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6話

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 ところで私は1度考えたかった事があった。本当に騎士になりたかったのかということ。逃げ込む場所を探し、入り込んだ感が凄く大きい。人々を助けたいかと言うとそうでもない気がする。だって自分を助けることすら出来ないのだから。

「ふーん。面白い部屋だなぁ」

 窓から声が聞こえ私は顔を向けた。そこにいるのは例の龍の宝ブルーダイヤ泥棒の仮面の男だった。私は問答無用で殴りかかったがこぶし1つ分くらいのところで鎖が邪魔をした。

「わー、怖い怖い。でも意外だったなぁ。あのハージェスト伯爵夫妻は子供を溺愛してるので有名なのに裏の顔はこうだったとはね。いや、妹?の方は可愛がられてるからあながちまちがいではないな」

 なにか一人で考えた一人で納得し満足そうな顔をするのがなんか苛つく。

「殴りたそうな顔だなぁ。取り引きしないかい?」

 取り引き?何かを企んでいるのか。だが、こいつは龍の宝ブルーダイヤしか興味がないと聞いたが違うのか?

「ここにね、龍の宝ブルーダイヤがあると情報が入ってね、それでなにか知っていないかい?情報と引き換えに鎖、解いてあげよう」

 ここに龍の宝ブルーダイヤがある?そんなこと知らないし、聞いたこともないがどうゆうことだ?だが、信憑性が高いからここに仮面の男は出向いたのだろう。そう考えるとますます意味がわからなくなる。私は知らないから横に顔を振った。

「そう、知らないのか。でも嘘を付いてるよね?嘘を見分ける魔道具が反応してるし。本当のところは?」

 いや、本当にわからないのだが。男が手にしてる魔道具は確かに反応してる。壊れてるとは見た感じ思えない。じゃー、何故……。

「言いたくないのかな?良いこと考えた!こうゆうときはさ、拷問と尋問の繰り返しが効率がいいんだよね。勿論安心して、ちゃんと話しをしてくれたらしないし、元通りにして帰してあげるから」

 うわー、拷問と尋問の交互って精神相当抉るんだが。お、おい、何取り出した!?洒落にならんぞ!

「じゃあ、おやすみー」

 ショックガンにより私の視界はそこで暗転をした。


 起きた時いたのは知らない場所だった。何かしらの作りかけの道具やら試験管やらあるが部屋自体がずいぶんと広い。もう使われていないどこかの邸宅だろうか。手足が動かせず椅子に縛られてある。口には猿轡をされていた。
周りに目を向け何故か一つだけある冷蔵庫から炭酸飲料を取り出し立ち飲みしていた仮面の男と目があった。

「ぷはぁー!ん?目が覚めた?あれ……おかしいな…一回打つと6時間は寝てるはずなんだけど…化け物?」

 困惑顔で化け物と乙女に向かって言った仮面の男に心底
苛ついた。絶対いつか殴るからな。

「わぁお、怖いなぁ、そんなに睨まないでおくれ」

 私はほとんど無表情なのに感情が分かるこいつは何なのだと言いたくなる。正体を暴いて見たくもなる。なんというか少し、興味が湧いてきた。性格は最悪だが。

「じゃあ、準備はいい?最初の拷問始めるよー」

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