんだ。ありがとう」
また、時間が少し経ってからニアは言った。
「そうですか」
今日は疲れたから夜ご飯までは寝るね……。起こしてくれるみたいだから安心できるね。
♢♢♢ウィリアムが寝たあとのニア♢♢♢
「ありがとう…ですか…。王族にしては優しすぎるのが欠点でしょうね」
私は考えながら寝ている銀髪さんの寝たきりでいたために切らずに伸びている長い髪の毛を睡眠の邪魔にならぬようにそっとどけた。
「さて、銀髪さんの存在が吉と出るか凶とでるか、どっちでしょうか」
何も無い壁の端に私は仮面をしたまま顔を向け、一言言ってやったのだった。
「……なんですか?その目は」
うん、ニアはちょっとツンツンしてるけど何かと気を遣ったり、僕に話しを持ちかけてくれたりとしてくれてる。多分この世で1番僕のことを気遣ってくれている。
「ううん。なんでもないよ」
食事中にじーーと見てたから不思議だったのだろう。僕はニアが来てから体調も良くなりつつあるし、この生活が続くように祈るばかりだ。
「ねぇ…後で歩く練習に付き合ってくれない?」
最近食事も少しずつだけど食べれるようになり今じゃティーカップ1杯分くらい食べれる。だから栄養が周り始めたのか喋るのが辛くない。とはいえ、慣れてないためあんまり喋ると疲れちゃうんだけどね。
「いいですよ。適度な運動は筋力を上げてくれますし無理のないようにお願いします」
僕が自ら歩いてみたいって言ったときはティーカップ1杯分くらい食べれるようになったらと断られてしまったけど今日は約束通り食べたから良いって。やったね!僕は食べ終わり、スプーンを置いた。ニアがすかさず薬とお水をおいてくれた。早業!さぁ、薬も飲んだし、立ち上がってみるぞ!
「う……うん…。結構きついね」
立ち上がれずにいた足腰が凄いプルプルしてる。えーとたったばかりの子鹿みたいと世間では言うんだっけ?あんな感じ。これ、1人じゃ歩けない壁伝いで練習するしか無いか…。
「暫くは部屋内で練習ですね。上手に歩けるようになったら離宮の中を歩きましょう」
的確に指示してくれた!ありがとう!お、おぉっと!?あ、ごめん……。気を抜いて倒れそうになった僕を片手で阻止してくれた。僕ってそんな軽いんだ……。もうちょっと重くなるように頑張ろっと。
「あ、ありがとうニア」
そう正直に言うとニアはフリーズし、10秒程して離してくれた。
「礼はいらないです。私のすることをしたまでなので」
そう…?コレが主従関係の普通なのかな?だったとしても僕は礼を言うよ?
「だとしても言いたかったから言ったんだ。ありがとう」
また、時間が少し経ってからニアは言った。
「そうですか」
今日は疲れたから夜ご飯までは寝るね……。起こしてくれるみたいだから安心できるね。
♢♢♢ウィリアムが寝たあとのニア♢♢♢
「ありがとう…ですか…。王族にしては優しすぎるのが欠点でしょうね」
私は考えながら寝ている銀髪さんの寝たきりでいたために切らずに伸びている長い髪の毛を睡眠の邪魔にならぬようにそっとどけた。
「さて、銀髪さんの存在が吉と出るか凶とでるか、どっちでしょうか」
何も無い壁の端に私は仮面をしたまま顔を向け、一言言ってやったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない
橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。
そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。
1~2万文字の短編予定→中編に変更します。
いつもながらの溺愛執着ものです。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
望まぬ結婚をさせられた私のもとに、死んだはずの護衛騎士が帰ってきました~不遇令嬢が世界一幸せな花嫁になるまで
越智屋ノマ
恋愛
「君を愛することはない」で始まった不遇な結婚――。
国王の命令でクラーヴァル公爵家へと嫁いだ伯爵令嬢ヴィオラ。しかし夫のルシウスに愛されることはなく、毎日つらい仕打ちを受けていた。
孤独に耐えるヴィオラにとって唯一の救いは、護衛騎士エデン・アーヴィスと過ごした日々の思い出だった。エデンは強くて誠実で、いつもヴィオラを守ってくれた……でも、彼はもういない。この国を襲った『災禍の竜』と相打ちになって、3年前に戦死してしまったのだから。
ある日、参加した夜会の席でヴィオラは窮地に立たされる。その夜会は夫の愛人が主催するもので、夫と結託してヴィオラを陥れようとしていたのだ。誰に救いを求めることもできず、絶体絶命の彼女を救ったのは――?
(……私の体が、勝手に動いている!?)
「地獄で悔いろ、下郎が。このエデン・アーヴィスの目の黒いうちは、ヴィオラ様に指一本触れさせはしない!」
死んだはずのエデンの魂が、ヴィオラの体に乗り移っていた!?
――これは、望まぬ結婚をさせられた伯爵令嬢ヴィオラと、死んだはずの護衛騎士エデンのふしぎな恋の物語。理不尽な夫になんて、もう絶対に負けません!!
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
※新作です。アルファポリス様が先行します。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる